ひばりくんはいつまでも空高くさえずっていてください - 現身日和 【うつせみびより】

ひばりくんはいつまでも空高くさえずっていてください

ひばりくんかな

Canon EOS 10D+EF75-300mm USM(f4-5.6), f8.0, 1/100s(絞り優先)



 河原でちょっと見慣れない鳥が盛んにさえずっていた。スズメかと思ったけど違うし、ツグミは季節はずれだ。街中の川だからそんなに珍しい鳥がいるとも思えない。もしかして、これがヒバリだろうか。だとしたら、これが初対面だ。はじめまして、ひばりくん。もしかして、ビンズイとかじゃないですよね? セッカとかヨシキリとか、まだまだ区別がつかないものが多い(もしヒバリじゃないときは指摘してもらえると助かります)。
 今日のところは、ヒバリということで話を進めたいと思う。

 ヒバリは、馴染みがあるようで意外と見たことがない人が多いと思う。茶褐色の地味な姿をしてるから、一年中首から双眼鏡をさげている人以外はヒバリを目にしてもスズメかなんかだと思ってそのまま通り過ぎてしまいがちだろう。このときの私も、なんか鳴いてたからとりあえず撮っておいただけだった。スズメかなにかだろうと思いつつ。ヒバリなんてすごくメジャーな鳥じゃんと思う鳥の人と一般人の間には深い溝がある。ひとつの双眼鏡がその架け橋になるというわけでもない。
 彼らは、東アジアからヨーロッパにかけて、ユーラシア大陸の広い場所に留鳥として分布している。日本では、沖縄以外の全国にいて、北海道や寒いところでは夏鳥扱いになっているようだ。
 寒いときはどこかにすっこんでいて、春になると、河原や畑、草むらなんかに出てきてさえずり始める。鳥の人は、この声を聞くと、ああ、もう春なんだなぁと思うのだろう。イギリスなどでは朝を告げる鳥として親しまれているそうだ。
 大きさは、スズメより少し大きめの17センチ。オスメス同色で、頭にトサカ(冠羽)を持っていて、立てたりしまったり自由にできる。立ってるときはすぐにヒバリだと分かるから、こちらの希望としてはなるべく立てておいて欲しい。オスの方が冠羽を立てていることが多いようだ。
 色合いは基本的に黄褐色というのだけど、地域によって黒っぽかったり赤っぽかったりもするらしい。環境に合わせているのだろうか。ただ、ヒバリというのは珍しく広い範囲で同一の種類が分布している鳥で、日本のヒバリもイギリスのヒバリも同じなんだそうだ。ピーチクパーチクという鳴き声まで同じというから面白い。意外にもヒバリはワールドワイドな野鳥だったのだ。

 日本では昔から親しまれていたようで、万葉集にも三つヒバリが詠まれているとか。小林一茶にもヒバリの句があったはずだ。
 漢字で書くと雲雀。雲のスズメとなっているけど、本来は晴れた日にさえずることから日晴という字が使われていたらしい。鳴き声がヒバリ、ピバリ、ピパピパと聞こえたからそこから日晴と名づけたという説もある。いつから雲雀になってしまったんだろう。
 英名はSkylark。larkは浮かれ騒ぐというような意味だから、空で浮かれている鳥という意味だ。西洋でもヒバリに対するイメージは東洋と似たようなものらしい。そういえば、すかいらーくは近所にはまったくなくなってしまったけど、全国的にはまだたくさんあるんだろうか。
 普通の鳥は木の上や地面でさえずることがほとんどだけど、ヒバリは空を飛びながらさえずるという特徴がある。これは珍しい。人間にたとえると、全力疾走しながら歌を歌ってる人のようなものだ。そんな人なかなか見たことがない。

 ヒバリが高く飛んでさえずっていると晴れるという天気予想がある。こういう昔からの生活の知恵はなかなかに侮れない。石原ヨシズミの天気予報よりも漁師さんに天気を訊いた方が絶対に正しいように。
 ヒバリの場合は、空気が乾いてると高いところまで飛べて、鳴き声もよく伝わるから次の日晴れるというのは確かにその通りに違いない。だいたい地上100メートルくらいまで舞い上がれるらしいのだけど、天気が悪くて空気が湿っていると高くまで飛べないから明日は天気が悪いということになる。風が強いと飛べないから暴風の前兆なんてことも言われるようだ。
 晴れた日の河原で仰向けに寝ころんで、高く舞うヒバリの鳴き声を聞くなんて素敵だ。相当暇だな、コイツ、と思われようが幸せは幸せだ。いつかやってみたいと思う。
 ひばりくん、このままずっとストップせずにいつまでも空でさえずっていてくださいね。私はたとえ白いワニが見えてもこの断想日記プラスワンを書き続けますから。
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