
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.4
少し前、橦木館(しゅもくかん)に行ってきた。
二葉館などとともに名古屋市東区の文化のみちと名付けられたエリアにある建物の一つだ。
何度も近くまで行きながら、なんとなく入れずにいた。
昭和初期に、陶磁器の加工問屋だった井元為三郎が建てた屋敷で、2階建ての洋館と平屋の和館をつなぐという、この時代によくある様式の邸宅になっている。
1996年に市民グループが借り受けて使っていたものを、2004年から暫定的に公開をするようになった。2006年には名古屋市が買い取って、翌年から本格的な一般公開が始まった。
二葉館からもごく近いところにあり、旧豊田佐助邸や春田鉄次郎邸とあわせて巡るにも都合がいい。
入場は200円で、月曜定休となっている。

思っていた以上に被写体として魅力的で、たくさん写真を撮った。明治村でもひとつの建物でこんなに撮るところはない。
一般に公開している他、現在も頻繁に市民グループなどがイベントで利用しているため、部屋が冷えていないというか、体温がある。今も使われていることで建物自体が息をしている。そこが明治村などの保存展示施設との大きな違いだ。

ある種の日常感がある。




暮らしの痕跡があちこちに残る。

刻まれた記憶の残響が聞こえるようだ。


便所の鍵。



つづく。