
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.4
名古屋港の手前に築地口というところがある。
名古屋港が開港したのは、明治の後半、明治40年(1907年)のことだ。意外と歴史は浅い。にもかかわらず、短い期間に貨物の取扱量日本最大の港に成長した。日本全体の貿易黒字の6割を名古屋港が稼いでいる。それだけトヨタの力が大きいとも言える。
名古屋港の築地口と聞いてどういうところか知っている名古屋人はあまり多くないのではないか。名古屋港へ遊びに行くときも、築地口は通過するだけで、用事もなしに築地口を歩くなんて人はめったにいないと思われる。
以前、名古屋港に日本丸を見にいったとき、自転車で通過しながら、ちょっといい感じの通りがあったのを思い出した。機会があったら一度歩いてみようと思っていて、今回それが実現したのだった。
明治の終わりに名古屋港が開かれるまでのこのあたりはどんなところだったのか、想像がつかない。名古屋港もかなり埋め立てられているから、このあたりは海辺の寒村といった感じだったのだろうか。
一部古い家並みは残っているものの、歴史的建造物といったようなものはなく、古くてもせいぜい戦後すぐといったところだろうか。思っていた以上に住宅地として発展していて、マンションなどもたくさん建っている。地下鉄が通って環状線になったから、名古屋駅方面に出るには便利だ。
港近くということで、海関係の工場なども多く、昼食に利用するような食べ物屋が充実している。商店はややひなびているとはいえ、シャッター通りというわけでもなく、町全体にそれなりの活気はある。
名古屋港自体がどん詰まりの行き止まりなので、これでもし横の流れがよければ、町はもっと賑わいを見せただろうけど、今後もそれは期待できそうにない。








つづく。