
PENTAX K-7 + DA 16-45mm f4
貴生川駅から三雲駅方面に向かって、川沿いを歩いて行く。道路が踏切を渡ったあたりが、草津線ではよく知られた撮影ポイントだ。
列車が行く風景を撮る場所として、行く前から唯一決めていたのがここだった。他にも撮影ポイントはあるのだろうけど、下調べの段階では見つからなかった。あるとしてもそれほど多くはないようだ。

田園が広がり、風景として草津線を撮るには良い場所だ。
午後は順光になる。
ただ、手前の電線と電柱が入ってしまうので、こちらから撮ることは少ないみたいだ。撮られた写真を見ると、この裏手で撮られている。

9月のはじめということで、ちょうど稲刈りをしているところだった。初秋らしい風景を見ることができた。

裏手に回ってみると、なるほど、こちら側からの方がずっとすっきりしている。
草津線は非電化単線だから、手前に障害物がないと、視界は良好だ。
午後から逆光になるので、午前にこの場所から撮るのがスタンダードなのだと思う。

私はむしろ逆光を歓迎したい。
10mmは出番がないだろうと持っていなかったのを、このときは悔やんだ。

ずっと引き返して、信楽高原鉄道のところまでやってきた。
いい感じのところを見つけて、しばらく列車を待ってみたものの、いっこうに来る気配はなく、待てば来るといった路線でもないのであきらめた。30分くらいは粘ったのだけど。

歩き出してほどなくして後ろから列車がやってきた。そんなものだ。
信楽高原鐵道は、貴生川駅と信楽駅を結ぶ14.7キロの第三セクターだ。
終点の信楽には、たぬきの焼き物でお馴染みの信楽焼の里がある。たぬきづくしということで、列車にもたぬきの絵が描かれている。
1時間に1本あるかないかの路線だから、タイミングは悪くても撮れただけでも運が良かった。
機会があれば、近江鉄道とともに乗ってみたい。

せっかくだから近江鉄道も撮っておこうと、もう一度貴生川駅を超えて、近江鉄道が走っているところまでやってきた。
現在は、本線の他、多賀線、八日市線があり、貴生川と米原を結んでいるのが本線だ。
近江鉄道も、なかなか味わい深い路線なので、一度は乗っておきたいと思っている。

三雲駅は昔ながらの駅舎が残り、ローカル線の風情を漂わせていた。
自動改札機がなければ、昭和の風景そのものだ。

昔は駅舎の中にKioskが入っていたようだ。今は自販機が埋め込まれている。
そういえば、駅のKioskもどんどんなくなっている。

三雲での時間は30分しかなく、駅前をほんの少し歩くだけしかできなかった。

三雲駅前は、旧東海道で、古い家屋なども少し残っていた。
時間があれば、甲西方面に向けて東海道を歩いてみるのも面白かっただろう。

甲西駅は、近くの甲西高校の生徒たちで賑わっていた。
ここまで来ると、草津線の旅も終わりが近づく。

もう少し、列車を撮っておく。

このあたりも広い田園地帯になっている。
後半は少し駆け足での散策となり、すぐに次の手原駅を目指すことにした。
が、列車の到着が10分ほど遅れ、日没時間との競争になっていく。
つづく。