
OLYMPUS E-M5 + Panasonic LEICA 25mm F1.4
北区は隣の区でありながら昔から馴染みのないところだった。知っているところといえば、瀬戸電沿いと黒川沿いくらいのもので、他は通ったことさえないエリアも多い。
たまには北区でも散策しようとネットで調べていたところ、杉栄町(すぎさかえちょう)にかつて城東園という赤線が存在していたことを初めて知ることになった。
名古屋の遊郭といえば中村遊郭がよく知られている。私も二度ほど出向いて写真を撮った。
城東園はそれとは違い、空襲で焼け残った町に戦後できた赤線地帯だという。資料がほとんど残っていないというから、私同様その存在を知らない人も多いんじゃないかと思う。
他にも尾頭橋や名古屋港にも赤線はあったそうで、名古屋中をあちこち巡っているつもりの私だけど、まだまだ未知の場所はたくさんあるようだ。
そんなわけで、どんなものか撮りに行ってきた。
場所は、大曽根駅の西1キロちょっと。杉栄町2交差点のある南北のメインストリートと、その東西の裏通りに歓楽街が形成されていたという。




この路地に入った瞬間、ドキッとした。ちょっと怖い感じがした。
町全体としてはかつての面影はほとんど残っていないのだけど、この路地だけは濃密な空気が残存している気がした。






江戸時代創業の料亭、十州楼はすでになく、ネットの写真で見た建物のいくつかが姿を消していた。新しい家やマンションもあちこちで見られ、建築中のところも少なくない。訪れるのが3年遅かったと思った。この先も古い建物がひとつ、またひとつと取り壊されていくに違いない。
後編につづく。