初めての津島天王祭

イベント(Event)
津島天王祭-1

PENTAX K-7 + FA 50mm f1.4 / 55-300mm / TAMRON 10-24mm



 初めて尾張津島天王祭を撮りに行き、撮り切れなかった敗北感を抱きながら帰路につくことになった。
 正直、天王祭を甘く見すぎていた。人が多いであろうことは予想していたけど、23万人は半端な人数ではなかった。池を中心にそこそこの広さがある公園とはいえ、池の周囲には桟敷席が設置され、屋台がずらりと並んでは空いているスペースは限られる。そこへ20万人以上が集まってしまうと、それはもう大変なことになるのは明白だ。
 どうにかいい撮影ポイントはないかと、あっちへ行き、こっちに戻りとうろうろしていたら、結局、どこにも場所を確保できないまま終わってしまった。
 有料の桟敷席が優遇されていて、それ以外でいいポジションにつこうと思えば、夕方早くから訪れて動かないでいるしかない。有料桟敷はたぶん2,000円とか3,000円とかで、事前販売だったのだと思う。当日の椅子席もあったらしいのだけど、下調べが不十分でよく分からなかった。
 帰り道、今年の失敗を踏まえて来年は有料席で撮ることを誓った。今年は来年のための下調べと思うことにした。
 とはいえ、初めて生で見る天王祭は、なかなかに優雅で趣のあるいいお祭りだった。残念だったのは写真を上手く撮れなかったことで、祭自体は楽しんだ。
 信長、秀吉も見たとされる伝統ある祭りで、500年以上、一度も休むことなく今日まで続いている。
 祭りの起源ははっきり伝わっていない。南北朝時代、津島に逃れてきた南朝の良王親王を守るため、北朝の武士を船遊びに誘って討ち果たしたことに由来するとも、津島神社の古い神事が元になっているともいわれる。
 津島神社自体、歴史のある神仏習合の神社で、かつては津島牛頭天王社と呼ばれ、全国3000以上ある津島神社、天王社の総本社となっている。
 織田家の氏神がこの津島神社で、秀吉は楼門を寄進するなど、二人とこの祭は縁がある。
 天王祭は数ヶ月に渡って行われ、旧暦の6月14日に行われる宵祭と、翌15日の朝祭がハイライトとなっている(もろもろの都合で、現在は7月の第4土日に行われる)。
 私が見にいったのは、土曜の宵祭だった。

津島天王祭-2

 イベントの一つに、火縄銃の演武があった。午後6時から始まるそれに合わせて行ったのだけど、何しろ場所が悪かった。距離は近いものの、竹か何かで編まれた柵越しなのでレンズを向ける方向は限られ、まともに撮れなかった。
 すでに失敗は最初からだった。

津島天王祭-3

 演武は二度行われ、二度目は池の特設水上ステージからだった。
 しかし、今度は遠すぎる。ステージの木枠も邪魔をして、満足に撮ることはできなかった。
 火縄銃は名古屋城の宵祭りで再挑戦することにする。あそこは近いし障害物もないから、場所さえ確保すればいいのが撮れる。

津島天王祭-4

 夕暮れどき、船遊びをする人々。
 天王川公園の名の通り、昔は天王川という川が流れていて、天王祭は川祭りだった。日本三大川祭りの一つと自認しているのだけど、あとの二つはよく分からない。
 現在、川はせき止められて、公園の中央で池になっている。なので、川祭りといわれるとちょっとピンと来ない。

津島天王祭-5

 日が暮れてから人はますます増え、移動するのもノロノロになる。この時点でまだ場所を確保できていなかった私だから、もういい場所が空いているはずもなかった。

津島天王祭-6

 7時半から水上ステージでの打ち上げ花火が始まった。
 少しずつ日暮れが早くなっているとはいえ、この時期の7時半はまだ明るさが残る。空が暗くならないと打ち上げ花火はきれいに撮れない。
 一年ぶりということで花火の撮り方を忘れていたから、思い出しながら手探りで撮り始めた。少し撮っていたら勘が戻ってきて、その頃には空も暗くなっていった。
 もう一ヶ所、南の津島高校グラウンドでも花火が打ち上げられていた。遠くに見えていたものの、ここから撮るには少し遠かった。

津島天王祭-7

 狭い場所での打ち上げということもあって、あまり大きな花火は上がらなかった。吹き上げ式みたいなものもあった。

津島天王祭-8

 大きな花火大会の打ち上げ花火のようなものを期待するとがっかりする。それでも、ときとききれいに撮れる。
 水面の明かりと花火の組み合わせは美しかった。
 花火を撮るベストポジションは、やはり北側の桟敷席ということになるのだろう。
 一番撮りたかった打ち上げ花火とまきわら船の組み合わせは撮れなかった。それが一番心残りだった。

津島天王祭-9

 花火大会の季節はまだこれからだ。今回で練習できたから、次が本番のつもりで臨みたい。
 来週は豊田おいでんまつりだし、岡崎もある。

津島天王祭-10

 すっかり暗くなった8時過ぎ、宵祭のクライマックスが近づく。

津島天王祭-11

 一年間の無病息災を祈り365個の提灯が飾られた5艘のまきわら船が、かつて川港があった車河戸(こうど)で待機している。ここで津島神社からの使者を待つ。

津島天王祭-12

 午後8時45分、5艘のまきわら船は、津島笛の音色を響かせながらゆっくりこぎ出した。池の北側には、津島の神が遷座する御旅所があり、そこへと向かう。

津島天王祭-13

 まきわら船は、45分ほどかけて御旅所へ進む。
 池にこぎ出したところを見送って、私はこの場をあとにした。最後まで見ていたら帰りの電車がとんでもないことになりそうだったので、早めに帰った。
 また来年、もう一度行きたい。このままでは終われない。

 使い切れなかった写真は続きで。

津島天王祭-15

 
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津島天王祭-20

 
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