
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.7
長久手の田んぼも、収穫の時期を迎えた。
それなりの交通量がある道路沿いではあるものの、街中とは言えないこの地区なので、稲刈りのあとの野焼きが盛んに行われている。近頃、近所ではあまり見かけなくなった光景だ。
煙がすごいことになっているので、迷惑している人もいそうだけど、懐かしさを感じる。
自転車でぐるっと巡りながら、写真を撮った。

モリコロパークの大観覧車が見えている。
愛・地球博の賑わいも、今や遠い昔のことに思える。あのときはこのあたりも駐車場になったり、大勢の人が歩いていたりして、雰囲気も一変した。あれから6年経って、風景はすっかり元に戻った。

一番変わったのは、なんといっても、リニモだ。
今では風景に溶け込んで、違和感はなくなった。
しかし、赤字続きで苦しい経営に陥っている。そのうち存続も危うくなるかもしれない。
ただ、長久手町は近い将来長久手市になるというから、そうなると多少なりとも事情は違ってくるだろうか。

瀬戸のデジタルタワーもよく見える。
まったく人気は出ず、デジタル放送のアンテナとしての役割を全うするのみだ。どうして観光資源にしようと思わなかったのだろう。こんなところまでわざわざタワーに登りに訪れる人も少ないだろうけど。

東小学校のあたり。
こちらは田んぼよりも畑が多い。

こんなふうに切り取ると、信州っぽく見なくもない。

訪れたのは9月終わりで、稲刈りはだいぶ進んでいた。10月に入った今は、もうほぼ終わったくらいかもしれない。

収穫あとの田んぼには、スズメとかムクドリとか、たくさんの鳥たちがいる。
田植えの頃にいたアマサギの姿は見かけない。ツバメもそろそろまた北へ帰っていく時期だ。

あぜみちに少しだけヒガンバナが咲いていた。

米作りは一人ではなかなか難しい。どうしても家族の協力が必要だ。だから後継者の問題も難しくなる。

野焼きの煙があたりに立ち込め、モクモク状態に。
風情はあるけど、実際ものすごく煙たい。

害虫駆除や、土壌改善のためにするものらしい。
昔から日本人の知恵としてずっと行われてきたことだ。

今年も無事、米の収穫ができた。
不良という話は聞かないから、出来は悪くなかったのだろう。猛暑と残暑の影響はどうだったのだろう。
稲刈りが終われば、田んぼも冬枯れ風景になって、また景色からひとつ、色が失われる。そうやってだんだん冬が深まっていき、世界は茶色に支配される。