野鳥好きと言えるようになるまでの長い道の二歩目あたり - 現身日和 【うつせみびより】

野鳥好きと言えるようになるまでの長い道の二歩目あたり

田んぼにいたけどカワラヒワ

Canon EOS 10D+Tele-TAKUMAR 200mm(f5.6), f8, 1/250s(絞り優先)



 田んぼのあぜ道で、飛んでるトンボを撮ろうと四苦八苦していると、ふいに鳥が飛んできて目の前の地面にとまった。わっ、何か知らないけど撮っておこっとそちらにカメラを向けて、マニュアルレンズをぐりぐり回してピントを合わせてまずは一枚。と、次の瞬間パッと飛び去ってしまった。うわー、待ってくれーという心の叫びが届くはずもなく、たった一枚しか撮れなかった写真がこれだ。いかん、ピントが合ってないではないか。今さらながらオートフォーカスという発明の偉大さを知る。タクマーのピントリングをぐりぐりぐりぐり回してる間にも時は流れていく。こりゃ、動いてるものは撮れないな。飛んでるトンボやツバメもかなり粘ってはみたものの、撮れっこないというという結論に達したのだった。

 初めて見るこいつはカワラヒワ。翼の後ろの黄色が目印だ。飛んでるときはこの黄色がよく目立つ。
 遠目で見るといたって地味な鳥で、普通の人はスズメと思って終わりだ。褐色というかオリーブ色というか、人間でもこの色の服を着こなすのは難しい。目立たない色すぎて逆に目立ってしまうくらいだ。どんだけ地味なんだとツッコミが入りそう。
 しかし、カワラヒワという鳥の存在を知って、そこから野鳥に興味を持ち始める人もけっこういるというから、地味も度を超すと何らかの意味を持つということかもしれない。黄色のワンポイントも効いているといえば効いている。
 日本では北海道のみ夏鳥で、あとは全国に一年中いる。とてもありふれた鳥だというけど、個人的にはそれほどとは思わない。私はまだまだ一般人寄りなので、カワラヒワってどこでもよく見かけるよね、などと話しかけられるとちょっと返答に詰まる。
 名前の通り、河原などにいることが多いけど、田んぼや里、雑木林などにもいる。街の公園などではあまりいないかもしれない。
 国外では中国、朝鮮半島にもいるようだ。

 大きさはスズメと同じ15センチくらい。肌色のクチバシは、丸っぽくてぶ厚い。たらこ唇みたい。
 足はピンク色で細くて頼りない感じ。カワラヒワのヒワというのは「ひ弱」から来てるらしいから、この細い足からそう名づけられたのかもしれない。
 漢字は河原鶸。英名はOriental Greenfinch。東洋のカワラヒワだからそのままだ。finchは円錐形のクチバシを持つ鳥の総称でもある。
 太いクチバシは、木の実を割って食べるのに適している。ヒマワリの種が好物らしく、器用に割って中身を食べるらしい。庭にヒマワリの種を置いておくと、カワラヒワがやって来て食べる様子を見られるかもしれない。または通りすがりのメジャーリーガーが盗み食いする姿を見るチャンスでもある(そんなメジャーリーガーはめったにいない)。
 アトリ科の特徴として、M字型の尾っぽというのもある。エビフライの尾っぽみたいだ。
 ヒワの仲間としては、ベニヒワやマヒワなどがいる。
 カワラヒワの亜種は3種類。普通種はかつてコカワラヒワと呼ばれていたそうだ。それは冬鳥としてオオカワラヒワというのがやって来るからだ。小笠原諸島にはオガサワラカワラヒワというのがいるらしい。
 オオカワラヒワはカワラヒワに比べて体がひとまわり大きくて、三列風切の外の白線が太いというのだけど、私にはたぶん区別がつかない。

 世の中にはスズメに似たスズメ以外の鳥がたくさんいるのだということを知ったここ1、2年。ようやく、スズメとホオジロの区別がつくようになり、今回カワラヒワのこともある程度分かった。
 バードウォッチングの楽しさは人それぞれだけど、私は魚釣りに似てるといつも思う。魚釣りは単純に釣れたら嬉しいけど、それだけじゃ物足りなくなって、いろんな道具を揃えたり、研究をして、いろいろな魚を釣ってみたくなる。あれに近い感覚がある。それくらい鳥の写真を撮るということは難しくもあり、専門的な道具も必要になり、勉強もしなくてはならないということだ。運にも大きく左右される。そのへんの偶然性の面白さもある。ただ見るだけじゃなく写真を撮ることを目的とした場合、コレクション的な楽しさも加わる。トレカのレアカード集めに通じると言っていいだろう。
 私はまだ一歩目、二歩目といったところで鳥好きと大きな声で叫べるところまではいってない(野鳥が好きだーと叫んでる人は見たことがないけど)。身近なところでも200種類以上いるという。私が撮ったのはせいぜい20種類くらいだろうか。先は長い。
 私もいつか、チャン・ドンゴンのように、あなたがしゅきでーす! と大きな声で言えるほどの野鳥好きになりたい。
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