夕方起き出し夜に美しく咲くオシロイバナは夜蛾と共に - 現身日和 【うつせみびより】

夕方起き出し夜に美しく咲くオシロイバナは夜蛾と共に

白粉花というと和風っぽいけど

Canon EOS 10D+SMC TAKUMAR 55mm(f1.8), f5.6, 1/125s(絞り優先)



 子供の頃からお馴染みのオシロイバナ。小学校の校庭に咲いていたのを覚えている。白粉花と漢字で書くと純和風だけど、見た目は日本っぽくない。いかにも南国風だ。
 原産地はメキシコまたはペルー。英名はMarvel of Peru、訳すとペルーの不思議。なるほど、それで納得した。やっぱりこれは暖かいところに咲く花だ。
 どのあたりが不思議かというと、写真のようにいくつもの色が混ざるように咲くからだ。一番多いのが濃いピンクで、ついで黄色、白花もある。
 この花は他にもいくつかの異名を持っている。面白いのがCommon Four O'clockという呼び名だ。フォー・オクロック、つまり4時。花が午後4時頃から咲いてくるところから付けられた。外国でもそれくらいの時間から咲いてくるのだろう。この写真を撮ったのがちょうど4時過ぎで、花が半分くらい咲いてきているところだ。8時半の男、宮田みたい。最近、5時から男って使わなくなったな。
 Beauty of the Nightという名もある。フランスでは午後の美人というそうだ。
 中国名は、洗澡花。風呂に入る時間といった意味らしいから、この花に関しては世界中でほぼ共通の認識が持たれているということだろう。日本でも夕化粧という別名を持っている。花の名前を付けるセンスは日本人が世界一だと思う。
 白粉花の由来については知ってる人も多いだろう。黒い種を割ると中から白い粉が出てきてそれを鼻からストローで吸うと……ってそうじゃなくて、その粉を白粉のように顔に付けて遊んだことがある人も多いと思う。そこからだ。名付け親は、江戸時代の博物学者、貝原益軒だと言われている。

 日本にやって来たのは江戸時代のはじめ頃。どういうきっかけでどういう経路から入ってきたのかは分からないけど、初めてこの花を見た江戸の庶民はどんなふうに思ったんだろう。名前の通り、ペルーの不思議を感じただろうか。江戸時代というと鎖国してたから外国のものは完全に遮断していたような印象があるけど、実際はそうじゃなかっただろう。長崎の出島なんかもあったし、私たちが考えている以上にたくさん異国のものに触れる機会があったんじゃないかと思う。人工物だけじゃなく動植物に関しても。その驚きや感動は、きっととても強烈で純粋なものだっただろう。それはある意味うらやましくもある。
 オシロイバナは現在、北海道をのぞく日本のいたるところで咲いている。元々は観賞用として育てられていたものが、半ば野生化してるものも多い。とても丈夫なので、上の部分を全部刈り取ってしまっても根っこが残っていればすぐにまたぐんぐん生えてくる。そのへんに咲いてるオシロイバナから種をいくつかもらってきて庭に放り投げておけば、忘れた頃にびっくりするくらい生えてくるだろう。スイカの種もこれくらい増えてくれると嬉しいんだけど。
 昼間のうちは派手な色で虫を誘い、夜になると香りで呼び寄せる。こういうラッパ型の花なので、口の長いやつじゃないと花粉まで届かないから、蜜を吸える虫は限られている。スズメガあたりがその代表のようだ。

 かすかな香りを放ちながら夜の中で咲き、朝の9時くらいには花を閉じるオシロイバナ。完全に夜型だ。私もそんな生活をしてたことがあったっけ。あの頃の私なら、おまえはオシロイバナか! というツッコミが入れられた。
 花期は6月の終わりから10月までとけっこう長い。ただ、この花を見るともう夏だなと思うけど、この花を見なくなるともう秋だなとは思わない。派手な割にはさほど存在感は強くない。花好き、野草好きの間でもあまり人気はないような気がする。
 オシロイバナは、B級グラビアアイドルみたいだ。出てきた当初は少し話題になるけど、いつの間にか消えてしまい、みんなに忘れられる。こんなに派手なのに。こんなにもきれいなのに。シェイプUPガールズみたい。
 夕ぐれニャンニャンは遠くなり、『夕暮れ族』の山本奈津子が好きだったのも昔の話。それにしてもオシロイバナというやつは、なんだか昔のことを思い起こさせる何かを持っているらしい。
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コメント
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鼻から吸っちゃダメよぅ^^;

オシロイバナって懐かしい花ですよね。
いい香りで。
根元についた種を少しひっぱって、パラシュートにして遊んだりもしたなあ。

2006-08-18 22:30 | from miezo | Edit

オシロイバナが懐かしい世代?

★miezoさん

 こんにちは。
 台風は大丈夫でしたか?
 雨もかなり降ってるみたいだけど。
 名古屋は最近台風の通り道から外れることが多くて、あんまり台風って来てないんですよ。

 miezoさんもやっぱりオシロイバナが懐かしかったですか。さすが同世代(笑)。
 子供の頃は、今よりもっと身近に花がありましたね。花遊びみたいなものもたくさんあって。
 いろんなものの蜜を吸ってみたり。今はあんなチャレンジャーなことはできない。(^^;
 オシロイバナのパラシュートもしましたね。

 また懐かしの花シリーズもあると思います。
 季節の花としては、そろそろ夏から秋ですね。

2006-08-19 02:54 | from オオタ | Edit

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