長良川鉄道旅情

飛行機(Airplane)
長良川鉄道-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 郡上八幡へ行ったとき、長良川鉄道に乗った。そのときの行き帰りに撮った鉄道風景の写真を集めてみた。
 そこにはローカル線ならではの風景があり、偶然出会うことができた素敵なシーンがあった。
 あらためて写真を見ていると、また旅に出たい気持ちになる。

長良川鉄道-2

 かつて国鉄は、美濃(岐阜)と越前(福井)を直線で結ぶ路線の構想を持っていた。
 越美線と名付けられ、大正9年(1920年)に、岐阜県の東、美濃太田駅から北へ向けて工事は始まった。
 大正12年(1923年)、美濃太田駅と美濃町駅(今の美濃市駅)が結ばれ、部分開通した。
 その後、時間をかけながらも順調に路線は延び、昭和4年(1929年)に郡上八幡駅までつながり、昭和9年(1936年)には現在の終点となっている北濃駅まで72.2キロが完成した。
 しかし、この先、福井県との県境にある両白山地に阻まれ、工事は難航が予想された。加えて国が戦争に突入していく中で工事はいったん中断を余儀なくされた。
 再開されたのは、戦後から15年も経った昭和35年(1960年)のことだった。今度は福井県側の南福井駅から工事が始まり、勝原駅間 の43.1キロが開通して、貨物営業が始まった。福井県側を越美北線、岐阜側を越美南線と呼んだ。
 その後、昭和47年(1972年)に九頭竜湖駅まで開通し、残す距離は直線にして15キロのところまで迫った。
 とここで、工事はぴたりと止まり、動かなくなってしまう。昭和40年代に入り、道路が整備され、バス路線が開通し、マイカー時代がやって来た。すると鉄道の利用客はがくりと減り、これ以上の工事は無駄という話になってしまった。山越えの難工事という理由もあっただろう。
 関係者も住民もあきらめかけていたところ、突然、降ってわいたような話が持ち上がった。昭和53年(1978年)、田中角栄が日本列島改造論の一環で、この路線をつなげると言い出したのだ。住人は大喜びで、翌年には計画も立てられ、測量も始まった。
 けど、結局のところ、これはぬか喜びに終わる。昭和55年(1980年)に国鉄再建法が公布されて、この路線はやはり取りやめということになってしまったのだった。
 昭和55年に越美線は正式に中止と決まり、越美北線はJRの九頭竜線として残ったものの、越美南線は赤字が続いて第三セクターの長良川鉄道としての再出発となった。昭和61年(1986年)のことだ。
 現在も赤字ローカル線であることに変わりはなく、苦しい営業が続いている。平成20年(2008年)には、東海北陸自動車道が全面開通して、名古屋方面から北陸方面へ抜けるのが便利になった。長良川鉄道の将来は明るいものではなさそうだ。
 それでも、一両編成のディーゼル車は、長良川に沿って、今日もゴトゴト走っている。

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 一両のローカル線ということで、もっと山の中を走っている姿をイメージしてた。けど、郡上八幡までは普通の地方都市といった風景で、思っていたほど田舎風情はなかった。そこから更に先へ行くと、思い描いていたような光景が広がっているのかもしれない。

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 このときは、美濃太田から関へ行って、関から郡上八幡へ向かった。
 上の写真は、関から乗ったときの光景だ。美濃太田からはガラガラだったのに、唐突に満員御礼だったので驚いた。全員が郡上八幡行きではなく、それでも途中で降りる人もぼちぼちで、最後まで座ることはできなかった。
 駅舎内に温泉があることで有名なみなみ子宝温泉駅で降りた人がけっこういた。
 私は土日限定の一日乗車券(2,000円)を買って、郡上八幡まで行って、美濃市で降りて、帰ってきた。

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 一番後ろに立って、外の景色を眺めながら行く。右に見えているのが長良川だ。

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 トンネル撮りに何度も挑戦したけど、暗いし、列車は揺れるしで、まともには撮れなかった。

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 この場面は、長良川鉄道を紹介する番組などでよく出てくる。車窓風景の中でもいいところなのだと思う。

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 郡上八幡駅。地方の駅らしい雰囲気がある。
 郡上おどりのシーズンは、この駅も身動きできないほどの人になるのだろう。

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 駅のホームにて。

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 駅舎の中に「ふるさとの鉄道館」というコーナーがある。古い鉄道グッズなどが展示されていた。

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 郡上の散策を終えて帰ってきたとき、日は西に傾いて、早くも山陰に隠れそうになっていた。

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 鉄道に関する知識は薄いので、これがどういう装置で、何と呼ぶものなのかは知らない。線路の切り替えに使うものだろうという予測ができるだけだ。今ではもう使っていないだろうけど。

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 古き良き鉄道風情が残っている。

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 これは郡上八幡駅だったか、美濃市駅だったか。

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 美濃市駅の通路。線路の上ではなく下をくぐって反対側に出るようになっている。

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 美濃市駅の駅舎。丸ポストに何に違和感もない。

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 帰るときの美濃市駅のホーム。何しろ暗かった。

 もう一度長良川鉄道に乗る機会があるかどうか分からない。郡上八幡まで乗ってしまったから、これが最初で最後になるかもしれない。今のところ、他に行きたい駅は思いつかない。地図を見ると、北濃駅の周辺には何の情報もない。何があるのだろう。
 いつかチャンスがあれば、終点まで行って、帰りに郡上おどりを見る旅をしてみたい。
 今更だけど、美濃太田から福井まで通っていたら、名古屋から北陸へ行くには便利だった。今は米原から敦賀を経由して大回りする必要がある。
 名松線といい、この越美線といい、届かなかった思いの路線というのが全国にはたくさんあるのだろう。
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