
8月の半ばに、長野県木曽郡大桑村にある阿寺渓谷(あてらけいこく/地図)へ行ってきた。
涼を求めて行ったというよりも、至高のブルーを撮りたくて出向いていった。ネットの写真で見たブルーに強く惹かれるものがあった。
JR中央線の野尻駅(地図)が最寄り駅で、名古屋駅からは快速と普通列車を乗り継いでも2時間ちょっとで行くことができる。
コバルトブルーの水などというものは、南国の沖縄とか、北海道の湖とか、富士山山麓とか、時間とお金をかけないと見られないものと思ってあきらめていた。こんな近くでブルー・ウォーターが見られるところがあるなんて知らなかった。逆に、何故今まで知らなかったのか不思議なくらいだ。
野尻駅から渓谷の入口までは歩いて30分程度だ。秘境というほどの奥地ではない。渓谷沿いにはずっと舗装道路があって、奥のキャンプ場までは6キロちょっとだから、片道で2時間くらい。途中で沢まで降りたり写真を撮ったりしても、名古屋から日帰りで充分行けるところだ。
長野や近郊ではよく知られたところなのだろうけど、名古屋近辺では認知度はあまり高くないように思う。
というわけで、今回から3回シリーズで阿寺渓谷の風景を紹介します。

そのブルーは、とても鮮烈な色だった。
通称、阿寺ブルー。
川の水でこんな青色は見たことがない。きれいな川は緑色をしているという認識が絶対的なものではないことを知る。

もちろん水がきれいで透明度が高いというのもあるのだけど、川床の色の関係でこんなブルーに見えるのだとか。
浅いところでは透明感のあるブルーとなり、深い場所では濃いブルーになる。光の当たり方によっても変化する。

とにかく青い。よく見ると緑色が入っているようだ。
川床が石なので、海のブルーとはまた違う印象を受ける。

まったく色のない透明よりも、青みがかった水の方がより透明に感じる。
「限りなく透明に近いブルー」というのは、こういうことをいうのかと思った。

水が流れ落ちているところでは、白い泡々になって、まるでソーダ水のようだ。
この川を見ていると、子供の頃好きだったクリームソーダを思い出す。

まあしかし、ずっと見ていると飽きるもので、ああ、ここも青いよね、そうだよね、なんて気持ちになったりもする。

6キロの道のりはやや長く、途中で少し間延びする。風景がそれほど変化に富んでいるわけでもない。
とはいえ、ときどき思い出したように面白い場所が見つかって、その様子を撮って喜ぶ。

日の当たらない深い場所では、黒っぽく見えたりする。

後半のクライマックスがここ、牛ヶ渕と名付けられた場所だ。
特に水深が深いところで、他とは違う独特の深い青色をしている。
ここまで青いと、もはやバスクリンを入れたみたいだ。

シュワシュワな感じが好きで、しつこいくらい撮っていた。帰ってきてから確認したら、同じような写真がたくさんあった。

つづく。
阿寺渓谷を歩く(第2回)
小雨のちどしゃ降りの阿寺渓谷<第3回>
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