ミズバショウは夏の思い出じゃなく春の思い出 - 現身日和 【うつせみびより】

ミズバショウは夏の思い出じゃなく春の思い出

ミズバショウ終わりかけ

Canon EOS 10D+TAMRON SP 90mm(f2.8), f4.0, 1/100s(絞り優先)


 夏が来てから思い出していたのでは遅すぎるミズバショウ。4月の後半でさえすでに遅かった。松平郷のミズバショウは、見頃を過ぎて葉っぱの様子が乱れていた。4月の上旬から半ばあたりが一番きれいだったろう。いくつか集まって咲いていたところも、葉っぱがとっちらかって写真に撮るにはちょっと厳しかった。
 夏が来れば思い出す、遙かな尾瀬、遠い空。この歌でなんとなく初夏の花のイメージがあるけど、実際ミズバショウは春先の花だ。尾瀬は山だから遅いだけのことで。遅いといっても6月上旬だから、夏が来てからそういえばミズバショウはどうなったかな、なんていう調子ではさっぱり見ることができない。ソメイヨシノが満開になる頃には思い出さないといけない。

 西日本の人にはあまり馴染みがないと思われるミズバショウだけど、北国の人にとってはありふれた花なんじゃないかと思う。少なくとも、遙かな尾瀬まで行って1時間も山登りしなければ見られないような貴重なものではない。特に北海道なんかでは、そのへんの野山ではいくらでも咲いていて、知られてない群生地もたくさんあると聞く。うらやましいといえばそうだけど、当たり前に見られることが必ずしも幸せなことではないかもしれない。
 分布としては、中部以北から北海道、東シベリアあたりに自生している。ただし、例外的に兵庫県大屋町の加保坂に大規模な群生地があって、ここが南限とされている。中部といっても愛知県あたりでは見ることができず、岐阜県の蛭ヶ野高原が南限となる。
 ミズバショウにはもうひとつ、北アメリカ太平洋岸の湿地に分布するアメリカミズバショウというのがある。これは日本のミズバショウと姿はそっくりで白の部分が黄色をしていて面白い。あまり日本では馴染みがないのは、すごく匂いがきついせいかもしれない。
 同じサトイモ科の仲間としては、植物園の温室でよく見かけるカラーなどがある。サトイモ科は暖かい地方に咲くものがほとんどの中、ミズバショウだけが何故か寒いところを好む。古い植物で、氷河期を生き残ったなごりだろうか。

 白い部分は花びらではなく、葉っぱが変形した仏炎包(ぶつえんほう)と呼ばれるものだ。形が仏の背中で輝く光明に似てることからこの名がつけられた。花は中央の黄色いツブツブの部分で、もう少しするとここから2ミリくらいの黄色い小さな花が咲いてくる。数は数百個。そんなに咲かなくていいだろうというくらい咲く。
 花が終わる頃には白い部分が枯れて、葉っぱがどんどん巨大化してくる。50センチから大きいもので1メートルくらいになるので、ベランダなんかで栽培した日には大変なことになってしまう。10株も育てたら、ベランダを占領されて通れなくなってしまいそうだ。
 ミズバショウの名前の由来は、この大きくなった葉っぱがバショウに似ていて、水の近くに咲くからだと言われている。漢字で書くと水芭蕉だから、松尾芭蕉に関係あるのかと思ったらそうでもないらしい。

 ミズバショウを見るなら尾瀬。一度は見てみたい見渡す限りのミズバショウ群生。そんなことを思っている人もたくさんいることだろう。私も少しずつそんな気持ちになってきた。他にもたくさんミズバショウの群生地はあるのに、やっぱり尾瀬じゃなきゃと思わせるのは、あの歌の影響が大きいのだろうか。
 しかし、尾瀬は甘くないらしい。まず見頃の時期の混雑がすごいという。すっかり有名になってしまった6月の尾瀬はとんでもない人だかりという話だ。日曜の朝早く目が覚めて、尾瀬のミズバショウでちょっくら見に行くか、ってな感じで出向いてしまうとひどい目に遭うだろう。マイカー規制もあるし、気軽にひとりでフラッと行けるような感じではない。平日ならともかく。
 更に、相当広いということもある。スポットまでは山道を1時間は歩かないといけないというし、尾瀬自体とっても広い。日帰りで一周ぐるっと回れるなんてことはなく、一泊で行く人も多い。彼女を尾瀬デートに誘って浮かれ気分で行ったら、よほど健脚な女の子じゃない限り泣きが入るだろう。しかし、尾瀬の奥でケンカ別れはできない。日没で暗くなったら遭難してしまう恐れがあるからだ。たとえモメても空がシャクナゲ色になる頃までには仲直りする必要がある。
 尾瀬のミズバショウ、侮りがたし(ホントかな?)。
 でも実際歩いて行って、ミズバショウが広がる光景を見たら感激するだろうな。苦労して歩けば余計にそう感じるに違いない。いつの日か、私も行ってみよう。足腰が丈夫な内に、体力自慢の女の子でも誘って。尾瀬のミズバショウたち、私のことを気長に待っていてね。
 ところで、尾瀬って何県にあるんだろう?(知らないのかよ!)

