
SONY α55 + SIGMA APO 170-500mm f5-6.3
今年も名古屋城宵まつりで、火縄銃の実演を撮ってきた。
去年、初めて火縄銃を撮って、祭りフォトコンで佳作をもらったので、今年は更にいいのを狙っていた。
しかし、欲をかくといいことはないもので、決定的瞬間を撮るという点では、去年を超えることはできなかった。前回はビギナーズラックだったことを思い知る。
それでも、写真としては去年よりもステップアップしていることを実感できた。一年間、いろいろなものをたくさん撮ってきた経験がいきたと思う。
今年のテーマは、武将の肖像と動きを融合的に撮るというものだった。条件があまりよくなかったのは少し残念だったのだけど、300mmではなく500mmを選んだことで、去年とは違う写真になった。

火薬詰め。
当然、空砲なので、弾込めはない。

戦いの火蓋を切るという言葉は、火縄銃から来ている。
火薬が入る火皿を覆う火蓋があり、切るというのは開くといった意味で、そこに火縄で点火して、爆発させて、弾を飛ばすというのが火縄銃の原理だ。

観客席の方に向かって撃つのはさすがにまずいので、実際は背中を向けて撃つことになる。これは説明のときの様子だ。
一度くらい正面から撮ってみたいのだけど、それが許されることはたぶんない。今年は横に回ることもできなかった。

去年と比べて実演の回数が微妙に減った気がしたけど、気のせいだろうか。
2回行われて、1回の正味時間は10分ちょっとなので、あっけなく終わってしまう。撃つ回数も4回くらいなので、チャンスは少ない。高速連写しても、なかなかジャストタイミングには当たらない。

隊長さんは号令をするだけなので、ちょっと寂しそう。
隊長や旗持ちさんは去年と同じ人だった。火縄銃を担当していた人はどうだったのだろう。尾張藩ゆかりの鉄砲隊のみなさんだから、メンバーは固定されていると思うのだけど。

撃つ前の静寂と、鉄砲の轟音。
静と動の対比に緊張感が生まれる。

1回目は夕方6時からなのでまだ明るさが充分残っている。本番は6時40分からの2回目だ。陽が落ちて暗くなると、火花が派手に写る。
2回目は手持ちでは厳しくなるので、三脚が必要となる。固定では撮り切れないので、半固定で撮った。
火縄銃の実演は、宵まつり期間中の日曜日に2度行われる。次の14日が最終回で、日没時間が更に遅くなるので、条件はよくなる。

今回はアップにこだわろうと思っていた。
500mmレンズでシャッタースピードは1/20秒とかの無茶な速度なので、ブレは避けられない。それでも、動きを表現するためのブレなら失敗ではない。

真剣に、黙々と。

合図は、放て-! だ。

どぉーんという大きな音が鳴り響く。
弾は当たらなくても、音に驚いた馬が逃げ惑っただろう。それだけでも大きな効果があったに違いない。

撮っているときはあまりにも手応えがなくて、今年はダメだったなと思ったのだけど、写真を見たら想像以上に撮れていた。
火縄銃撮りに関するあたらな課題も見つかったし、今回はこれでよしとしたい。またどこかで撮るチャンスがあるはずだ。
名古屋城宵まつりは去年ある程度見て回ったので、今年はほとんど見なかった。全国からいろいろな武将隊が集まってきていたり、あらたに結成されたあいち戦国姫隊がいたりしたのだけど、見かけることはなかった。
まつりは今週いっぱい14日まで開催されている。