堀川クルーズは名古屋人のための楽屋落ち的面白さ <後編>

名古屋(Nagoya)
堀川クルーズ2-1

PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8



 今日は昨日の続きで、ナゴヤ堀川歴史観光クルーズの後編をお送りします。
 松重閘門を過ぎたあたりまで行ったから、今日はそのあとからということになる。
 山王橋のところで上を名古屋高速が横切っている。エリアとしては、山王や正木あたりということになるのだけど、このへんはまったく馴染みがない。もう少し行った東には金山があり、西にはナゴヤ球場がある。北は大須で、その中間の地域は通り過ぎるだけなので、何があるのか、ほとんど知らない。船から見える景色にも見覚えがない。
 それにしても、ここまで特に面白い風景が登場せず、名古屋の人はともかく、観光客に申し訳ないような気持ちになる。もう少し何か見えるだろうと思っていたけど、あそこまで何もないとは予想していなかった。個人的には、だからこそ逆に面白いと思ったのだけど。

堀川クルーズ2-2

 ビニールシートと段ボールのおうちの人たち。どれくらい世間の情報を掴んでいるのか分からないけど、急に屋形船が頻繁に行き来するようになって、かなり戸惑っているんじゃないだろうか。今まで静かな暮らしをしていただろうに、お互いに気まずい。
 これも名古屋の街の風景の一部といえばそうだ。

堀川クルーズ2-3

 尾頭橋近くで橋梁の下をくぐる。金山駅が近いから、東海道本線と中央線と名鉄名古屋本線の3本が平行に走っている。
 写真は今まさに頭上を列車が通過しているところなのだけど、ほとんど写っていない。タイミングが合えば、面白い写真が撮れそうだ。

堀川クルーズ2-4

 ときどき、思い出したように柳の木が植わっている。風情として川縁の柳はいい。
 ただ、堀川はこれまで観光資源とは一切考えられてこなかったので、基本的にはすべてにおいて愛想はない。見栄えも含めて整備されているのは、納屋橋の周辺だけだ。
 この船ルートを今後もレギュラー化するのなら、川沿いの風景を全面的に見直す必要がありそうだ。とてもそんなお金はないだろうけど。

堀川クルーズ2-5

 これは白鳥の船着き場から見た風景だったか、宮の渡しから見た風景だったか、はっきり思い出せない。
 見えている橋が新幹線の橋梁なら宮の渡しだし、違ったら白鳥だ。

堀川クルーズ2-6

 屋形船を見た部活帰りらしい中学生が走って追いかけてきた。それがよかった。

堀川クルーズ2-7

 だんだん港町っぽくなっていく。川岸には船の修理工場などの工場が建ち並んでいる。

堀川クルーズ2-8

 川幅がかなり広くなり、大きめの船が横を通ったりするようになる。その波をかぶると、小さな屋形船は波に翻弄され、大型船が作った波がぶつかって、ドンっと大きな音がして驚かされる。
 この船で大丈夫なんだろうかと、やや心配になってくる。

堀川クルーズ2-9

 上を走っているのは、たぶん23号線だ。車では何度となく通っている道も、下から見るとまったく知らないところのようで新鮮に映った。
 名古屋城の堀横から出発して、このあたりまで来ると、だいぶ遠くまで来た感じがする。

堀川クルーズ2-10

 門というのかバリケードというのか、高潮が来たときはここを閉めるようになっているのだろう。ここから先はいよいよ海に出る。

堀川クルーズ2-11

 大きな船が増えて、堀川では大きな顔をしていた屋形船も、ここでは頼りない小舟だ。この日は風も弱く、海も穏やかだったけど、それでも揺れがだいぶ大きくなった。

堀川クルーズ2-13

 遠くにイタリア村の名残が見えてきた。ここまで来ると、もうゴールは近い。
 手前の立体駐車場ももう使われてないのだろうか。やや廃墟めいた風景となっている。

堀川クルーズ2-14

 名古屋港のポートビル。地上から見るとなんか変な格好をしているように見えていたけど、海から見ると悪くない。ちょっと格好良いかもしれないと見直した。
 左手のドームとピラミッドは、名古屋港水族館だ。
 名古屋港の船着き場は、ポートビルの下あたりになっている。

堀川クルーズ2-15

 波がうねる、うねる。夕日色に染まってきれいだと喜んで撮っていたけど、それどころではなくなった。

堀川クルーズ2-16

 岸壁に当たってできる波と、風が作る波がぶつかって、三角波のような複雑な波を作り出している。
 船は大揺れに揺れ、上下、左右、斜めの動きが加わって、完全に波間に翻弄される小舟状態となった。普段からいつもそうなのだろうか。
 船の背丈が低く、船をつける岸壁は高い。下船するためには梯子段をかけなくてはならないのだけど、船の揺れが激しすぎて、かけるのに5分ほどかかった。乗客も怖い、怖いと言いだし、大丈夫かと不安の声が上がる。基本的に乗り物酔いはしない私でさえ、こみ上げてくるものがあった。それは熱い涙とか怒りとかではない、出してはいけないものだ。
 なんとか梯子段もかかり、逃げるように船をあとにしたとき、口の中がちょっと酸っぱかった。

堀川クルーズ2-17

 船に弱い人は、宮の渡しと名古屋港の間は乗らない方がいいかもしれない。堀川クルーズを味わうだけなら、納屋橋から宮の渡しまでで充分だと思う。
 個人的な感想を言えば、堀川クルーズは、名古屋人のための楽屋落ちみたいな面白さだと思った。普段見慣れた風景を堀川の船から見るというのはとても新鮮で、特に見所はなくても新鮮さだけで楽しめる。言い方を変えれば、名古屋の街をよく知らない観光の人にとっては、風景としての面白さはほとんどないのではないかと思われる。
 観光の人なら、船旅自体を楽しもうとは思わず、白鳥近くの熱田神宮や白鳥庭園を見にいくための交通手段プラスアルファくらいのつもりで利用するのがよさそうだ。
 もちろん、すべてを味わい尽くしたいなら、私のように朝日橋から名古屋港まで行かねばならない。なんなら往復してもいい。波間に翻弄されるのも普段は味わえない愉快な体験だ。
 そんなわけで、名古屋の人には特にオススメしたい、堀川クルーズだった。10月24日までの限定運行なので、チャンスがあれば一度乗ってみて欲しい。
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