
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.4
なんでもない町に、なんでもない日に、なんでもない理由で、ぶらりと訪ねていく。
そこで撮った写真がなんでもないかというと、そうでもない。なんでもない町なんてものはなく、行ってみれば何かがある。ただの風景というだけではない。偶然の出会いのようなものもまた、行ってみなければ決して得られないものだ。
山内一豊を生んだ木曽川町をなんでもない町というのは失礼かもしれない。ただ、木曽川町と聞いて具体的に何かをイメージできるかといえば、これといったものが思い浮かばない。有名な観光地があるわけでもなく、よく知られた祭りが行われるという話も聞かない。場所さえも行ってみるまでは曖昧だった。
名古屋から見ると、一宮駅の向こう、木曽川を越えれば岐阜県笠松町という愛知の北西端に木曽川町はある。
現在は一宮市に編入されてしまっているが、以前は葉栗郡だった。
この町を訪ねてみようと思いついたのは、特に明確な理由があったわけではない。以前に一宮市へ行くことになったとき、少し足を伸ばして木曽川駅で降りてみようかと考えたことがあって、そのときは実現しなかったので、いつか機会があれば行ってみようと思っていた。
行くと決めたときも、これといった目的地があったわけではない。漠然と駅から西へ向かって歩いてみようと考えていた。
JRと名鉄が平行して縦に走っているから、行くには便利なところだ。この日はJRの木曽川駅で降りたけど、名鉄なら新木曽川でも黒田でもいいし、北の木曽川堤や、西の玉ノ井で降りるという手もある。
着いたときはすでに午後3時くらいで、それほど時間に余裕があったわけではない。日没の6時すぎまで3時間くらい散策しようというのが大まかな予定だった。











これらの写真は、この町に暮らす人には撮れない、もしくは撮らないたぐいのものではないかと思う。よそ者にしか見えない光景があり、そこにわずかながらでも意味を見いだす。
初めての町は、どこも新鮮だ。ありふれた表情の郊外の町にも、魅力が点在している。小さな旅の喜びがある。
観光地だけが旅の目的地ではない。
愛知県内にも、まだまだ降りたことがない駅がたくさんあり、まだ見ぬ町があちらこちにある。機会を見つけて、そういう駅や町をこれからも訪ねていくことにしよう。
木曽川町シリーズは、しばらく続きます。