
Canon EOS 10D+SUPER-TAKUMAR 50mm(f1.4), f2.0, 1/8s(絞り優先/三脚)
巷で流行っているという噂は以前から耳にしていた、ビターチョコ。ふと思い立って、今回初めて買ってみた。「発掘!あるある大事典2」のチョコダイエット特集を観たからではない。私は体脂肪13パーセントで脂肪が足りないくらいなのだから。
特に選り好みしたわけではなく、目についたこの2つを選んだ。明治のチョコレート効果86%と、ロッテのカカオの恵み85%。早速食べてみることにした。
まずは明治の86%から。うっ、こりゃにげぇ。まさにビター。予想を超える苦さに一瞬顔が歪む。でも、そのうちほのかな甘みが口の中で広がってきて、最後はそんなに不快ではなくなる。口の中にやや苦みは残るものの、2列は食べられそうだ。
続いてロッテの85%の方を。おっ、これはずいぶんマイルドだ。カカオ1%の差とかそんなことではもちろんなく、味付けが優しくて食べやすい。普通のチョコに近い感じで、苦さにも嫌味がない。逆に言うと、ベリー・ビターを求めてこれを食べるとかえって物足りないくらいかもしれない。
他の製品と食べ比べたわけではないのでよくは分からないけど、初めてならロッテの85%をおすすめする。やっぱり少しでも食べやすい方がいいし、ビターチョコでダイエットするつもりならこっちの方が続きやすいと思う。それで満足できなくなったときは、明治の最終兵器カカオ99%というのがあるので心配無用だ。これはもはやチョコの域を超えてると話だけど。
ダイエット効果に関してだけど、「あるある」を見る限り、けっこうきつそうだ。70%以上のカカオ成分でできたビター・タイプを一日50g、朝昼晩の食前に食べると効果があるというものだった。メシ前にチョコってどうなんだと考えてしまう。さあ、おなかが空いたからこれから美味しいものを食べるぞーってときに板チョコ1列食べてしまったら中途半端におなかがふくれてご飯が美味しくなくなってしまいそうだ。実際、ダイエット効果の中に満腹中枢を刺激してごはんをたくさん食べられないようにするというものあった。
一番効果的なのは、間食が習慣の人がお菓子なんかの代わりにビターチョコを食べるとやせる、というものだった。そりゃそうだろうと思う。更に言えばチョコさえもやめてしまったらどうだろうとアドバイスしたい。
その他、基礎代謝を上げる効果があるから脂肪燃焼効率がよくなるとか、ダイエットではないけどポリフェノールがコルステロール値を下げて動脈硬化を防ぐなんて効果もあるという。意外にも食物繊維がたくさん含まれていて便秘にも効くんだとか。
カロリーは思うほど高くなく、虫歯になるというイメージは砂糖が少ない分、ビターチョコに関してはあまり心配しなくてもいいようだ。
いろいろ話を聞いたり調べたりしたところでは、ビターチョコに悪いところはなさそうなので、ダイエットの一環として取り入れてみてもいいように思う。ただし、チョコに対してアレルギー体質の人がいるそうだから、そういう人には向かない。チョコを食べて頭痛がしたりしたらやめた方がいい。チョコを食べると鼻血が出る人はもちろん駄目だ。
あと、犬や猫なんかにチョコをやるのも厳禁だという。
チョコレートの元であるカカオは、今から4,000年以上前から中米などで自生していたと言われている。カカオ椰子の木の幹にカカオ・ビーンズというラグビーボールようなものがなり、その中にびっしりとカカオの種が詰まっている。
古代のメキシコではこれに目を付け、すりつぶしたものを水に溶かして、はじめは神の儀式に使ったり、王族たちだけが飲んだりしていたようだ。カカオ100%のビターチョコはさぞかし苦かっただろう。
人が今のようにチョコレートを美味しいものとして食べるようになったのは、まだほんの500年ほど前だ。チョコの歴史は意外と浅い。コロンブスもスペインに持ち帰ったのに、苦いだけの豆に使い道を見いだせなかったという。
はじめてチョコを美味しくすることに気づいたのはスペイン人のコルテスという人物だった。ハチミツとバニラを混ぜ合わせて王族に出したところたいそう評判になり、王様はこのことは100年外国には知らせてはならぬぞと命じたほどたった。しかし、それからほどなくしてチョコの美味しさはヨーロッパに広く知れ渡ることとなり、様々な工夫がなされ、一般的な飲み物、食べ物となっていったのだった。
日本に渡ってきたのは、江戸時代の初期のこと。最初に製造したのは風月堂というところで明治元年だった。その名も「貯古齢糖」。美味しいんだかまずいんだかイメージしにくい文字だ。あまり評判になることもなく、ごく一部の階級でのみ食べられていたという。そもそも庶民には高すぎた。
現在のチョコに近いものは、明治32年に森永が作ったミルクチョコレートが第一号だ。砂糖とミルクを混ぜ合わせることに成功して、これが現在へと続く流れを生んだと言っていいだろう。大正15年(1926年)には明治が続いた。ロッテは1961年からだから、他とは少し歴史が違う。
日本は世界でひとり当たりのチョコレート消費量第15位だという。思ったより低い。バレンタインデーで年間の2割というから、上位の国はよほど日常的にたくさんのチョコを食べていることになる。1位はスイスで、2位はノルウェイだそうだ。スイス人は年に10kg近いチョコを食べているというからすごい。アメリカでさえ9位で5kgなのに。甘いものが苦手な人はスイス人にはなれないな(そういうことなのか?)。
私はチョコ好きだけど普段はあんまり食べない。特に大人になってからはほとんど食べなくなった。バレンタインデーにもらえないからいじけてる、というわけではない。けど、思い起こしてみると子供の頃はよく食べていた。板チョコではなく、いろんなチョコレート菓子を。
チロルチョコ、ビックリマンチョコ、不二家のペンシル、チョコレートボール、ポッキー、マーブルチョコ、アポロ、小枝、キットカット、きのこの山、たけのこの里、コアラのマーチなどなど。学校帰りに「なんでも屋」で買い食いしたのも楽しい思い出として残っている。
大人になってチョコレートと楽しくつき合っていくにはいくつかの道がある。ひとつは、高級ブランドチョコ。モロゾフ、ゴディバ、ピエールマルコリーニなどを自分で買って食べる。これはけっこう贅沢だ。もうひとつは大人買い。子供の頃は親にねだってもなかなか買ってもらえなかったチョコをコンビニで片っ端から買ってやるのだ。気持ちいいだろうな。
個人的におすすめしたいのがチョコの手作りだ。市販のチョコを買ってきて溶かすといった安易なものではなく、カカオから作ってしまって欲しい。できればカカオビーンズを現地まで穫りに行くのが望ましい。そこまでしてこそ真の手作り。ビターでスウィートな手作りチョコを待ってます、来年のバレンタインデーに。