
PENTAX K-7 + FA 50mm f1.4
尾西線の風景、後編。
ここは奥小学校を過ぎたあたりだったと思う。
このあたりもずっと住宅地の間を貫くように線路が通っていて、線路沿いの道はほとんどない。尾西鉄道の開業は明治31年だから、住宅や道路が造られたのはそのあとのことだろうか。

傾きながらカーブを走り抜けていく玉ノ井行き列車。
車両のことは気にしていなかったので、よく見ていなかった。写真で見ると瀬戸電に似ているようで少し違うみたいだ。
この区間は、2両編成でワンマン運転をしている。ワンマン運転という言葉が使われるようになった当時、すごくワガママで自分勝手な運転をしているみたいに思えた。ワンマンプレーと同じような意味で。

だいぶ暗くなってきて、流し撮りがしやすくなった。
青々した田んぼの中を行く赤い列車が、私の中の名鉄のイメージとしてある。

日没。少し空が焼けた。
カラスの多い町だった。
大きな川があり、河原が森のようになっていて、田畑があり、住宅地でもあるという環境が、カラスたちにとってはすみやすいのだろう。

歩行者と自転車しか通れない小さな踏切。

三角屋根の建物と、線路脇の風景。

玉ノ井駅に到着。
駅舎と屋根付きホームが一体になったようなスタイルで、終着駅にしては風情がない。昔はもっと情緒的な風景だったのだろう。
玉ノ井の地名は、駅北東の賀茂神社にある玉井清水から来ているのだそうだ。
玉の井というと、かつて荷風が愛した色町を思い出す人が多いだろうか。今は東向島と呼ばれていて、玉の井なんて言われてもピンとこないのかもしれない。

駅前に数軒並ぶ飲み屋の隙間から。

玉ノ井駅から折り返して、花火会場へ向かった。もう少しだけ路線風景を撮りながら。

こんなに暗くなるまで尾西線を撮っているから、花火に遅刻してしまったのだ。

尾濃大橋の夕暮れ。
たった一駅分を歩いただけだったけど、尾西線風景撮りは楽しかった。
機会があれば、一宮から南も撮ってみたい。津島から日比野あたりは歩いたから、佐屋から弥富にかけてが面白そうだ。