
愛知県稲沢市にある国府宮神社のはだか祭を撮りにいってきた。
去年に続いて二度目になる。
正式名の尾張大國霊神社(おわりおおくにたまじんじゃ)よりも一般的に国府宮神社(こうのみやじんじゃ)として知られている神社の神事で、奈良時代後期の767年から現在に至るまで、旧暦の正月13日に毎年行われている。今年は2月22日、金曜日だった。この日は稲沢市内の小中学校も休みとなり、参加者だけでも1万人近い人間が集まってくる。
はだか祭というのは通称で、正式には儺追神事(なおいしんじ)という。
神男(しんおとこ)に選ばれた一人が、すべての災厄を背負ってはだか男たちの群れに飛び込んでいくところで祭りのクライマックスを迎える。
去年は初めてだったので様子が分からず戸惑いもあったのだけど、今年は全体の流れも把握していたので、撮りどころのポイントもイメージできていた。
ただ、やっぱり神男は撮るどころか見ることさえできず、参道脇から撮ることの限界を感じた。もっと撮るには、桟敷席に上がるか、思い切って自らカメラを手にしたはだか男になるしかないだろう。

儺追布(なおいぎれ)を結んだ儺追笹(なおいざさ)を、各地区に分かれた面々が参道を通って神社に奉納する。
途中で儺追笹を立ててよじ登ったりもする。
まさか、このあとこちらに倒れてきて私の頭に直撃するとは思いもよらない。
水が浴びせられたり、靴を踏まれたりと、撮るだけでもなかなかにハードな祭りなのだ。

はだか男たちは街中にもかかわらずみんなふんどし一丁で尻を出しているのだけど、見慣れると全然不自然じゃないから不思議だ。
外国人の見物客にとってはけっこうなカルチャーショックなのではないだろうか。

はだか男は、小さな子供からお年寄りまで年齢層が幅広い。
国府宮では父から息子へ代々受け継がれていくものなのだろう。

冷たい風が吹いて寒い日だった。子供たちも寒そうにしていた。
大人たちの大半は酒を飲んで体を温めている。

酔っ払いの集団といえなくもないので、多少恐怖を感じたりもする。


暗くなってきてからがこの祭りの見所だ。
それにしても、神男はどこから登場するのだろう。

神男が儺追殿へ向かった模様。
神男に触ると厄除けになるということで、はだか男たちは神男に向かって突撃していく。
このもみ合いが1時間ほど続く。

もみ合いの中に水が浴びせられ、蒸気が立つ。


大きな事故もなく、無事に終わったようだった。
上空には何台もの中継ヘリがバタバタ音を立てて飛び回っている。

現地に着いてから終わるまで3時間ちょっと。去年よりは撮れたけど、もっと撮れたような気もした。
チャンスがあれば、また撮りにいきたい。
【アクセス】
・名鉄名古屋本線「国府宮駅」から徒歩約3分。
・JR東海道本線「稲沢駅」から徒歩約25分。
・駐車場 神社の無料駐車場が使えないので近くのコインパーキングに
国府宮神社webサイト
はだか祭のページ