
SONY α55 + SONY 18-55mm f3.5-5.6 / SIGMA APO 170-500mm f5-6.3
B787の離陸を待つヒコーキ野郎のみなさん。ヒコーキお嬢もあちこちに。
どこからこんなに集まってきたのかと驚いた日曜日のセントレア。大半の人たちのお目当ては、セントレア初飛来のボーイング787、ドリームライナーだった。
ボーイング社が開発した次期主力中型旅客機で、全日空が世界で初めて導入することになり、テスト飛行を兼ねてセントレアへやってくることになった。わりと直前になって急遽組み込まれたようだ。
組み立てはアメリカで行われているものの、胴体や主翼など機体の35パーセントは日本で製造されていることでも話題になった。三菱重工業、川崎重工業、富士重工業の工場が愛知県内にあるということで、地元企業への感謝を込めたお披露目という意味合いもあったらしい。
日本国内の便では、羽田発着の路線に投入されることがすでに決定している。順次路線も拡大していく計画だそうだ。
しかしながら、セントレアでの就航は未定となっており、早くても3年後くらいというので、この地方の航空ファンが大挙して押し寄せたというわけだった。
それなら私もというんで、500mmのレンズを持って出向いていった。動物園で練習したのはこのためだった。

787は朝の7時くらいにやって来て、夕方の6時に飛び立つ予定だった。
この日は特別に臨時駐車場が開放され、普段は見られない距離からとまっている787を見ることができた。
私が到着したのは夕方の5時くらいだった。その時間でもまだ、金網にはずらりと見物の人たちが並んでいた。
大きなレンズを構えるコアな航空ファンから、親子連れ、カップル、おじいちゃん、おばあちゃんまで、客層は幅広かった。一機の飛行機に人が群がっている様子は、静岡の1/1ガンダムのときと似ていた。

一番近づいてこれくらい。残念ながら金網越しで、その金網にも近づけないから、金網を消して撮ることもできない。これではらちがあかないということで、離れた丘の上に移動した。
300mmでは届かなくても、500mmなら届く。動物園では大きすぎて恥ずかしかった500mmも、ここでは同じようなレンズを持った人がわんさかいるので平気だった。

届くには届いて金網もよけられたのだけど、飛行機前の障害物が多くてどうしょうもなかった。
5時半を回って、どうするか迷った。飛び立っていく787を見送るなら障害物がない丘の上だし、もっと大勢の人たちと共有するならスカイデッキだった。あちらは金網があるから離陸は撮りづらいだろうとは思ったのだけど、スカイデッキの様子も見たいというので、移動することにした。

ボーイング747 LCF ドリームリフター。
日本で製造した翼などをアメリカに運ぶために改造した機体で、胴体の部分がぽっこり膨らんでいる。
ドリームライナーとドリームリフターのツーショットも、この日の呼び物の一つだった。羽田では見られない光景だ。
私が行ったときは、ドリームリフターの積み込み作業をしているところで、すでに移動してしまっていてツーショットを撮ることはできなかった。

スカイデッキで他の飛行機の離発着などを撮りながら待つ。
それにしても、スカイデッキは想像を遙かに超える光景が広がっていたのだった。

金網すべての場所が鈴なり状態。まったく入り込む余地はなかった。
787にこんなに多くの人が興味を持っているとは思わなかった。この中の何割かは、私のように軽い気持ちで訪れていたのだろうけど。
朝待ち構えていた人だけでも2,000人を超えていたというから、一日ののべ人数では1万人を上回っていたんじゃないだろうか。

いよいよ飛び去る時間となり、滑走路に移動する787。ここまではなんとか撮れた。
しかし、このあとの離陸では、人の頭越しと金網、逆光という難しいシチュエーションとなり、去っていく787をファインダーに捉えることができずに終わってしまった。
強い逆光や横からの太陽光があると、EVFの中の像が見えなくなってしまうことが判明した。おまけに500mmなので、ファインダーに写る範囲が狭い。いったんピントを外してしまうと、動いているものはなかなか捉え直せない。そうこうしているうちに787の姿は遠ざかってしまったのだった。
去っていくとき、翼を振ってバイバイしてくれたそうだ。肉眼でさえ見ることができなかったのは残念だった。

別の飛行機でのイメージ画像。787もこんなふうに撮るつもりだったのに。

戦いすんで日が暮れて。
西に傾いた太陽が伊勢湾を染める。
余韻に浸る人々。朝の6時過ぎから夕方の6時過ぎまで、半日セントレアで過ごした人もいたのだろう。

私としては少し物足りない思いを抱きつつも、この日はこれで帰ることにした。ここへ来る前に、高校野球撮りと荒子散策をして、すでに余力がなかったというのもある。

夕陽に照らされる中部国際空港駅。
セントレアもこれで3回行った。だいぶお馴染み感が出てきた。また行こう。