正解が選べなかった木と水の風景

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
篠田池-1

PENTAX K-7+PENTAX 55-300mm f4-5.8



 海上の森の篠田池で、水面から突き出した枯れ木と水の風景を、これまでにも何度か撮ってきた。
 もう一度しっかり撮り直そうと思い、行って撮ってきた。それはよかったのだけど、帰ってきてから写真を見てみると、どれが正解なのか自分でも判断がつかない。どれか一枚選ぶとすれば、一枚目ということになるだろうか。それでも他の写真を捨ててしまうのももったいない気がしたので、いっそのことよさそうなのを全部まとめて出してしまうことにした。好みは見る人によって分かれるかもしれない。
 写真をセレクトする力も大切だとよく言われる。フォトコンの応募でもそれはよく思う。自分で選んだ写真が自分が撮った写真の必ずしもベストではないし、自分では選ばなかった写真の中にもっと良い写真が眠っている可能性もある。逆の言い方をすれば、正しいセレクトをする力がつけば、逆算して良い写真が撮れるようになるということも言えそうだ。
 今回に関しては、見ていただいた人に正解を委ねたい。自分自身でも、もう少し時間を置けば、客観的な判断ができるようになるのだろうけど。

 画角はほぼすべて300mm(35mm換算で450mm)。絞りはF9。ND400とC-PLを重ねている。露光時間は、短いもので5秒ほど、最長で60秒。その間もいろいろ試している。
 風があって、雲が多く、太陽は出たり入ったりと、条件がコロコロ変わる状況ということもあって、水面の変化は大きかった。

篠田池-2

 行く前にイメージしていたのはこんな感じだった。ローキーで撮るというのが狙いだった。
 けど、何かが足りない。水面のざわつきもなかなか収まらなかった。
 場所を変えて、反対側に回る。

篠田池-4

 秋にもこんなふうに撮った。あのときは山の木々が紅葉していて、水面に彩りがあった。今の時期は茶色とくすんだ緑色だけだから、色的な面白みはない。

篠田池-3

 少し引いてみる。
 光の加減で、水面がややピンクがかった。
 風が強いときだ。

篠田池-5

 風とさざ波の表現が一番上手くいったのはこれだ。
 露光時間は短めで、10秒くらいだったと思う。

篠田池-6

 枝を上へずらして、映り込みの影を主役にしてみる。
 雲が途切れて青空が広がったとき。水面は空を映している。

篠田池-7

 太陽が動いて、山並みの影が映っている。
 光がかげって、少し暗くなった。

篠田池-8

 露光時間を短めにすると、水面の流れ模様が戻ってくる。
 露光時間が短いから、アンダー気味になっている。

篠田池-9

 風が収まって水面があまり動いていないとき。
 映り込んだ枝が揺らがずにくっきり映っている。

篠田池-10

 光が消えたときに、アンダー狙いで。
 上半分を暗く沈めて、下半分に蒼を残す。
 上の写真と比べると、露出だけでもけっこう印象が違ってくるのが分かる。

篠田池-11

 もろもろの条件の中間を取ると、こうなる。

 さて、あなたには正解が分かっただろうか。
 正解はない、というオチかもしれない。
 また撮りに行こう。
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