カリガネソウの話だけど古いネタ注意報発令 2006年9月5日(火)

花/植物(Flower/plant)
カリガネソウの造形

Canon EOS 10D+Super Takumar 135mm(f3.5), f4.0, 1/100s(絞り優先)



 森林公園で面白い造形の花を見つけた。くねくねとのたくったような茎と花。コテを当てるのに失敗したインチキパーマみたいだ。ストレートパーマをかけ直せとアドバイスしたい。でも、この花にしてみればこれが普通の状態なのだろう。じっと観察していたら、「マクロス」の板野サーカスを思い出した。目標に向かってくねくねとうねりながら進むたくさんのミサイルとそれをヒラヒラとかわすバルキリー。♪リメンバー 大空舞う しろがねの翼~ シャ~オパ~イロン♪という飯島真理の懐かしい歌が頭の中で流れた。
 プレートを見ると、「かりがねそう」とある。借り金草? キミに金を借りた覚えはないぞ、とついムキになってしまいそうになったが、帰ってきて調べてみたら雁草だった。または、雁金草。
 雁が飛ぶ姿を模した家紋の「結び雁金」に似ているところから名づけられたそうだ。単純に雁の姿から来ているという説もあるけど、この花を見て雁は思い浮かばない。花からびよ~んと弓なりに伸びている雄しべと雌しべの姿が雁っぽいと言われても素直には賛同できない。むしろ、雁という文字から裸の大将の芦屋雁之助を連想してしまいがちだ。♪野に咲く花のように風に吹かれて 野に咲く花のように人を爽やかにして そんな風にぼく達も いきてゆけたらすばらしい~♪
 今日は全般的にネタが古いけど大丈夫だろうか。あらかじめ10代の人にはあやまっておいた方がいいかもしれない。ゴメンよ、メンフラハップ(分からないだろうな)。
 別名は、ホカケソウ(帆掛草)。そう言われてみると、なるほどそれは見えなくもない。個人的には板野サーカス草と呼ぶことにしよう。

 日本原産の花で、北海道から九州まで分布している。自生してるのは林や野山の周辺で、近年かなり減ってきているそうだ。名古屋あたりではまず見かけない。もっと山深いところまで行かないとなさそうだ。準絶滅危惧種に指定されている。
 国外では、中国などの東アジアにもあるそうだけど、英名はないことから外国では知られてない花なのかもしれない。
 花期は8月から9月にかけて。夏と秋をつなぐ花で、この時期の青紫色はちょっと希少だ。山道などでたまたま群生してるところに出会ったらハッとすることだろう。ハッとしてグー……。いや、なんでもないです。
 ゆらゆらと風に吹かれて揺れながらハチたちを誘い、密を吸うためにとまると、雄しべがびよーんと降りてきてハチの腹に花粉をこすりつけるんだとか。自然の知恵というのは人では思いつかないような戦略をとるものだ。
 それからこの花を語る上で欠かせないのは、臭うということだ。人にとって不快な匂いということは、それもまたひとつの作戦なんだろうか。花が人に好かれていいことなどほとんどないから、むしろ人に嫌われた方が生き延びやすいと言える。花粉を運ぶ虫にさえ嫌われなければいい。ただ、そんなに言われるほどの匂いは感じなかった。最近の私は、何かの花粉に反応して季節はずれの花粉症にかかっているからだろうか。
 カリガネソウは、冬になると地上部をすっかり隠してしまう。どこに生えていたか分からなくなるほどに。春にはそういう花がたくさんあった。カタクリやニリンソウなどのいわゆるスプリングエフェメラルと呼ばれる花たちだ。それにならえば、カリガネソウはサマーエフェメラルとかオータムエフェメラルということになるだろうか。秋の妖精と呼んでも名前負けしない風情がある。

ツリガネニンジンの仲間みたいなやつ

 同じ季節に咲く紫の花つながりということでもう一枚。最初、ツリガネニンジンだろうと思ったのだけど、よく見るとどうも違うようだ。ツリガネニンジンは、もっと花が茎の近くに集まって咲くのに対してこれは枝分かれした先にぶら下がって咲いている。
 調べてみると、ツリガネニンジンに似た花はたくさんあるのだった。ただ、ソバナとは違うと思う。となると、サイヨウシャジンとかヒメシャジンとかオトメシャジンとか、そのあたりなんだろうか。それともまったく別の種類の花なのか。
 結局調べはつかなかった。夏は終わったけど、夏の宿題ということで、来年までにはなんとか名前をつきとめたい。

 8月から9月への移行は、7月から8月に移るのとは違う意味を持つ。9月からはもう秋という区分になる。衣替えは10月でも、気持ちの切り替えは9月にしておきたい。
 9月という月は、ある意味ではとても自由な月だ。追いかけるものもなく、追い立てられるものもない。祝日としては秋分の日と敬老の日があるものの、個人的にはこれといった行事もない。これだけは9月中にやっておかなければならいというものも思いつかない。だから、どうしてもルーズになりがちだ。
 こんなときこそ、自分にムチを打たないといけない。ある種の自虐さも必要だろう。とはいえ、それじゃあ私がムチ打ってあげますわよと言われも困ってしまうので、立候補していただかなくても大丈夫です。自分でなんとかしますので。
 9月の野草としては、去年見たくて見られなかったダイモンジソウとワレモコウが一番の目標になる。野生のダイモンジソウはどこに行けば見られるんだろう。ツリフネソウとシラヒゲソウもぜひ見たい。一般的な花では、コスモスと彼岸花が控えている。それらの花の名前を聞くと、いよいよ秋だなという実感がわいてくる。そして、今年の野草もだんだん残り少なくなっていく。
 2006年も、第3コーナーを回って第4コーナーに向かうところまできた。最後の直線で最高の加速をみせるためには9月、10月の過ごし方が大事になる。それが大事。大事MANブラザーズバンドのみんなは元気にしてるだろうか。
 ということで、今日はこのへんで。バイナラ~。
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