廃墟系 ---序章

建物(Architecture)
廃墟系-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 他



 廃墟、…その怪しく魅惑的な響き。触れてはいけない危ういもののようであり、惹かれずにはいられない何かがある。
 かねてより、自分がそちらの方に向かっている自覚はあった。古い街道沿いの廃屋、使われなくなった工場、閉鎖した店舗、荒れた土地。折に触れてそういったものを撮ってきた。何か決定的な出会いがあったわけではない。少しずつその魅力に惹かれていったのだった。
 あまり積極的には近づかないようにしようとは思っていた。危うさは現実的な問題で、接近するほどに様々な危険を伴うと分かっていたから。怪我だけではない危ない目に遭う可能性は高く、この世的な部分だけでなくあの世的な部分での危うさがないとも言えない。それと、非合法というのも大きな壁となる。
 この先、自分がどこまで進んでいくことになるのか、今はまだ分からない。崩れかけた家を外から撮っている程度で踏みとどまっていればいいけど、廃校になった校舎くらいならいいだろうと突っ込んでいくようになるともういけない。憧れの場所はマヤカンなどと言い出すと、いよいよかということになる。いつか、軍艦島は行きたいと思っているけれど。
 そんなわけで、今回は、ここ最近撮り溜めた廃墟系の写真を集めてみた。現役の施設もあるし、廃墟ではないところも混じっているけど、自分の中ではそれらも近いジャンルという認識なので、一緒にしてみた。まだまだ廃墟の序章にすぎない。

廃墟系-2

 とうとう廃墟写真集まで買ってしまった。一歩踏み出したかもしれない。
 廃墟ブームというのがあるのかどうか知らないけど、ひと昔前に比べて廃墟の認知度が上がったことは確かで、アンダーグラウンドから地上に出てきた感がある。廃墟の魅力に気づいた人が増えて、廃墟好きと公言することの抵抗も薄くなってきたようだ。写真集やDVDもたくさん出ているということは、それなりに売れているということだ。
 今後は産業遺産に対する認識も強まって、廃墟がうち捨てられるだけでなく、観光資源として活用される方向に向かうだろう。一般の上陸が許可された軍艦島のツアーも大人気だという。
 工場ブームの流れに乗って、廃墟ブームが来てもおかしくない。一般に認知されて保護されてしまうと、急速に魅力を失ってしまうということもありそうだけど。

廃墟系-3

 一枚目と上の写真は、一色港の風景だ。大部分が廃墟のようになっている中、一部だけが今でも使われている。見たらこれはすごいなと思うはずだ。
 佐久島へ行く船を待つ時間があれば、一色港を散策するのをおすすめしたい。

廃墟系-4

 古い煙突の煙漏れや液漏れが大変なことになって、別の穴を開けて新しい煙突をつけている。
 それにしてもこの壁はえらいことになっている。他人事ながら大丈夫だろうかと心配になる。

廃墟系-5

 こういう光景を見ると、夢の残骸という言葉が思い浮かぶ。
 夢を持って始めた店だったろうに、夢は砕けるものだ。

廃墟系-6

 廃ビルの風合いというのも、なかなかのものだ。
 看板や残った文字などに、かつての名残を見ることができる。

廃墟系-7

 人が住まなくなった木造の家屋は、少しずつ自然の浸食を許し、自然と一体化していく。完全に自然と同化するまでに100年はかからないだろうか。

廃墟系-8

 崩れかけた家と、咲いている花の組み合わせは、相性がいい。名コンビというとおかしいけど、廃屋と花はお互いに引き立たせるものがある。

廃墟系-9

 錆びも廃墟系では欠かせない要素だ。錆び萌えといったような感覚が確かにある。
 歳月による風化というのは、流れた時間の長さを思わせるから、そこがいいのだと思う。

廃墟系-10

 捨てられて、積み上げられたまま雨ざらしになるテレビたち。
 時代の象徴的な光景だ。来年の2011年にはどんなことになってしまうのだろう。地デジ、地デジと騒いでいる人たちは、捨てられた大量のテレビを見て何も感じないのだろうか。

廃墟系-11

 これは廃墟ではない、稼働している現役の工場だ。
 廃墟好きの人が工場好きでもある確率は高いのだろうか。私の中では二つはかなり近い関係性にある。もっと広く言えば、神社とか歴史的な建造物ともつながっている部分がある。

廃墟系-12

 廃墟が好きで工場も好きとなれば、廃墟になった工場はもっといいに違いない。
 鉱山とかもいい。神岡鉱山もぜひ行ってみたいところの一つだ。

廃墟系-14

 どうやら煙突も好きらしい。煙突を見ると、よく写真を撮っている。

廃墟系-13

 廃墟なのかそうでないのか、微妙で区別がつかないところがある。

廃墟系-15

 団地萌えというジャンルの人たちもいる。古くなった団地も、廃墟と近い魅力を備えている。

廃墟系-16

 使われなくなってそのまま放置されている高架道路というのもあるのだろうか。あればそれも廃墟と同じようなものだ。
 そういえば、廃線というのもあった。廃線を辿って歩くことを趣味にしている人もいる。
 廃線といえば、猿投の方の廃線が気になっている。車で通ると、ちらっと線路が残っているのが見える。歩いて辿ってみると、何か発見がありそうだ。

廃墟系-17

 崩れかけた壁も、私の中では広い意味での廃墟だ。そこに美しさのようなものを見いだす。

廃墟系-18

 煙突と工場跡。
 廃墟は昭和の遺産という言い方もできる。

廃墟系-19

 生コンの施設だったところらしい。

 廃墟には暗い面と明るい面がある。私は基本的に明るい面だけを見ていたい人間で、それは廃墟でも同じだ。撮るなら美しい面を撮りたい。ダークサイドに惹かれているわけではない。
 許されるなら、廃校だとか、閉鎖された遊園地なんかを撮ってみたい。そこには人の記憶が刻まれている。
 簡単に言えばノスタルジーなんだろうけど、それだけではない。もう少し複雑で、深い部分での感覚が関係している。
 そのあたりを自分でも探りつつ、廃墟系の写真も撮っていきたいと思っている。
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