岩塚のきねこさ祭 ---七所社と川祭り編 - 現身日和 【うつせみびより】

岩塚のきねこさ祭 ---七所社と川祭り編

きねこさ祭御田神社




 昨日、名古屋市中村区の岩塚で、きねこさ祭が行われた。
 おととしだったか、たまたま七所社(ひちしょしゃ)の前を通りかかったとき、立て札のきねこさ祭の紹介文を読んで、テレビで見たことがある祭りがここだというのを知ったのだった。一度見てみたいと思っていて、その機会がやってきた。
 1000年以上の歴史を持つ祭りで、毎年旧暦の1月17日に執り行われる。
 尾張三大奇祭の一つに数えられていて、あとの二つは、この前紹介した国府宮のはだか祭と、熱田神宮の歩射神事とされている。犬山の石上げ祭も三大の一つを自認しているけど、こういうのははっきり決まっているわけではなく、三大何々というのはたいてい4つ、5つあるものだ。
 現在、七所社の祭礼として行われているきねこさ祭は、隣接する御田神社(みたじんじゃ)の御田祭りとして始まったといわれている。上の写真が御田神社で、今は七所社の境内摂社という扱いになっている。
 先にあったのが御田神社の方で、延喜式にも載っている古い神社だ。
 七所社とともに、熱田神宮との関係が深い。御田神社は熱田神宮にもあって、名前の通り、五穀豊穣の田んぼにまつわる神だ。祭神の豊受大神(トヨウケビメ)は、伊勢の神宮外宮の神様でもある。
 きねこさの名前の由来は、杵(きね)と、こすり落とした餅を意味する「こさ」から来ている。
 御田神社と七所社の成立時期と関係がはっきりしないのだけど、見つかった神鏡の銘に884年とあり、それが創建年と考えられている。きねこさ祭りは、神社の創建とともに始まったとされる。
 七所は、熱田神宮に関係の深い七つの社から来ている。熱田神宮、八剱宮、大幸田神社、日割御子神社、高座結御子神社、氷上姉子神社、上知我麻神社と聞けば、馴染みのあるところばかりだ。
 日本武尊、天照大神、倉稲魂命、天忍穂耳尊、高倉下命、宮簀姫命、乎止與命という祭神の顔ぶれを見ても、熱田神宮や尾張氏との関係が深いことが分かる。
 境内には、ヤマトタケルが東征の際に立ち寄って腰を下ろしたという伝説の石があったりもする。



七所神社古墳

 古くから神聖な土地とされたところだったようで、境内には3つの円墳(塚)が残っている。このあたりで他に古墳のたぐいは見つかっていない。
 熱田神宮の北西約7キロの場所で、すぐ横を庄内川が流れている。昔は今よりももっと海が近かったはずだから、人が住むにも便利で、流通の面でも重要な土地だったのだろう。のちに佐屋街道が整備され、岩塚宿も作られた。
 岩塚の地名は、ヤマトタケルの腰掛け岩と古墳の塚から来ているとされている。
 ちょっと面白いと思ったのは、近くに隣り合うようにしてある小中学校が、岩塚小学校と御田中学校ということだ。
 きねこさ祭は地域にとって重要なお祭りということで、小中学生は学校が休みになるのか午前までのようだ。祭りにはたくさんのちびっこがやってきていた。



御田神社参拝

 まずは七所社と御田神社に参拝していく。
 拝殿に飾られているのは、祭りに使われる祭具だ。



きねこさ祭巫女と笹

 巫女さんが厄除けの笹を売っていた。
 なんで笹なのか、このときはよく分からなかった。



ろうそくに火

 一本のろうそくに火がともっていた。
 街中の街道筋にある神社で、すぐ目の前を名古屋高速が走っている。
 決して広いとはいえない境内ながら、近所から白山社、熊野社、石神社、若宮社、天神社、神明社が寄せ集められて寄り合い所帯になっている。かつてはもっと広い境内だったに違いない。 



きねこさ祭屋台風景

 きねこさ祭というと、川祭りが取り上げられることが多くて、全体のことを知らなかった。こんなに大盛り上がりのお祭りだとは想像してなかったので、ちょっと驚いた。
 細い参道や脇道にびっしり屋台が並ぶ。そこへ大勢の人がやってくるものだから、相当な混雑になる。



きねこさ祭川祭りに向かう

 川祭りの時間となった。
 祭りは川祭りに始まり、古式行列、本祭り、厄払い神事と続く4部構成になっている。



きねこさ祭川祭りの役者

 川祭りの主役は12人。役者と呼ばれる男たちで、42歳の後厄の男10人と、厄年の子供2人で構成される。
 3日間、早朝に冷水でみそぎなどを行い、本番に臨む。
 川を前に、おもむろにふんどし一丁になる。
 この日の気温は4度。川風の冷たい日で、体感温度は0度くらいだったんじゃないかと思われる。



きねこさ祭川に入る男たち

 愛知県民なら、こんな映像をニュースで見たことがあるという人が多いんじゃないだろうか。



きねこさ祭竹によじ登る

 役者のひとりが川に立てた竹によじ登り、倒れた方角でその年の吉兆を占うというものだ。



きねこさ祭川の中の男衆

 今年は南東で、吉を示す方角だそうだ。
 竹はぽっきりきれいに折れる方がいいらしい。



きねこさ祭ふんどし一丁で万歳

 国府宮のはだか祭も寒そうだったけど、こちらは川の中だ。更にこれで終わりではなく、すぐに着替えて行列、本祭りでも中心とならなければならない。
 それらの様子は、また次回としたい。

 岩塚のきねこさ祭 ---古式行列と佐屋街道編
 岩塚のきねこさ祭 ---本祭りと厄払い神事編

【アクセス】
 ・地下鉄東山線「岩塚駅」から徒歩約20分。
 ・無料駐車場 たぶんなし
 ・拝観時間 終日

 岩塚七所社webサイト
 
関連記事ページ
コメント
非公開コメント

トラックバック

https://utusemibiyori.com/tb.php/2538-e29bd5cc