遅れに遅れた朝顔の自由研究を今更ながらやった 2006年8月29日(火) - 現身日和 【うつせみびより】

遅れに遅れた朝顔の自由研究を今更ながらやった 2006年8月29日(火)

昼に咲いていた朝顔らしきやつ

Canon EOS 10D+TAMRON 28-300mm XR(f3.5-6.3), f4.5, 1/20s(絞り優先)



 午後2時、道ばたに咲くこの花は、未練の朝顔か、起き出した昼顔か、はたまた気の早い夜顔か。あるいは西洋朝顔だろうか。帰宅後調べてみたのだけど、はっきりしない。最近の朝顔は品種改良で昼まで咲いてるという話もあるから、朝顔確率90パーセントの西洋昼顔確率10パーセントということにしておこうか。西洋じゃないだろうという根拠は花の中心部が黄色みを帯びていないところだ。昼顔は明らかに葉っぱの形が違うし、小昼顔というには大きすぎた。
 でもこれ、ホントに朝顔だろうか。何か違和感があるんだけど。もしかしたら全然違う花だったというオチもあり得る。そんなときは、レミオロメンの「朝顔」というヘンテコリンな歌を歌って誤魔化そう。
 楽だねって ラクダを前に 笑えねって首捻る
 砂だねって 当たり前に 砂漠はどこまで続くかな?


 朝顔といえば小学生の夏休みと相場が決まっている。幼稚園生では早すぎるし、中学生では照れくさい。高校の自由研究で朝顔の観察日記を書いていったら受け付けてもらえそうにない。やっぱり朝顔は小学生がよく似合う。
 夏休み、セミの声、朝顔、カブトムシ、ラジオ体操。ちょっと好きだった女の子が、好きな男子ベストテンを書いた紙を見て自分が4位だったときの複雑な心境をふと思い出す。4位って。
 ただ、実際に朝顔の観察日記を書いたことがあるかどうかといえば、どうもなかったような気がする。朝顔の種は何度か植えたことがあったけど、ちゃんと育ったのかどうかさえ記憶にない。身近なようでいて実は意外と縁遠い朝顔と私の関係。大人になってからは育てるどころか咲いている姿さえほとんど見ることがなくなった。
 しかし、それでいいのか私と内なる声がする。光原百合の小説を読んで以来、少し朝顔が怖くなった私は、これを機に朝顔と一気にお近づきになることを考えた。怖いものから逃げるからよけいに怖くなるのだ。ワニに手を噛まれたら引くんじゃなく押せという教えがあるけどあれと同じだ。アサガオさん、あらためましてよろしくです。
 ということで、ずいぶん遅れたけど夏の朝顔研究をすることにした。得意の追い込まれてからの一夜漬けで。

 朝顔の原産地は熱帯アメリカで、奈良時代に遣唐使が種を薬として持ち帰ったことが日本における朝顔の始まりだとするのが一般的な説だ。ただ、原産は中国だとする説や、東南アジアなんじゃないかという人もいたりして、ややはっきりしないところがある。。今ではすっかり日本の夏に欠かせないものとして何食わぬ顔で咲いている朝顔も、思ったほど古顔というわけではない。
「万葉集」に出てくる朝顔は、私たちが思う朝顔とは違い、桔梗(キキョウ)や木槿(ムクゲ)などを指していると言われている。元々は朝に咲くかわいい花全般を朝顔と呼んでいたらしい。
 朝顔の基本色はあくまでも青色だ。それ以外の色はすべて突然変異や品種改良されたものということになる。奈良、平安時代は薬用植物の位置づけで、種を「牽牛子(けんごし)」と呼んで利尿剤や下剤として利用していたという。
 現在のように観賞用として様々な色の朝顔が生み出されたのは江戸時代。江戸時代というのは本当にみんな暇だったんだなと思わせる。花の品種改良が行われたのはたいてい江戸時代だ。みんな暇に任せていろんな楽しみを見出していたんだろう。鎖国が生み出したものは決して小さくない。
 あるときは江戸だけでなく日本中で朝顔の改良が流行して、色だけでなく様々な形のものも作られた。「変化朝顔」というやつで、現在に伝わっているものもある。今でも朝顔愛好家という人たちがたくさんいて、朝顔市も賑わったりしているらしい。私が寝てる間に世間ではそんなことが起こっているのか。
 バラ作りの人たちが青いバラを作ることを夢見るように、朝顔愛好家たちは黄色と黒の朝顔を作ることを夢見ているという。言われてみれば黄色い朝顔は見たことがない。濃い紫はあっても黒はない。黄色はかつて作り出されたことがあるというけど、現在に伝わっていない。世の中には自分の知らない夢がたくさんあるということをあらためて知る。
 外国での栽培があまり盛んにならないのは、イギリスなどのヨーロッパでは寒すぎて朝顔があまり育たないからというのもあるようだ。西洋朝顔の品種としては、冴えた青色をしたヘブンリーブルーや、深紅のスカーレットオハラなどがある。西洋朝顔は昼間も咲いているから、私がもし育てるならこちらの方がよさそうだ。寝坊すけのちびっこにもオススメしたい。

