
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.7
津屋川にヒガンバナを撮りにいった日は、ヒガンバナだけが目的ではなかった。もう一つ大きな目的として、養老鉄道に乗るというものがあった。
JRで桑名まで行って、桑名から養老鉄道に乗換え、津屋川の最寄り駅である美濃津屋駅を目指した。
この日は週末ということで、休日フリーきっぷ(1,000円)を買った。
養老鉄道の駅では、「乗って残そう養老鉄道」の標語をあちこちで目にする。確かにそうだ、廃線が決まってからでは手遅れだ。
しかし、このフリーきっぷを買うのに手間取った。近鉄桑名のホームとは簡易改札で隔てられているだけで、近鉄のホームに養老鉄道の券売機がある。その券売機にフリーきっぷはなく、改札の駅員さんに訊くと、階段を上がって左の窓口に売っているという。
教えられた通りに行ってみると、自動改札があり、窓口は外にある。出てしまっていいのだろうかと思いつついったん外に出て窓口を見ると、近鉄とある。どこを探しても養老鉄道の窓口はない。養老鉄道がもともとは近鉄の養老線だったことをすっかり忘れていたというのもあるのだけど、まさか近鉄の窓口で養老鉄道のフリーきっぷを売っているとは思わなかった。
養老鉄道は本数が少ないから、こんなところで乗り遅れている場合ではなかった。

乗り込んでみると、養老鉄道は人気薄のようだった。
ちょうどヒガンバナが見頃のタイミングで、土曜日の朝だったから、けっこう賑わっているんじゃないかと想像していたのに、まったく違った。みなさん車で訪れていたようだ。
平日の朝夕は通勤通学でそれなりに混むのだろうけど、週末の利用客は少ないようだ。それでサイクルトレインといったアイディアを出してきたのだろう。
レンタサイクルを借りて、養老鉄道に乗れば、沿線沿いの観光に便利だ。

オレンジ色のラビットカーが走っているのは知っていたから、どこかで撮りたいと思っていたのだけど、結局、車内から撮れたこの一枚きりだった。他に二度見たのも、すべて列車内にいてすれ違ったときだった。

美濃津屋駅のホーム。
ローカル線の風情があって、いい感じだ。

美濃津屋駅の駅前。
いきなり民家で、お店のたぐいは見当たらなかった。
駅の東に旧街道が通っていて、その通りはちょっと雰囲気があった。

ヒガンバナの帰り。
少し予定より早く終わったので、ひとつ北の養老駅まで足を伸ばしてみることにした。

養老には何年か前、車で訪れている。養老の滝を撮るためだった。
鉄道の養老駅となると、子供の頃両親に連れてきてもらって以来だった。ほとんど記憶はないのだけど、駅舎は相当古かったから、当時とあまり変わっていないのではないかと思われる。
駅前もひなびた観光地の風景が広がっている。
折り返しの列車まで1時間近くあったので、養老公園の方までふらっと歩いて、戻った。

近鉄養老駅の看板は、そのままになっている。

再び養老駅。おみやげ屋さん兼喫茶。
このあたりもとても昭和っぽい。

養老鉄道はワンマン運転で、途中、無人駅が多い。主要な駅だけ駅員さんがいて、切符の確認をしている。

ひょうたんだらけの養老駅ホーム。
養老伝説に登場するひょうたんが養老の名物となっている。おみやげ屋さんでもたくさんひょうたんが売られている。
私も子供の頃買ってもらった。今はもう手元にない。割れてしまったかどうかしたのだろう。

養老駅をあとにして、次は南下して多度駅を目指した。

多度といえば、多度山や多度大社が有名なところだ。
それらは駅の西にあって、私は東へ向かって歩き出した。
向かったのは、名鉄の佐屋駅だった。地元の人や土地勘のある人ならまずやらないだろうけど、多度駅から佐屋駅まで歩いた。寄り道もしたから、距離にして10キロくらいだっただろうか。

多度川の橋梁。
この前の大雨で、汚れているところまで水かさが増したのだろう。

橋梁を行く養老鉄道。
まだ先は長いので、今日のところはここまでとしたい。
木曽三川公園編に続く。