
前から一度撮ってみたいと思っていた、おわら風の盆が名古屋にやってくるという。
それを知ったのは、どまつりの会場で何気なく受け取ったチラシによってだった。
越中八尾のおわら風の盆は、富山県八尾町で毎年9月に行われているもので、高橋治の小説や石川さゆりの歌がきっかけで全国に知られるようになったといわれている。小さな町に全国から30万人近い人たちが押し寄せるそうだ。
私が撮りたいと思ったのは、「写真家たちの日本紀行」絡みで、十文字美信が撮ったムービーを見たからだった。他の写真家たちも風の盆を撮っている。榎並悦子も番組の中で撮っていた。
富山は遠いし、宿も一年前から予約しないと取れないくらいというので、そう簡単に撮る機会は訪れないだろうと思っていたところに、思いがけず近場に出張してくるというのを知って喜んだ。名古屋東別院では今年で7回目になるそうだ。ランの館などでもやっていたようだ。
今年は20日の土曜日に行われて、それを撮りにいってきた。












午後5時半。山門から本堂前の舞台までの流し踊りに始まり、舞台踊り、輪踊り、再び舞台踊りというメニューで2時間半。
最初はどう撮っていいか分からず戸惑うも、少しずつ掴めてきて、楽しくなっていった。
もちろん、本場の雰囲気の中で撮ってこそというのはあるのだけど、踊り手さんは富山から呼んだ人たちが中心で、歌も演奏も本場のものだった。ゆっくり見て撮るということでいえば、ここの方が現地よりも恵まれているといえるかもしれない。
観客は千人ほどだったようで、まだ知れ渡っていない。なんでも来年からは助成金がカットになって、名古屋での開催があやぶまれているのだとか。こんなところにも事業仕分けのあおりを食うことになるとは。
運営協力費として実質的な入場料は500円。これが来年1,000円になったらどうするだろう。また撮りたいけど1,000円だとちょっと考えてしまう。もっと宣伝して観客を増やしてもらうとして、700円くらいなら行きたい。
なにはともあれ、とてもよいものを見せてもらった。次に撮る機会があれば、もう少し撮れる気がしている。