 ついでに昼顔についても少し。カトリーヌ・ドヌーブは憎たらしなかったなぁ、とかそういうことじゃなく、花の方を。民家で栽培されている朝顔に対して昼顔はそのへんの野で勝手に咲いている。フェンスなどに絡みついて。九州から北海道の広い地域に自生しているところを見ると、けっこう丈夫のようだ。花はたいてい薄ピンクというか薄紫で、それなりにきれいだとは思うけど、人の扱いは厳しい。たいして注目もされず、ほとんど雑草扱いされている。よく見るとかわいくないことはないのにぞんざいな扱いをされがちな事務職の女の子みたいだ。昼顔ももっと大事にしたいと思う。
 朝顔はヒルガオ科で、アサガオという名前の花が他にもいろいろあって、でも科が違っていたりして少しややこしい。夜顔はヒルガオ科で、夕顔はウリ科とか。チョウセンアサガオはナス科だ。ノアサガオ、ルコウソウ、ハマヒルガオ、アメリカアサガオ、ホシアサガオなども詳しく研究していってもいいのだけど、小学校の夏休みの課題でそこまで深く追究するのはかえってまずいかもしれない。学校の先生もそこまでは期待してないだろうし、やりすぎて親に手伝ってもらったというあらぬ疑いをかけられる恐れもある。かわいらしく朝顔の絵日記くらいにしておいた方がいいだろう。くれぐれも私のこの文章を丸写しして提出してはいけないぞ、ちびっこ諸君。

 朝顔というやつはなんでも、日の出よりも早い時間から咲き始めるんだそうだ。午前4時とかから。本格的に観察しようと思ったら超早起きが必要となる。牛乳配達のバイトでもしようかな。少年時代はカブトムシやクワガタをとりに行くためにそんな時間でも起きることができたものだった。でも今はもう無理だ。というより、その時間、まだ寝ずに起きている。ある意味朝顔観察には向いてる生活なのか? いやいや、そこまで朝顔に情熱を傾けるつもりはない。黄色い朝顔を生み出したいとか思ったこともないし。けど、もし小学生のとき私にそれくらいの根性があれば、あの子の好きな男子ランキングのベスト3くらいには食い込めたかもしれないと思うと、もう一度小学生からやり直したいような気もしてくる。彼女はそんなベストテンのことなどカケラも覚えてないだろうけど、この季節になるとあのときの朝の空気をふと思い出す私なのだった。
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コメント
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こんにちは、またまたお久しぶりで恐縮です。

朝顔って、日本の花だと思ってました、びっくりです。
ほんとに、黄色や黒の朝顔って見ませんよね。
もし、これが出来た日にゃ阪神フアンは黙ってない(いい意味で)でしょうけどね。
種が下剤だという事は知っていましたよ。
昔読んだ本に「嫌いな相手に朝顔の種を飲ませてみよう」なんてぺージがあったのを覚えてたもんで・・・
オオタさんのお陰で思い出しましたよ、これはかなり強烈だそうで。

それにしても、そうとう4位ってのがショックだったのですね。
いいじゃないですか、欄外に( )で書かれたのろさんの場合より・・・
v-406

2006-08-31 03:11 | from noro

朝顔の種の使い道

★noroさん

 こんにちは。
 こちらこそご無沙汰でした。
 夏休みは忙しかったですか?
 なにはともあれ、無事のようで安心しました。

 朝顔の歴史が意外に浅いって知って私も驚きでした。
 ずっと昔からいるような顔して、熱帯アメリカ出身とは。デーブ・スペクターみたいなやつだったのか。
 黄色と黒、ホントだ! 気づかなかった! できたら阪神ファンの朝顔愛好家に作って欲しいですね。阪神朝顔として売り出せば、関西地方で爆発的な人気を呼ぶこと間違いなしです(笑)。

 種を下剤として嫌いな相手に飲ませるって。あはは。
 どの程度効くのか分からないけど、ちょっと面白いですね。
 嫌な相手にデートに誘われたり、やっかいな上司に飲みに連れて行かれたときに使ってみるといいかも?(笑)

 好きな男子ベストテンの4位は、そんなに好きな子だったわけじゃなかっただけに微妙でした。(^^;
 すごく好きな相手だったら落ち込んだだろうけど、そうじゃなかったんで悲しんでいいものやらどうなのやらって感じで。
 noroさん、補欠合格だったんですか?(笑)
 それまたどう受け止めていいか迷うところですね。はは。

2006-08-31 04:06 | from オオタ | Edit

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