
PENTAX K-7 + FA 50mm f1.4 / TAMRON 10-24mm
日曜日に、豊田おいでんまつりの花火大会へ行ってきた。
東海地方最大級の花火大会ということで、さすがに大混雑していて、ちょっと大変だった。毎年30万人を超える見物客が訪れるということなので、楽ではないと覚悟はしていた。行き帰りの列車も、なかなか厳しいものがあった。
打ち上げ数が1万発を超える花火大会はこの地方ではあまりなく(今年は1万2000発)、全国的に知られる花火師の良作がたくさん打ち上げられるということで、花火好きの間で評判がいい大会だそうだ。
5号から10号といった大玉も多く、日本煙火芸術協会作品も打ち上げられる。
プログラムの後半は、メロディ花火あり、ワイドスターマインありで、フィナーレはナイアガラ大瀑布で締めくくられる。
とまあ、そんな花火大会なので、私としては楽しみ半分、半分は及び腰だった。いいところは前日の朝6時から場所取りが始まり、それはそれは熾烈を極めるという話を聞いていて、それだけでももうダメだと思ってしまった。有料席は、一番安い椅子席でも4,000円ということで、そこまではちょっとと思ってしまう。
今回が初めての参戦だったので、とりあえず様子見という気持ちもあった。

駅を降りて東へ向かう人波に逆らい、西へ向かった。
目指したのは事前調べで目をつけていた穴場スポット、毘森公園だった。
しかし、こちらもよく知られた場所らしく、公園前の道路や病院の玄関前など、しっかりみなさん座って準備を完了していた。それでも、混雑しているほどではなかったので、そこからでも撮れたのだろうけど、思っていたよりも距離があって、空が狭かった。下の部分の街並みも良いロケーションとは思えなかったので、そこはやめにした。
もう一度駅まで戻り、やはり東へ向かうことにした。
花火開始時間は7時10分とあったのだけど、最初に数発試し打ちをして、その後沈黙してしまった。どうやらプログラムの開始は7時半からだったようだ。

中心部はさすがに混んでいて入り込む余地はないだろうということで、進路を北にとった。
歩いている途中で、本番が始まった。
ビルのガラスに映った花火を撮る。

手持ちで撮りながら、どこか良い場所はないかと探し歩いた。
黒漆に金粉を振ったような夜空だ。
和の渋い美を見た。
手持ちでも花火はけっこう撮れるもので、手ぶれ補正があればシャッタースピードを1/4とか1/10くらいでも面白い写真になる。最初から最後まで三脚に立ててバルブ撮影すると、全部似たような写真になるから、どこかで手持ちで撮ってみると変化が出ていいと思う。

花火を見るだけなら、街中でも、道路脇でも、どこからでも見えるから、場所を選ばない。ただ、花火を撮るとなると、適当な場所は限られる。ビルで遮られたくないはないし、電線が邪魔をする。
8時前になって少し焦った。列車の都合で8時半には会場をあとにすると決めていたから。

歩き歩いて流れ着いたのが、高橋のたもとの土手だった。かなり人が集まっていて、視界も開けていたので、もうここしかないといったんは三脚を立てて撮り始めた。
けど、どうも面白くない。街明かりも見えないし、風景に変化がなさすぎる。
すぐにその場所を立って、更に移動することにした。

最終的に腰を落ち着けたのは、高橋の上だった。
ずらりと人が並んではいたものの、ところどころにスペースが空いていて、すんなり入ることができた。
豊田スタジアムと豊田大橋が見えて、矢作川に花火の色が映り込む。ここはいいではないか。気に入った。
ちょっと問題だったのは、橋を人が歩いたり、大型車が通ったりすると、微妙に振動するところだ。まあしかし、贅沢は言っていられない。何しろもう、残り時間は30分を切っていた。

個人的な失敗としては、超広角を持っていってしまったことだ。広角ズームと迷って、超広角にしたのが裏目に出た。思ったよりも距離があって届かなかった。50mmでは狭すぎて、その中間の25mmから35mmくらいが欲しかった。
コンディション的な問題としては、雨の予報を覆して降らなかったのはよかったのだけど、途中で風がやんでしまい、煙が流れなかったことだ。風が強いと花火が流れてしまうし、風がないと煙がたまってしまう。微風くらいが一番いいのだけど、こればかりは自然のことなのでどうしようもない。

打ち上げ花火の30分など、すぐに過ぎてしまう。今回は露光間ズーミングやピントずらしなどを試そうと思っていたのに、そんな余裕はまったくなかった。早くも撤収時間となってしまい、この場所をあとにして、駅へ向かって歩き出した。

現場ではあれこれ試せなかったので、帰ってきてからレイヤー重ねに初挑戦してみた。
レイヤーは今までやらなかったというよりやれなかった。今ひとつ理解できていなかった。勉強をして、やってみたら、意外と簡単だった。
一番上の写真は、レイヤーで10枚重ねている。ちょっとやりすぎだけど、実際に見る花火の感動に比べたら、こでもまだまだ全然足りない。
ホタルと花火は重ねてなんぼという気もする。
レイヤー重ね前提の撮り方もなんとなく分かったし、次のチャンスがあれば、もう少し上手くできると思う。
場所探しに時間がかかって、撮影があまり満足にできなかったのは少し残念だったけど、まずは行けたことでよしとしたい。別の花火大会や、来年の豊田おいでんまつりにもつながる。
来週は岡崎の花火だけど、これは去年行ったから今年は行かない。犬山の日本ライン夏まつりは行けたら行きたい。近場の長久手は自転車で行けるからたぶん行くと思う。
今年中に、もう少し撮れるようになりたい。