豊田市美術館という被写体 <前編>

施設/公園(Park)
豊田市美術館1-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 前から一度撮りたいと思っていた豊田市美術館へ行ってきた。
 階段を上がると人工の池が見えてきて、その向こう側には水上に浮かぶようにして美術館が建っている。なるほど、これは美しい建築だと、一目で思った。
 建築家・谷口吉生の最高傑作との呼び声も高い建物で、1995年(平成7年)に完成した。
 谷口吉生という人は、あまりマスコミなどに登場しないので、一般的な知名度はあまり高くない。葛西臨海水族園や土門拳記念館を設計した人といえば、あああの人かと思う人もけっこういるんじゃないだろうか。ニューヨーク近代美術館新館を手がけるなど、海外でもよく知られた存在で、建築界ではもちろん知らない人がいないくらいの超有名建築家らしい。
 現在は、新進気鋭の建築家・石上純也「建築のあたらしい大きさ」展が開催されているので(12月26日まで)、期間中は全国から建築関係の人が訪れているものと思われる。
 私は建築に関してはまったく詳しくないので、この日の目的は建物を撮ることだった。展示を見るのはそのついでのようなものだった。

豊田市美術館1-2

 この美術館は、外観も内部もあわせて一つの作品ということで、中も写真を撮っていいことになっている。特別展は撮れないけど、常設展は作品も撮らせてくれる。
 上の写真もただの通路や壁ではなく、ジョセフ・コスース『分類学(応用) No.3』およびジェニー・ホルツァー『豊田市美術館のためのインスタレーション』という作品だ。
 石上純也の作品に関しては、なんとなく面白くもあり、分からなくもあった。その筋の人たちには評判がいいようだから、専門的な知識があれば楽しめるのだろうと思う。
 大胆な発想と繊細な作りの模型作品で、実際にこんなもの作れないだろうと思うのだけど、神奈川工科大学KAIT工房のような斬新な建造物を実際に造ってしまうのだから、あの模型もいつか実現する日が来るのかもしれない。

豊田市美術館1-3

 併設されている橋節郎館も見てきた。個人的にはここの漆器作品がとても印象的だった。
 安曇野生まれの漆芸家で、豊田市民文化会館で開催された展覧会のあとに作品を豊田市に寄贈したことから、この美術館が生まれた。
 漆の黒と金のコントラストの世界に引き込まれる。
 漆装飾されたピアノやハープもあって、あれは美しいものだった。
 常設展では、クリムトの「オイゲニア・プリマフェージの肖像」がよかった。クリムトは、愛知県美術館の「人生は戦いなり(黄金の騎士)」に強く感銘を受けた。本物の力というのを思い知らされた。

豊田市美術館1-4

 ここへ行くなら、よく晴れて光があるときに行こうと決めていた。行ってみたら、その考えは正しかった。
 建造物と光と影が作る光景がドラマチックだ。

豊田市美術館1-5

 このあたりは遺跡を思わせた。
 撮る人間のイメージによっていろんな姿を見せてくれる。

豊田市美術館1-6

 鏡の板や色付きの板が配置されていて、面白い風景を作る。鏡のボックスなどもあり、横から人が歩いてきたと思ったら、それは自分の姿が映っているものだったりする。

豊田市美術館1-7

 どこからともなく水がポタポタ際限なく落ちてくる場所が何ヶ所かあり、それはそれできれいだったのだけど、ちょっと雨漏りが心配になった。雨漏り丹下の二の舞か。

豊田市美術館1-8

 池の底は石畳になっている。すべてに意識が行き渡っていて、ぬかりがない。
 風に揺らめいてきらめく水面に惹かれる。

豊田市美術館1-9

 建造物の中に、普通に人が立っているだけでも絵になる。

豊田市美術館1-10

 美術館の学芸員なのか職員なのか分からないけど、こういうところにいる人はみなさんシャンとしている。見るとこちらも背筋を伸ばさなければいけないような気持ちになる。

豊田市美術館1-11

 鏡に映っているのは、カフェレストランの店員さん。

豊田市美術館1-12

 木の影が面白かったので、一緒に記念撮影してみる。

豊田市美術館1-13

 外壁は外の風景が映り込みつつ、内部には光を通す素材が使われているのだと思う。

 写真の枚数が多くなったので、後編に続く。
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