
PENTAX K-7 + DA 16-45mm f4
年に二、三度、熱田神宮へ行かなければいけないような気持ちになる。特に用事や願い事があるというわけでもないのに、行かないとなんだか気分がそわそわする。とりあえず行ってしまえば心も落ち着く。もちろん、その中の何割かは写真を撮りたいという気持ちに違いない。
今回は行く前からモノクロで撮ると決めていた。頭の中をモノクロ・モードにしないと、モノクロ写真にならない。カラーのときとは被写体の見方が違ってくる。色情報は白と黒に置き換えられ、光と影を読む必要がある。
簡略化して被写体を明確にできるのがモノクロのいいところだ。モノクロの方が、より伝わりやすい被写体というのもある。

信長塀。

高床式倉庫みたいな社。

拝殿前。

結婚式の記念撮影をしていた。
最近では珍しく、子供の多い結婚式だったようだ。
人と人とがつながって、家同士が結びつき、子供が生まれ、枝葉が広がり、世代を超えて命がつながっていく。
このとき撮られた写真は、10年後、20年後に、より価値を持つようになる。ここに写っている全員がこの世を去った100年後でも価値がある写真というのは、素敵だと思った。

熱田神宮は、名古屋で一番人気のある神社だ。平日でも人が途切れることはなく、週末はいつも賑わっている。

賑わいから離れた摂社や末社のあるところもいい。森に囲まれた社の静けさを味わうことができる。

いつもこの小さな鳥居が気になる。何かの願いを込めて奉納したものだろうけど、どんな意味があるんだろう。

このあたりも訪れる人は少ない。

菅原社なので、梅の絵が描かれた絵馬がかかっている。

名古屋に現存する石橋では一番古いものとされる二十五丁橋。
旅の途中で西行が、このあたりでしばし佇んだという伝承が伝わっている。
この石橋は、室町時代に架けられたもので、戦後に移築して架け直したものだそうだ。

現在、橋を渡ることはできない。

名古屋港方面に写真を撮りにいく途中に立ち寄ったのだけど、いい光があって、モノクロを撮るには好条件だった。
熱田神宮はいろいろ神事も多くて、見てないものがたくさんあるから、またそのうち行くことになると思う。