いつか、会いにゆきます、あなたが待つ向日葵畑に - 現身日和 【うつせみびより】

いつか、会いにゆきます、あなたが待つ向日葵畑に

愛知牧場のヒマワリ畑

Canon EOS 10D+EF75-300mm USM(f4-5.6), f11, 1/160s(絞り優先)



 目を閉じるとヒマワリ畑がある。青空を背景に、ヒマワリがみんなこちらを向いて、どこまでもどこまでも広がっている。それがどこなのかは分からない。まだ見ぬ光景なのか、いつかどこかで見た風景なのか。あるいは、映画や写真で見たものを拡大しただけなのかもしれない。でも、それは確かにある、心の中に。そして、きっとこの世界のどこかに。

 8月になって、ヒマワリを見たくなった。名古屋市内にヒマワリ畑はないので、隣の日進市の愛知牧場へ行ってきた。
 通称アイボク。1960年代に出来た名古屋近郊では珍しい観光牧場で、このあたりではちょっと知られた存在の場所だ。一般にも開放していて、17ヘクタールの敷地に、乗馬コース、触れ合いミニ動物園、パターゴルフ場、牧草地、季節の花畑などが広がっている。
 動物は、馬、牛、ヤギ、ロバ、羊、ウサギ、孔雀、ミニ豚などがいて、たっぷりと牧場の香りを味わうことが出来る。動物たちに触れたり、エサをあげたりなんてこともできて、子供は大喜び。エサ代がかかって大人はちょっとしょんぼり。基本的に入るのも駐車場も無料なのだけど、エサを買ったり馬に乗ったりするといちいちお金がかかる。私のように入って写真を撮るだけならタダなんだけど。
 ここの名物はなんといってもソフトクリーム。乳製品が苦手な人は、食べたとたんにおなかがゴロゴロいってきそうなほど濃厚なソフトが評判だ。かなり美味しいらしいのだけど、私は食べたことがないので味についてはコメントができない。ソフトクリームと写真撮影は相性が悪いのだ。左手にソフト、右手に一眼というスタイルは無理がある。ソフトクリームを口元に運んでくれる助手が欲しいぞ。

 私の目的はヒマワリ畑なので、動物との交流は後回しにして、まずは一番奥の丘に登る。そして広がるこの光景。ものすごいというほどの本数ではないけど、これくらい咲いてるとおおっ、いいなと思う。時期的にはちょうどよかった。珍しく花とタイミングが合って喜ぶ私であった。
 このヒマワリ畑、実は立体迷路になっている。ただし、有料。なんだか旅館のテレビみたいな牧場だなと思う。妙に100円玉が必要だ。

ヒマワリ畑近景

 次は近づいて撮影。もちろん、迷路の外からだ。夕方はまともに逆光になってしまうので、空が白く飛んでしまうのが残念だ。愛知牧場のヒマワリ畑を青空バックに写したければ午前中に訪れなくてはいけない。
 ところで、ヒマワリはみんな東を向いてるということを知ってるだろうか。太陽の方を向くというのはウソだ。いや、中にはそんなやつもいるだろうけど、基本的に花が咲いているヒマワリはみんな東を向いたまま動かない。花が咲く前の若い時期だけ太陽の方を向いて回る。そして、種がいっぱいになってくると今度はうつむいてしまう。ということは、ヒマワリみたいな人だねといえばそれは、いつも東の方を向いていて賢くなるとうつむいてしまう人のことを指す。そんなはやつおらん。というか、そんな小賢しくて夢のない雑学はいらんっ。
 ヒマワリが北アメリカ原産だということを今日初めて知った。そうだったんだ。今まで考えたこともなかったし、なんとなく日本原産とさえ思っていた。なんでも、紀元前からすでに北アメリカ大陸に咲いていて、インディアンはヒマワリの種を食っていたらしい。メジャーリーガーみたい。
 世界に広まったのはそれからずっと後、コロンブスがアメリカ大陸に到着してから少し後の1510年に、スペイン人がヒマワリの種を本国に持ち帰ったことがきっかけで広く知られるようになった。ただ、スペインに100年ほどとどまり、フランス、ロシアなどを経て日本にやって来たのは1666年になってからだ。
 当初は観賞よりも種から油をとることが主目的だったようだ。あるいは、コーヒーの代用としても使われていたという。
 今でもアルゼンチン、ロシア、ウクライナなどでは、ヒマワリの種から年間300万トン以上の油を抽出してるんだそうだ。ヒマワリの種なんてハムスターにあげるくらいしか役に立たないと思っていたら大間違いだった。

