
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.4
飯田線の旅に出てきた。目当ては石雲寺のセツブンソウを撮ることだったのだけど、それだけではもったいない。もう少し足を伸ばしつつ、飯田線も撮ろうというのが今回の目的だった。
しかし、何しろ飯田線は本数が少ない。基本1時間に1本で、途中2時間くらい空白の時間もある。おかげで旅の計画を立てるのがとても難しく、飯田線に乗りながら飯田線を撮るのは更に困難になる。今回のように他の目的があればなおさらのこと。結局、飯田線の車両が走っているところを風景として撮ることはできなかった。それはまた次回として、駅周辺の風景を少しだけ撮った。
飯田線はこれまで二度乗ったことがある。一度は豊川あたりまでで、もう一回は愛知県民の森へ行くとき三河槙原まで乗った。今回は更に先、中部天竜まで行くことにした。中部天竜に特別な目的があったわけではなく、時間とダイヤの関係でここまでとしたのだった。
飯田線は非常に長い路線で、愛知県の豊橋駅から長野県の辰野駅まで、全長195.7キロ、途中の駅が92、普通で乗り通すと6時間かかる。
中部天竜駅は、静岡県に入ったところにあり、豊橋駅から2時間5分だったから、ちょうど3分の1くらいの場所だ。ここが浜松市といわれてもピンと来ない。
中部天竜とセツブンソウの話はあらためてすることにして、今日は飯田線の風景をお送りします。

中部天竜駅は、飯田線の主要駅の一つで、特急も止まるし、この駅が始発の列車もある。乗務員の交代なども行われるようだ。
私が乗ったのは、上諏訪行きの普通列車だった。飯田線は豊橋発の列車も、行き先がいろいろで、豊川までとか、飯田までとか、天竜峡までとか、種類が多い。どうしてそういう運行になっているのかは分からない。特急は一日二往復している。

日曜の昼下がり、中部天竜で降りた人はほとんどいなかった。
少し前まで、この駅構内に佐久間レールパークがあったから、週末は多少なりとも人の乗り降りがあったはずだ。保存展示されていた列車は、新しくできたリニア・鉄道館に移されてしまい、佐久間レールパークは2009年に閉館となった。

車窓からの風景。
中部天竜あたりまで行けば人里離れた山里の風景が見られると思ったのだけど、まだまだこのあたりは開けていて人家も多い。秘境駅といわれる小和田駅や中井侍駅は、まだ先だ。
名古屋から往復8時間もかけてそんな駅に降りるためだけに行くには、まだまだ私の鉄道への思いが成熟していない。

三河川合駅。
ほとんど何もない。店のたぐいはもちろん、トイレもない。
私以外、誰も降りなかった。

柿平駅。
待ち時間が30分以上あったので、ホームや駅周辺を歩きながら撮った。


列車を待つ時間も、旅のうち。特にローカル線の旅はそうだ。
そういう時間が、あとになって懐かしい記憶となって残ることが多い。






4分遅れで列車がやってきた。この日乗った列車のすべてが遅れた。飯田線の日常はそういうものかもしれない。効率よく乗り継ごうなんて考えると、ローカル線は楽しめない。
いつか、中部天竜より先まで行ってみたいと思う。それは来月とかそういう近未来ではなく、夏とか、秋とか、次の冬とか、それくらい先の話として。