亜麻色じゃないけどアマサギはやっぱり亜麻鷺がいい

野鳥(Wild bird)
やっぱり田んぼにいたアマサギ

Canon EOS 10D+EF75-300mm USM(f4-5.6), f6.3, 1/400s(絞り優先)



 去年からずっと見たいと思っていたアマサギ。そんなに珍しい鳥じゃないけど、うちの近所の川や池ではまったく見かけない。ネットの写真を見ると、田んぼで写されていることが多いようだ。ということで、田んぼを求めてまずは尾張旭市へ行ってみた。しかし、ここでもアマサギは見つからず。場所を変えて今度は長久手へ。愛・地球博会場の近くに田んぼが広がっていることを思い出した。
 そして、ついに発見、ご対面。おおー、きみがアマサギさんですか。はじめまして。そうそう、これこれ、これこそアマサギだ。コサギやダイサギ、アオサギは見飽きるほど見てるけど、アマサギは見ることがなかった。やはり夏に渡ってくる夏鳥だということもあるだろう。
 一緒にいたコサギよりも警戒心が強いようで、車から降りたとたんに飛んで逃げて行ってしまった。作戦変更。焦る気持ちを抑えつつ、車をゆっくり走らせて、車内から狙うことにする。なんだか写真週刊誌のカメラマンみたい。とまっている車はあまり怖がらないらしい。今度はちゃんと撮ることができた。亜麻色のアマサギには、緑色の田んぼと夕暮れの柔らかい光がよく似合う。

 亜麻色をしてるからアマサギだろうと単純に考えていたら、どうも違うらしい。飴色をしてるからアマサギになったという説の方が有力のようだ。言われてみれば、昔の日本で亜麻色なんて言葉は使われてなかったはずだ。すでに鎌倉時代からアマサギと呼ばれていたという話もあるし、そもそも亜麻色というのはもっと黄色っぽい色で、アマサギのオレンジがかった色とは似ていない。
 尼鷺や甘鷺なんて字が当てられることもあるようだ。もともとは黄毛鷺とも呼ばれていた。
 原産は意外なことにアフリカだ。コサギに色がついただけのように見えるアマサギだけど、生まれからしてかなり違う。もともとは熱帯にすんでいたものが、だんだん温帯まで広がるようになり、近年では北海道あたりでも見かけるようになったらしい。
 日本には5月くらいにやって来て、子供を産み育てて、秋風が吹き始める9月の半ばくらいになると東南アジアへ帰っていく。沖縄などの暖かい地方では越冬するものもいるようだ。

 大きさは45~55センチくらいと、コサギよりもやや小さめ。足もクチバシもコサギに比べて短い。
 夏羽は写真のようにオレンジがかった色になり、秋になると生えかわって真っ白になってしまう。ただし、頭にだけがわずかに色が残る。
 婚姻色になると羽のオレンジが鮮やかさを増し、足やクチバシはピンクになり、目の周りは赤くなる。一目で色気づいていることが分かってしまう。
 他のサギたちに混ぜてもらって、サギのコロニーで子育てをする。基本的に一夫一婦で、産卵は年に一度、卵は5個前後くらい。
 他のサギとのもうひとつの大きな違いは、水辺だけでなく乾いたところでも生活してるということだ。それは、コサギやダイサギなどが魚中心の食事なのに対して、アマサギはカエルやトカゲ、昆虫などを好んで食べるという食生活に関係がある。魚はあまり食べない。このへんにアフリカ原産というのが表れている。
 アフリカなどでは、ゾウやウシのあとをみんなでつけ回す様子がよく見られるそうだ。大きい動物が歩くと草むらからいろんな虫が驚いて飛び出してくるから、そこをすかさず狙っていただくというわけだ。
 日本ではトラクターがウシやゾウの代わりとなる。田んぼや畑をたがやすトラクターのあとをアマサギが嬉しそうについて歩いている姿がよく見られるという。ここから、アマサギを見たければ動いてるトラクターを探せ、という格言(?)が生まれた。
 英名のCattle Egretはここから来ている。キャトルは畜牛、イグレットはシラサギだ。

 アマサギがどれくらい日本にやって来ているのかは知らない。いるところにはたくさんいるらしいけど、あまり多くないような気もする。少なくとも、街を車で走っていて見かけることはない。日本での分布とか、郊外と街中の割合とか、そのあたりはどうなってるんだろう。
 なにはともあれ、長久手のこの場所にはたくさんいた。私が短時間に見ただけでも7、8羽はいただろうか。もっとかもしれない。今の時期なら、たぶんいつ行っても見られるだろう。愛・地球博会場の北、215号線を東側に入ったあたりだ。
 そのあたりで車を止めて、「亜麻色の乙女」のビレッジシンガーズ版を口ずさみながらアマサギ写真を撮ってる男がいたら、それはきっと私です。声をかけるときは、島谷ひとみバージョンを歌いながら近づいてきてください。
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