行ってみなければ始まらないリニア・鉄道館 <1回>

美術館・博物館(Museum)
リニア館-1

PENTAX K-7 + TAMRON 10-24mm f3.5-4.5 / FA 50mm f1.4



 少し前、mihopapaさんと二人で、リニア・鉄道館へ行ってきた。
 3月14日のオープン以来、平日でもかなり混雑しているというので、しばらく待っていた。
 この日は夏休みに入る前の平日で、入り口では待ち時間なしで入館することができた。中はそれなりに混雑しているものの、入り口で並ばなくてよければそれでいい。ガラガラになるのを待っていたら数年先になってしまう。
 名古屋駅からは、あおなみ線に乗って終点の金城ふ頭駅まで25分。名古屋港の方が水族館や他の施設も充実しているのだけど、あえての金城ふ頭だったのだろう。土日は水上バスで名古屋港と結んでいる(片道25分・700円)。
 入館料の1,000円は、行く前は安いと思った。行ってみると妥当な線だ。なるほど1,500円ではないし、800円でもない。確かに1,000円だなと納得する金額設定だ。隅から隅まで楽しめる鉄っちゃんにしたら安い。今のところ、年間パスポートは発売されていない。
 JR東海が満を持して作ったにしてはあと一歩という声も聞かれる。基本的には佐久間レールパークを拡張した展示で、期待したほど新幹線が充実していない点が不満に感じる要因かもしれない。敷地面積が埼玉の鉄道博物館の半分程度ということで、スペースの問題もありそうだ。鉄道博物館を大きく上回るようなものを思い描いて訪れた人にとっては、やはり物足りないだろうか。
 それでも、JR東海ならではの展示もあり、半日たっぷり楽しめる博物館になっている。今日から3回に分けて紹介していくことにしたい。

リニア館-2

 入り口入って最初の部屋が薄暗い。目が慣れるまで少しかかる。わざとそうしているのだろう。
 ここはシンボル展示フロアで、JR東海を象徴する3両が並んでいる。それぞれ、その時代に最高速を記録した車両たちだ。
 大型スクリーンには映像が流れている。

リニア館-3

 C62形式蒸気機関車。
 本来は貨物用として製造された日本最大の機関車で、のちにD52のボイラーを流用して旅客用に転用された。
 この17号機は、昭和29年に129キロという狭軌の蒸気機関車として当時の世界最高記録を出したものだ。
 長らく東山動物園の片隅で雨ざらしになっていた姿を覚えている人もいると思う。きれいにお色直しされて、立派な姿を取り戻していた。東山にあるときは、ほとんど誰も見向きもしていなかった。

リニア館-4

 こんな新幹線、走ってたっけ、と疑問に思う人も多いだろう。
 955形式新幹線試験電車の名の通り、試験車両なので営業運転には使われていない。
 通称300X。
 平成6年に最高速度実験用に製造されたもので、平成8年、米原-京都間で443キロを記録した。電車方式ではこれが当時の最高速となった。
 この技術が700系へと引き継がれ、現在のN700系に至っている。

リニア館-5

 そしてこれが次世代の鉄道、超電動リニアMLX01だ。
 平成7年に制作され、平成15年に山梨の実験線で581キロという記録をたたき出した。鉄道による世界最高記録だ。
 愛・地球博のJR東海超電導リニア館でも展示されていたから、そこで見た人もいるだろう。
 リニアの開業予定が2027年。あと15年もすれば、名古屋から東京まで40分で行ける時代が来る。15年も経てばいろんなことが変わっているだろうから、それくらいでは驚かなくなっているかもしれない。
 しかし、直線ルートで途中がトンネルだらけなので、風景はあまり楽しめそうにない。

リニア館-6

 これがメインフロアで、ほぼ全景だ。先ほどの3両とあわせて全部で39両が展示されている。
 1階、2階は吹き抜けで、展示は1階、2階には車両以外の展示品や部屋がある。
 39というと多そうに思うけど、半分は奥の方で横一列になって近づけないので、点数ほど多くは感じない。
 新幹線はドクターイエローを入れて5両と、ちょっと寂しい。今走っている700系はいないし、以前走っていた500系はJR東海のものじゃないから置いてない。当然、200系や400系もない。

リニア館-7

 手前が300系323形式、奥が300系の322形式。
 322形式は、300系量産先行試作車で、細部を詰め直して量産したのが323形式だ。比べると外観のデザインが少し違っていることが分かる。内装なども違うようだ。
 1992年に始まるのぞみ用の車両として制作された。

リニア館-8

 やはり0系が一番人気で、その前で記念撮影をしていく人が多い。
 昭和39年(1964年)の東海道新幹線開業に合わせて開発されたもので、すでに当時210キロを出していた。
 昭和61年までに3,000両以上製造された。
 最後の営業運転が行われたのが2008年で、ニュースで見たという人も多いんじゃないだろうか。
 向かって左隣が100系で、昭和60年に登場した。
 JR東海のCM、クリスマスエクスプレスで出てきていたのが、この100系だった。

リニア館-9

 922形新幹線。通称ドクターイエロー。
 新幹線線路の保守点検用車両で、なかなか見られない。

リニア館-10

 国鉄時代の車両には特に思い入れもないので、古いものを見ても、ふーんという感じだった。この頃はまったく国鉄に乗っていないので、思い出も記憶もない。子供の頃の思い出は、田舎へ行くときの近鉄特急だけだ。
 クハ381形式電車。
 振り子式システムで高速運転を可能にして、名古屋-長野間の特急しなのとして使われていた。

リニア館-11

 流線型の先取り、モハ52形式。
 戦前に京阪神間の急行電車として走っていたものがどうして展示されているかと思ったら、晩年に飯田線で使われていたからだった。 

リニア館-12

 C57形式蒸気機関車。
 1937年から制作された機関車で、139号はお召列車に使われたこともあるんだそうだ。

リニア館-13

 奥の展示車両。仕切りがあって、これ以上近づけない。
 そのうち手前の展示車両と入れ替えるのかもしれない。

リニア館-14

 クロ381形式の特急しなの。
 名鉄のパノラマカーを思わせる前面ワイド窓になっている。この展望が売りだったようだ。
 しなのはもう一両、キハ181形式気動車がある。

リニア館-15

 屋外に展示されている117系電車。
 もともとは関西圏で新快速として走っていたもので、向こうではシティライナー、名古屋では東海ライナーと呼ばれて活躍した。
 中は飲食スペースになっていて、みなさん弁当などを食べていた。
 館内にレストランや喫茶などはなく、弁当などを売るデリカステーションがあるだけだ。食べることに関しては充実しているとは言えない。
 弁当は味も値段も普通の駅弁並みのようだ。

リニア館-16

 小さなSL。ケ90形式蒸気機関車。
 大正時代に東濃鉄道(今のJR太多線)で走っていたものだ。

リニア館-17

 大まかな紹介をすると、ざっとこんな感じになる。
 次回は車両の内部などを中心に紹介します。
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