ハンター・アイは今年の夏もセミをおみやげに持ち帰る - 現身日和 【うつせみびより】

ハンター・アイは今年の夏もセミをおみやげに持ち帰る

アイのおみやげアブラゼミ

Canon EOS 10D+SMC TAKUMAR 55mm(f1.8), f1.8, 1/200s(絞り優先)



 この夏もうちのアイ(推定5歳メスの黒猫)はハンターだ。トカゲ、ヤモリ、スズメの子、蛾、クマゼミなどを生きたまま口にくわえて持ち帰ってくる。本能から捕らずにはいられないのか、私に見せて誉めてもらいたいのか、あるいは私を養っているつもりでいるという説もある。
 このアブラゼミは昨日の深夜におみやげとして持ってきたものだ。鳴かなかったからメスだろう。少し撮影に協力してもらって、そのあと放したら元気に飛んでいった。短い命なんだから、もうアイに捕まったりしないようにな。
 大人になってセミ捕りなんてのはまったくしなくなったけど、アイのおかげで毎年セミに触れることができる。少年時代を思い出して少し嬉しい。でもアイ、どうせならカブトムシやクワガタがいいな。もしオオクワガタなんかを捕まえてきたら、好きなだけエビとホタテを食べさせてあげるぞ。

 熱帯や亜熱帯の森林を中心に、世界には3,000種類のセミがいると言われている。小さなもので2センチくらい、大きなものは13センチもあるという。その名もテイオウゼミ。マレーシアにいる。これだけ大きいと見ても嬉しいというより怖いだろう。子供は泣き出しそう。
 日本は世界一たくさんの種類のセミがいる国だそうだ。亜種などを入れると30種類くらいいるらしい。知ってるのを挙げてみると、アブラゼミ、クマゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ、ハルゼミあたりだろうか。クサゼミ、エゾゼミ、チッチゼミなんてのもいるという。
 セミといえば夏と思うけど、ハルゼミのように春に生まれるやつや、チョウセンケナガニイニイのように秋に出現するものまでいろいろだ。西日本と東日本でも違いはあるし、低地や山地、都会と郊外でも差はあるので、地域によってセミといってもイメージするものはけっこう違いが大きいのかもしれない。たとえば、西日本は近年アブラゼミよりもクマゼミの方が多いという。関東から東の人にとってそれはちょっと信じられないんじゃないかと思う。
 時間や天候によってもセミの鳴き声は違ってくる。午前中はクマゼミがシャーシャーシャーシャーと元気よく鳴き、暑くなってくる午後はアブラゼミやツクツクボウシが取って代わる。クマゼミは暑いと鳴かない。夕方になって少し涼しくなるとヒグラシの出番だ。カナカナカナカナカナと寂しげな鳴き声が山の方から聞こえてくる。ニイニイゼミやミンミンゼミの鳴き声が今でも聞こえるところに住んでいる人は幸せだ。都会ではなかなか聞くことができなくなった。近年は夜中でも明るいので、一晩中鳴いてるセミもいる。

 アブラゼミは、誰もが知っているセミの代表と言っていいだろう。日本中どこにでもいる。しかし、沖縄にはアブラゼミはいないんだそうだ。その代わり沖縄にはリュウキュウアブラゼミというのがいる。目が緑色をしてるやつだ。
 日本では最も一般的なアブラゼミも、世界の人に見せるとなんて変わったセミなんだと驚く。世界のセミ・スタンダードは翅が透明だからだ。アブラゼミのように翅に色が付いたセミは非常に珍しい。珍しいから美しいというわけでもないだろうけど。
 アブラゼミの名前の由来は、油紙のような翅の色をしてるからという説と、ジージージージリジリジリという鳴き声が油を煮立たせるときの音に似てるから名づけられたという説がある。個人的には鳴き声からだろうと思う。セミの特徴はなんといっても鳴くということで、ミンミンゼミやツクツクボウシなどのように鳴き声を元にしたという方が自然だから。
 蝉の語源はもうひとつはっきりしないのだけど、単純に蝉の音読みが「せん」なのでそれが「せみ」に転じたということでいいのかもしれない。「三国志」の貂蝉は、そういえばちょうせんだ。
 蝉という文字は、平安の歌人「蝉丸(せみまろ)」がいるし、『源氏物語』には「空蝉」がある。日本でもずっと昔からいたのだろうと思う。
 松尾芭蕉の「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の蝉は、季節的にニイニイゼミだろうということだ。確かにアブラゼミではこの句は生まれそうにない。

