
PENTAX K10D + TAMRON 28-75mm f2.8 他
一昨年、去年と、続けて親戚の結婚式を撮る機会があった。
本格的に写真を始めて7年間、いろいろなところへ出かけ、様々な被写体を撮ってきた中で、最終的には人を撮れなければ何も撮れないのと同じという思いが、心の内にずっとあった。
けれどそれは、道行く他人に声をかけて撮らせてもらうとか、家族の記念写真を撮るとか、そういうことではない。私が撮りたいと思っているのは、人が演じているシーンだ。
舞台が整い、しかるべき光が当たり、登場人物がいて、何らかの行為をしている。シーンとはそういうことだ。
最初の結婚式撮影から2年以上が過ぎる中、自分が本当に撮りたいのは、ああいうことではないのかという思いが強くなっていった。結婚式はシーンの連続だ。いくらかは演出的な要素はあるものの、紛れもなく人が演じるリアルだ。笑顔があり、涙があり、ハプニングがある。そこには確かに人生の一部が存在している。日常ではないハレの舞台。
撮り手の思い入れなどどうでもよくて、こちらは何もしなくても被写体が語ってくれる。撮り手はただ反応すればいいだけだ。表情の変化や、感情の起伏といったものに対して。
撮った写真をあらためて見返してみて、あのときいいと思ったものは、今になっても変わらずいいと思える。今ならもっと上手く撮れるはずだけど、上手く撮ろうなどと考えると、かえって結婚式写真の本質を外してしまいそうだ。
少し時間も経って、今ならこれらの写真も出していいだろうと判断して、モノクロで現像し直してみた。当時はカラー版でマイブック写真集にしてプレゼントした。
前後編の2回に分けて、二組の結婚式で撮った写真を紹介することにしたい。














後編につづく。