
SONY α55 + SONY 35mm f1.8 / TAMRON 180mm f3.5
夏休みと紅葉の間のこの時期、岩屋堂はひっそりと静まりかえる。人影もまばらで、早くも晩秋のような冷たい風が吹く。
閉園されたプールにまだ水は張られたままだ。取り壊すお金ももったいないから、しばらくはこのまま放置されるのかもしれない。
こんな時期の岩屋堂を訪れるのは、鳥屋さんか、野草好きくらいだろうか。なんとなく来てしまったカップルなどもいるだろうけど。
私はといえば、前回訪れたのが6月だったから、夏の間はすっぽり抜けている。今となっては一度くらい8月に訪れておけばよかったと悔やんだ。距離の遠さと坂道の厳しさが、なかなか岩屋堂に気持ちを向けさせない。一度行くと、2、3ヶ月は行きたくないと思ってしまう。
今回は一つ、確かな目的があった。それはのちほど登場する。

いつものように、いつものコースを歩く。
この日は日差しが弱く、印象的な光がなかったこともあって、フラッシュを多用して、いろいろ実験的に撮った。

ときどき思い出したように日差しが戻ったものの、またすぐに太陽は隠れてしまった。





この日のお目当てはこれ、ダイモンジソウだった。
前に一度、遠くから撮ったことがあるだけで、じっくり撮るのは今回が初めてだった。
ただ、岩場にへばりつくように咲いていて、思うように近づけない。長靴持参で行ったものの、深くて速い流れの川は、ずぼずぼ入っていけるようなものではなかった。暗いので手持ちは厳しく、三脚を立てるとますます自由度が低くなり、なかなか撮りきれなかった。
まだやっと咲き始めたところで、時期的にも早かった。今年はダイモンジソウも遅れ気味で、見頃は1週間か10日くらい先じゃないかと思う。

今月中にもう一度撮りにいこうとは思えない。他に咲いているところを知らない。
それでも、一応撮れたことで、今回は満足しておくことにした。


次に岩屋堂を訪れるのは、紅葉の11月後半だ。もうしばらく、岩屋堂の静けさは続く。