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コメント
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こんにちは

マジはご存知だとは思いますが^^
尾瀬は。。。
群馬県・福島県・新潟県の3県にまたがる場所で、日光国立公園の一部です。

日本最大のミズバショウやニッコウキスゲの群生地として有名な『尾瀬ヶ原』や『尾瀬沼』を中心に、高層湿原や動植物の宝庫ですねぇ。

私も北海道で観ましたよ^^

ポチッ凸

2006-04-25 13:11 | from †Tiara†

怪しいかも(^w^)

ミズバショウは見たことないけどミズバショウの歌は好きです。
あ、ミズバショウの花も爽やかで好きですが・・
今朝は庭の草取りやら、落ち葉拾いをしながら「夏がく~れば思い出す~」のメロディーを口ずさんでいました(*^m^)o==3
怪しい過ぎ?誰にも見られてないからいいやんな。。

2006-04-25 13:44 | from miyu | Edit

きょう、ブログ訪問者を辿っていたら、どなたか松平郷のことを書かれていました☆
水芭蕉、大好きで見に行きたいと思ったいたのだけれど、
またいつの間にか季節が過ぎてしまいました^^;
上の子を連れて行ったとき、
水芭蕉の池に落ちてしまってドロドロになったことがありました(笑)
また行きたいなぁ。。
尾瀬には一度だけ行ったことがあります。花はまだでしたが。。

2006-04-25 14:44 | from 水蓮 | Edit

三つの交わる点がイメージできない

★†Tiara†さん

 こんにちは。
 尾瀬は、ぼんやりとは知ってるんだけど、じゃあ地図で場所を指し示してみろっていわれたら、確実に分かりません(笑)。
 新潟は日本海で、福島は東北の近く、群馬は関東のどこかってな認識なんで、三つの県が交わってる場所があること自体イメージできなかったりします。(^^;
 なんだか、名古屋からはすごく遠そうです。でもやっぱり、一度は行ってみたい。
 ニッコウキスゲも有名ですよね。
 †Tiara†さんは北海道でミズバショウを見たんですか。いいですねー。私も見たいっ。
 見たいものや行きたいところがたくさんあるのは幸せなことですね。でも、行けないんだけど(笑)。

2006-04-26 02:08 | from オオタ | Edit

合唱の際は

★miyuさん

 こんにちは。
 こんな春先の朝っぱらからミズバショウの歌を歌いながら草むしりをしていたら、それはやかりかなり怪しめです(笑)。
 近所でウワサのまとにならないように、名古屋から祈っておきます。
 それでももし、合唱したくなったら私を呼んでくださいね。テノールを担当しますので。

 miyuさんのところでは、なかなかミズバショウは目にする機会はないかもしれませんね。
 もし、どこかで見かけることがあったら、そのときこそ、思う存分歌ってください(笑)。

2006-04-26 02:14 | from オオタ | Edit

ここでこっそりハッピーバースデー

★水蓮さん

 こんにちは。
 そうそう、誕生日おめでとうございます。(^^)
 そちらで言おうかなと思ったんだけど、ちょっと照れくさかったので、ここでこっそり言っておきます(笑)。
 毎年思い出深い誕生日になってるようで。(^^;
 でも、何も記憶に残らない誕生日よりいいかもしれませんね。(^^)

 松平郷のあの池に落ちた人がいるんですか? あはは! 笑える~。
 私も写真を撮りながら、これはうっかりしたら落ちて危ないぞと思ったんだけど、まさかホントに落ちてるとは。
 あんなところにはまったら、それこそホントに全身泥まみれです。帰りは全裸で車を運転して帰ってこなくちゃいけなくなります(笑)。
 私も人のことを笑ってると落ちたりするかもしれないから、気をつけなくちゃ。

 水蓮さん、尾瀬に行ったことがあるんですね。ミズバショウは見られなかったのは残念だけど、尾瀬行きはうらやましい~です。
 私もいつか行きたい。今回でミズバショウの魅力も知ったし。

2006-04-26 02:20 | from オオタ | Edit

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