
SONY α55 + SONY 18-55mm f3.5-5.6 / SIGMA APO 170-500mm f5-6.3
今年も高校野球夏の大会の季節がやって来た。
去年の夏、初めて高校野球の予選大会を撮った。あのとき撮り切れなかったもどかしい思いが、一年経った今でも心の中に残っていた。忘れ物を取り戻すべく、今年もまた球場へと向かった。

場所は同じ瑞穂球場。去年は三塁側で、今年は一塁側だった。
去年は4回戦で、今年は1回戦という違いもあった。

違いはレンズの距離にもあった。去年は300mm、今年は500mm。
撮れる絵にも、やはり少し違いがあった。
さあ、試合開始だ。

チームに関する予備知識はまったく持っていなかった。
エースは左。なかなかまとまったいいピッチャーだ。

ジャストミート。バッターも、シャッターも。

日曜日とはいえ、まだ1回戦ということで観客は少なめ。一塁側、三塁側の大部分は関係者で占められていた。
スタンドの最前列で、メガホンを持って応援していたのは女子マネージャーか。こんなにいるだろうか。
ドラッカーに憧れて入ったのかもしれない。

投げて、打って、走って、大声を出して。
久しぶりに自分も野球がやりたくなった。ああ、野球ってやっぱりいいなと、思った。

肝心の写真はもう一つ。
点数は入るものの、フォアボールやエラー、押し出しなどが絡む展開で、長打もなく、ワッと盛り上がるシーンが少なかった。

旗色が悪くなると、チームというのはどうしても元気がなくなる。ベンチの空気もそうだ。
控え選手の応援はいつでも元気だ。たとえそれがカラ元気だったとしても。

外野手の孤独というものをいつも思う。
野球に限らず生でスポーツ観戦すると面白いのは、テレビに映らない部分が見られることだ。
野球はピッチャーとバッターの間だけで行われているものではない。

試合は7回コールドで終わった。
それほどチーム力に差があったわけではないけれど、やはり高校野球の場合、エースピッチャーがとても大きな役割を占める。ピッチャーだけでは勝てないにしても、ピッチャーが打ち込まれてしまうと勝つのはすごく難しくなる。

校歌斉唱。自分ではまったく歌った覚えがない。在学中に一度でも歌う機会があっただろうか。それさえ覚えていない。

高校時代、自分にはこんな感じはまったくなかったなと思ったら、少しうらやましいような気持ちになった。
何かを一所懸命やれば、結果はどうあれ、得られるものはある。楽をしてしまえば何も得られない。

思ったよりも嬉しそうで、なんだかホッとしたというか、こちらまで温かい気持ちになった。勝つって素直に嬉しいもんなんだなと、あらためて思った。

去年との違いがもう一つあった。去年は試合に負けて、今年は試合に勝った。

夏はまだ始まったばかりだ。
ガンバレ、高校球児たち。
残りの写真は追記(more)に。

全力投球。

フルスイング。いい当たりを打ったときはフォームがきれいだ。

試合が決まって最後に出てきたピッチャーが、けっこういい球を投げていた。
2年生とかだったら来年がちょっと楽しみなんじゃないか。
踏み出した左足が突っ張るのがもったいない。上体の強さと腕のしなやかで投げているのだろうけど、膝をもっと柔らかく使えるようになると、コントロールもよくなって、珠の伸びも出てくるはずだ。
写真に撮ると分かることもある。

いくつかエラーも出たけど、いい守備もあった。
エラーは野球にはつきもので、それがどこで出るかで試合の流れが大きく変わったりする。この試合でも、2回のエラーがなければ、もう少し違った展開になっていたかもしれない。

ユニフォームの汚れは活躍の証だ。きれいなユニフォームではかっこ悪いと思えてしまう。

スタンドではカメラマンの姿もちらほらあった。報道関係とか高校野球関係の人たちだっただろうか。

高校野球の予選大会に感動的な要素を求めるのは難しいのかもしれない。決勝とか準決勝とかには涙もあるのだろう。
今年中にもう一度撮りに行きたい気持ちもありつつ、ちょっと行けないだろうか。
また来年行ける機会があったとしたら、もう一度行くことにしよう。