 キク科の一年草というのも知らなかった。だから、毎年ヒマワリ畑が作られる場所が違うのか。一年草ということでなるほど納得した。
 キク科と言われればそうだ。姿は菊っぽい。一個の大きな花ではなく、数十、数百の花が集まってひとつになっているのもキク科の特徴だ。外側の花びらみたいなのは舌状花(ぜつじょうか)で,中心の部分を筒状花(つつじょうか)と呼ぶそうだ。
 高さが2メートルから3メートルになるお馴染みの大きなやつをロシアヒマワリと呼んでいる。といってもロシア産というわけではなく、ロシアでこれから油をとっているからという理由で。
 八重咲きのものや、花が赤いものなど、世界では100種類くらいのヒマワリがあるそうだ。
 漢字で書くと向日葵。別名は、日輪草(ニチリンソウ)や日車(ヒグルマ)。
 学名のHelianthusは、ギリシャ語の太陽(helios)と花(anthos)とを組み合わせた言葉だし、英名のCommon sunflowerも、そのまま太陽の花となっている。やはりこの花を見れば誰でも太陽を思い浮かべるのだろう。

 ヒマワリは、ゲーム「ぼくのなつやすみ」を思い出させる。あれはいいゲームだった。夏になるともう一度やりたくなる。
 映画『いま、会いにゆきます』のヒマワリ畑のシーンも印象的だった。いなくなったはずの竹内結子がいて、そこにほろ酔い気分の中村獅童が助手席に岡本綾を乗せて会いにゆく、ってそうじゃなく、映画のあの場面は感動的だった。ロケ地は、山梨県の明野町という全国的にも有名なヒマワリスポットだそうだ。
 花言葉はいろいろある中で、「私の目はあなただけを見つめる」を選びたい。
 いっぱいのヒマワリに囲まれながらふたりは見つめ合い、あなたがぼくの太陽となってくれるのなら、僕はヒマワリとなっていつもあなたの方を向いていよう、そんな告白をするのだ。心のヒマワリ畑を見つけて、今すぐは会いにゆけないけど、いつか会いにゆきます。有料のヒマワリ迷路でもいいように、ポケットに100円玉を入れていくことを忘れないように。
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コメント
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ひまわりが一斉にこちらを見てる。
「うぉ~すごいー」→「めだまおやじにみえてきた」→「そんなに見ないでくれー」というふうに見てるうちに変化するのは私だけでしょうか?(笑)
こんなたくさんのひまわりに「私の目はあなただけを見つめる」と言われたら困っちゃいますね(爆)

2006-08-06 13:52 | from spiny

壇上風景に似てる

★spinyさん

 こんにちは。
 そういえばヒマワリ、みんなこっち向いてますね。
 というのは、写真を撮ることばかり考えていると、こっちが見てる意識が強くて見られているという意識が飛びがちなんですよー。だから、写真を撮ってるときの自分は、相当無防備だと思う。(^^;

 ヒマワリが目玉オヤジに見える人は、全国を探せば5人くらいはいるでしょう(笑)。
 みんなこっちを見てるっていうことでいうと、壇上に上がって講演とかするとこんな感じなのかもしれませんね。そんな機会はないと思うけど、もしあったら、ヒマワリ畑だと思えば緊張せずに済むかも?
 それこそ、みんな太陽に向かうヒマワリみたいでしょうね(笑)。

2006-08-07 03:31 | from オオタ | Edit

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