
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.4
以前、勝川駅から枇杷島駅まで、城北線沿いを自転車で行ったことがあって、ブログでそのときのことを紹介した。
一度は乗ってみないといけないと思っていたら、意外と早くその機会は訪れた。清洲城のときにちらっと書いたように、清洲から尾張星の宮駅まで歩いて、そこから終点の勝川駅まで乗ることにしたのだった。
城北線は元々、JR中央本線とJR東海道本線を結ぶために計画された路線で、計画自体はかなり古くからあったものの、いろいろ込み入った事情があって、なかなか実現しなかった。本来は貨物線として瀬戸から枇杷島を通って稲沢まで結ぶつもりだったようだ。
城北線の開業は1991年(平成3年)のことだ。
名古屋市内を走る鉄道なのに全線非電化の一両編成で、昼間は1時間に1本、折り返し運転をするという、いたってのんびりした路線だ。全線高架なので、その存在感は薄い。名古屋市民でも、城北線のことを意識している人は少ないかもしれない。私もつい2、3年前に初めてその存在を知ったくらいだ。
わずか11キロで駅は6つ。中央本線の勝川駅と東海道本線の枇杷島駅を結んでいる。
たった16分の距離なのに430円と、地方ローカルバス並みの運賃となっている。これではなかなか利用者も増えないと思われる。
遠回りだけど、JRで勝川から名古屋乗り換えで枇杷島まで行けば320円で済む。
名古屋北部の沿線の人たちにとっては貴重な交通手段には違いないけれど。
そんなローカル色の強い城北線ながら、高架で新しいということもあって、味わいといったものはあまりない。自転車で行ったときも、ほとんど撮りどころはなかった。
ただ、車窓からの眺めに少し期待するところはあった。

高架で非電化だから、空はきれいに抜けている。

車窓からの眺めは気持ちよかった。いつもは下から見る景色を上から見るのは新鮮だった。

左の座席に座って北側を眺めながら行くのは、前半はよかったものの、途中から高速道路と併走するため、高速道路の側面しか見えなくなる。座る側を間違えた。この方面なら右側に座らないといけなかった。
ワンマン運転で、整理券を取って降りるとき運賃箱に現金で支払うというシステムは、バスと同じだ。
一日乗車券は、土日のみ使えるもので700円と、これまた高い。全6駅で降りて、2往復しても元が取れた気がしない。都電なんて400円だし、盛りだくさんの江ノ電でも580円でたっぷり楽しめる。名古屋の地下鉄と市バス乗り放題のドニチエコきっぷでも600円だ。城北線のことをもっと知ってもらうために、500円くらいでいいんじゃないか。

15分足らずであっけなく到着してしまった。このアトラクションで430円は割高だ。一回目だから、それなりに楽しめたとはいえ。

南側の風景がどんなふうなのか気になるところではあるけれど、もう一度乗る機会があるかどうか。
そもそも、勝川と枇杷島って、結ぶ駅が渋すぎ。なんでこことここを結んじゃったかなぁという選択だ。枇杷島はしょうがないとしても、せめて春日井につないでいたら、もう少し利便性がよかっただろうに。その前に、城北線の勝川駅とJRの勝川駅が離れていて、微妙に遠いのも問題だ。

運転士さんの交代。

夕日を映す。

去りゆく車両。
まあ、話のタネとしては面白かった。