
OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4 / OLYMPUS 9-18mm / 75-300mm
名古屋港の南、ブルーボネットから更に南へ下った先に潮見町がある。
埋め立て地にできた工業地帯で、こんなへんぴな場所を訪れるのは、ここで働いている人か、釣り人か、工場撮りの人くらいだろう。
埠頭に立つと、正面にどんと迫力のある工場が姿を現す。東海市にある新日鐵住金の製鉄所だ。
最近では、なにかというと停電して黒煙を吐く工場として知られるようになってしまった。
以前に一度、mihopapaさんの車に乗せてもらって訪れたことがある。もう一度行ってきちんと撮りたいと思いつつなかなか行けずにいた。
調べてみると公共交通機関でも行けることが分かった。名鉄で神宮前駅まで行って潮見町南行きの市バスに乗ればいい。40分くらいだったろうか。もしくは、地下鉄名城線の伝馬町駅で降りて、熱田伝馬町のバス停から乗ってもいい。
ただし、帰りのバスが1時間に一本で、平日は8時台、週末は7時台が最終なので、気をつけたい。万が一それを逃すと、埠頭で海を見ながら完全に途方に暮れて立ち尽くす人になってしまう。最寄りの鉄道駅は名鉄の柴田駅で、歩いて2時間かかる。行きのバスは、同じ路線でもブルーボネット止まりがあって、それに乗ってしまうとそれまた超困ったことになる。
そんなスリリングさにちょっとおびえつつ、二度目の潮見町行きをしてきたので、今日はその写真を紹介したい。
時刻は日没前。この日は最近には珍しくよく晴れて、夕方最後まで太陽が出ていた。おかげで夕焼けからブルーモーメントまで撮ることができた。
それにしても、ずいぶん日が短くなったものだ。日が暮れると埠頭を吹く風が冷たかった。












帰りのバスで、乗ったときは私ひとりだったのに、ちょっとうとうとして目が覚めたら超満員になっていたのには驚いた。沿線の会社で働く人たちだろう。バスを逃すと大変なことになる切実さは私どころではない。毎日が綱渡りだ。途中でおなかが痛くなったりしたらどうするんだろうと、他人事ながら心配になった。
私はもうこれでしばらく行くことはないと思う。黒煙を吐いているときの夜景はどんなだろうと、ちょっと見てみたい気もするけれど。