八事興正寺の千燈供養会はなかなかのもの

イベント(Event)
千燈供養会炎




 9月に八事興正寺の観月会へ行ったとき、貼られているポスターで千燈供養のことを知った。これは絶対見たいと思った。
 名古屋最大の火祭りだそうだけど、あまり知名度は高くないように思う。私は今までまったく知らなかった。ということは、ローカルニュースでもほとんど取り上げられていないということだろう。
 今年は初の3日間開催ということで、10月15日から17日まで行われた。私が行ったのは、名古屋まつり二日目の日曜で、最終日だった。名古屋まつりと重ならなければ初日に行っていち早く紹介したのだけど、また来年のための情報ということで紹介することにしたい。



行列行進

 実際に行燈の数が千あるのかどうかは分からない。かなりの数の行燈が並べられ、暗くなると火がともされる。
 千燈供養会(せんとうくようえ)の名前の通り、先祖の供養のための行事には違いない。
 起源や由来を知らないまま行ったのだけど、帰ってきてから明治の濃尾地震(1891年10月28日)で亡くなった人たちを弔うために始まったものだということを知った。毎年10月の第三土曜日と決まっているとのことだ。
 僧侶たちの列が、本堂前を出発して、奥の大日堂へ向かった。どういう行事で、どんなふうに進行するのか把握できていないまま、とりあえず様子を見ながらあとからついていくことにした。



石段と本堂

 僧侶のあとを一般の人たちが続き、それから小さな子供を連れた家族が歩いていく。稚児行列というもののようだ。
 奥に見えているのが本堂なのだけど、この日、本堂は完全な脇役で、行列が去ったあとは、もぬけの殻だった。



奥の院へ続く参道

 そういえば興正寺の奥は今まで一度も入ったことがなかった。



興正寺五重塔

 いつもは主役の五重塔も、この日ばかりは影が薄かった。写真を撮っている人もほとんどいない。



大日堂前の護摩壇

 大日堂の前には大きな護摩壇が作られていて、周りには結界が張られている。
 稚児行列の親子が順番に入り、祈祷を受けていた。



和太鼓演奏

 やや唐突な感じで、パッとライトがともり、おもむろに和太鼓の演奏が始まった。急激な展開にやや戸惑う。
 それまでの厳かな雰囲気から一転して、ショーの始まりを告げる景気づけの太鼓演奏のようだった。これも供養のための演奏なのだろうけど。
 あまりにも至近距離だったので、大きな音が腹に響いてちょっと怖かった。



千燈の列

 暗くなって火がともされた。幻想的な光景だ。



夜空に浮かぶ月

 この日は夜になって風が強くなり、雲が晴れて月が出た。



護摩壇の大火

 護摩壇に火が入ると、瞬く間に燃え上がり、煙が風に流されて、大火事のようになった。風下にいたら大変なことになっていた。火の粉もどんどん降ってくる。



炎と僧侶のシルエット

 名古屋最大の火祭りといわれるゆえんはここにあったのかと納得した。
 大きな炎はまるで生き物のようにうごめき、こちらに襲いかかろうとしているかのようで、本能的な恐怖を感じる。それと同時に、見入ってしまうような魅力もある。
 火と水は対極にありながら、似ているところがある。どちらも意志を持っているように見えることがある。



薪能

 薪能(たきぎのう)もおこなわれた。撮影禁止ということで遠巻きに眺める。



五重塔ライトアップ

 初めての千燈供養会は、なかなかに感じ入るものがあった。普段は体験することがない雰囲気も味わえたし、写真も撮ることができた。供養という趣旨からは外れたかもしれないけど、こうして紹介できたことは何らかの供養につながるのではないかと思う。
 
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コメント
  • 管理人のみ閲覧できます
    2010/10/23 20:25
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • No title
    2016/08/06 11:36
    昭和42年から5年間八事地区で子供時代を過ごした者です。地域の子供たちが楽しみにしている行事でした。当時は行燈ではなく墓石に直接蝋燭を灯し、遠目にも山全体がぼおっと光って見えました。
    普段は遊び場の大日如来堂前の広場が、とてつもなく荘厳な異次元の世界に変わるのが不思議でした。私はよそ者ですが、このお祭りは誇りにしてほしいと思います。機会があればまた行きたいような行かないほうがよいような、妙な気分です。
  • 千燈供養会
    2016/08/06 23:21
    >こばやしりつこさん

     こんにちは。
     昭和40年代と比べると八事の街も大きく変わったでしょうね。
     私が知っているのは、昭和60年代以降の八事です。

     千燈供養会も昔はそんなふうだったんですか。とても幻想的な感じですね。
     今でも雰囲気は残ってますが、やはり昔と比べると少し違っているかもしれません。
     今年から千燈祭に名前が変わり、町内を稚児行列が練り歩く行事も始まるそうです。
     私はポスターやちらしに使う写真を提供していることもあって、2010年から毎年訪れてます。今年も行く予定なので、行ってきたらまた写真を載せますね。
     機会があればぜひまた訪れてみてください。
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