 セミは地上に出てきてから一週間とか二週間とかしか生きられないからかわいそうだと言われることが多い。でも本当にそうだろうか。たとえばアブラゼミは幼虫として土の中で4年か5年生きるし、長いやつは17年も幼虫で過ごすのもいる。サナギにもならない。一生ということで考えると、セミは昆虫の中でかなりのご長寿さんなのだ。案外、幼虫時代は土の中でぬくぬくと幸せに生きてるんじゃないだろうか。生涯の最後、地上に出てくるのはおつとめを果たすためで、あの鳴きっぷり半ばやけっぱちなのかもしれない。本当のところはセミに訊いてみなければ分からないけれど。
 一時、名古屋はすごくセミが減ったことがあった。いよいよ地球も変になったかと心配したけど、ここ数年はまた勢いが戻ってきたようだ。今日も川沿いの桜並木を歩いていると、耳がおかしくなるくらいの大合唱だった。まさに蝉時雨。蝉の鳴き声がシャワーのように頭上に降りそそぐ。
 たまにはうるさく感じることもあるけど、やっぱり日本の夏にセミの鳴き声は欠かせない。お盆も過ぎて、そろそろ夏も終わりに向かい始める頃だけど、まだもうしばらくはセミの声を聞いていたい。アイもまだ捕まえ足りないと思っているだろう。でもアイ、いくら捕ってきても私はセミは食べないぞ、沖縄県民じゃないんだから。
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うちのニャンコも・・・

こんにちは☆
ご無沙汰してます。
うちのニャンコもよくいろいろくわえて帰って来ました。
一番ビックリしたのは、ノラの子猫をくわえて来たこと!
たぶん、自分と同じ境遇のチビ猫を、
同居させて欲しいという思いだったのではと推測します。

そんなニャンコも、11歳となり、
外へもあまり出さないようにしています。
(交通事故やノラ猫とのケンカが心配なので・・・)
いろいろくわえて帰って来ていた頃が懐かしいです。

2006-08-18 09:20 | from ひなこ | Edit

ハンターとしての衰え

★ひなこさん

 こんにちは。
 お元気ですか?
 毎日暑い日が続いてるけど夏バテしてませんか?

 ひなこさんちの猫は11歳ですか。じゃあもうすっかり大人ですね。
 うちのアイは5歳なんだけど、ちょっと子供っぽさがなくなってきました。良くも悪くも。(^^;
 思えばおととしが最高潮のハンターでした。毎日のように何かくわえて帰ってきて。
 それを思うと、今年はぐっと少なくなったから、だんだん衰えていくんでしょうね。ホッとするような、ちょっと寂しいような。
 しかし、子猫を持ち帰ってきたらびっくりするでしょうね。あはは。
 アイは子供が苦手だからそれはないと思うけど、もし連れ帰ってきたら驚くだろうなぁ。

 外に出てると何かと心配だけど、やっぱり外が好きみたいで、出さないと飛びかかってくるんで仕方ありません。(^^;
 運動不足だけは無縁で、元気いっぱいなのはいいことなんだけど。
 またよかったら、ひなこさんちの猫写真もブログに載せてくださいね。(^^)
 うちのアイも、忘れた頃に登場するかも。

2006-08-19 02:47 | from オオタ | Edit

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