SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.4 / TAMRON 10-24mm f3.5-4.5
三岐線から北勢線へ向かって歩いている途中。員弁川に架かる北勢大橋の手前から、太平洋セメントを見る。夜はどんな光景なんだろう。
ここまで来れば、北勢線はすぐそこだ。
雲が多い一日で、夕焼けまでに晴れることを願ったものの、最後まで晴れ間が広がることはなかった。
北勢線の北の終点、阿下喜駅(あげきえき)。
妙にこぎれいでこざっぱりした駅で、ローカル線としての風情には乏しい。
もともとは近鉄の路線だったものが、赤字続きで近鉄が投げ出し、廃線になるところを紆余曲折を経て、三岐鉄道が引き継いだ。第三セクターでの出直しは叶わず、地元の支援を得て10年間受け持つ約束をして再出発したのが2003年のことだ。来年あたり、北勢線はどうなってしまうのだろう。
かわいい黄色の列車がやってきた。
JRの通常の線路幅が1067ミリに対して、北勢線の線路は762ミリ。約30センチ狭い。
軽便鉄道という扱いで、昔は全国に300路線近くあったそうだけど、現在では北勢線と近鉄の内部線・八王子線を残すのみとなった。そういう意味でも北勢線は貴重な存在となっている。
それなりに乗客はいた。なくなってしまうと困るだろう。バスが必ずしも代わりになるわけではない。
このとき乗った車両が特別古かったようで、天井では扇風機が回り、窓が手動で開いた。今時、窓が下から全開する車両はめったにない。走る列車の窓から顔を出して乗るなんてことは、もうできないものと思っていた。北勢線なら今でもそれができる。
北勢線の上の方は、駅間がかなり長い。阿下喜から麻生田までは2.3キロ、麻生田から楚原までは3.6キロもある。
楚原ー麻生田間の定番ポイントは、楚原駅を降りて、麻生田方面に1.3キロほど歩いたところにある。20分ちょっとだ。
有名な三連のコンクリート製アーチの場所。
八幡神社の鳥居と絡めて撮るのもこの場所だ。
最終回につづく。