瀬戸電沿線風景---東エリア編

飛行機(Airplane)
瀬戸電風景-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8



 大森に天王祭を見に行ったとき、途中で山車曳きから離れて、尾張旭まで自転車を走らせながら瀬戸電沿線の風景を撮った。
 以前、金城学院前から栄までの沿線を写真に撮った。金城学院前から尾張瀬戸にかけては、馴染みがある場所とそうじゃないところがまだらにあって、それらを一度線としてつないでおきたいと思っていた。
 というわけで、今回は瀬戸電風景・東エリア編ということでお届けします。
 まずは旭前から。跨線橋(こせんきょう)がいい感じに古びている。田舎のローカル駅といった風情だ。
 旭前は、駅の東の通りは数え切れないほど通っているけど、駅周辺はまったく知らない。駅は初めて見た気がする。特に何もない。商店街があるわけでもなく、住宅街があるだけだ。
 瀬戸電の途中の駅はどこもそうで、駅を中心に発展している町はほとんどない。かつては多少なりとも賑わっていた駅前も、今ではすっかりさびれている。
 乗客が少ないからではなく、名鉄の路線の中ではドル箱路線で、朝夕のラッシュはものすごく、昼間でも10分に1本くらい電車の本数がある。にもかかわらず、駅周辺がまったく賑わっていないというのも、不思議な話だ。

瀬戸電風景-2

 一つ手前の印場駅の裏手に、良福寺というお寺がある。なかなか雰囲気のある三門で、惹かれるものがあったのだけど、このときは中に入らなかった。
 どこかで聞いたことがある名前だと思ったら、尾張三弘法のひとつがあるところだった。機会があればあらためて参拝したい。

瀬戸電風景-3

 瀬戸電沿線で私がもっとも馴染みがあるのは、城山公園南の田んぼだ。前を通ったので、田んぼの様子を見ておくことにした。
 ケリの姿はなく、丸々と大きくなったツバメが何匹か、伸びた稲の上を飛んでいた。相変わらずの高速飛行で、このときも捉えられなかった。飛んでいるツバメを撮るのは、本当に難しい。
 その代わりにはならないけど、群れているスズメでも撮っておく。

瀬戸電風景-4

 町中では見られない微笑ましいようなシーン。
 おじいちゃんの着ているのはタンクトップではない。ランニングシャツだ。走り出したりはしないだろうから、ただの袖無し下着と言うべきかもしれない。

瀬戸電風景-5

 尾張旭は散々行っていても、瀬戸電の尾張旭駅はまったく行かない。昔行ったことがあったとしても、まるで記憶がない。こぎれいになっていたけど、どんなふうに変わったのか、変わっていないのかも分からない。水野良春の像があるのも、初めて知った。
 水野良春は、南北朝時代の武将で、尾張旭の基礎を作った人物だ。もともとは瀬戸の水野や守山区の志段味を拠点にしていて、のちに尾張旭に移ってきて新居城を築いた。現在城山公園になっているのが新居城跡だ。

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 尾張旭駅のホーム風景。日曜日らしい雰囲気だった。

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 細い川と、短い鉄橋。
 通ったことがない道ではあらたな発見がある。

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 線路沿いに建つ民家。塀もないからうるさそうだ。
 民家の裏庭と線路のエリアと、境界線が曖昧で、庭の花が線路脇で咲いていたりする。こんなふうに電車と暮らしが混じり合っているようなところがあって、なかなか面白いなと思う。

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 路地と狭い踏切。
 警報機はあるものの、遮断機はない。踏切が狭すぎて、車は通れない。
 瀬戸電の東エリアはこういう踏切がたくさんある。

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 夏の線路風景。
 レールを西日が照らす。

瀬戸電風景-11

 三郷の手前あたりから線路脇の道がなくなって、自転車でも線路沿いを行けなくなる。三郷駅から600メートルほどいくと、また線路脇の道が復活する。
 上の写真は、廃屋となった倉庫のような建物。

瀬戸電風景-12

 お姉さんの後ろ姿を隠し撮りしたかったからではない。遮断機に書かれた言葉が気になった。
「サオを車で」「押して出る」とある。
 どういう意味だろうと、考えてしまった。降りている遮断機を突破することを勧めているのかと考えたけど、それはもちろん違う。
 たぶん、踏切に進入した時点で遮断機が降りてしまったら、そのまま進んで遮断機を押し出せということなのだろう。七五調で、途中で区切って、しかも標語っぽいから、分かりづらい。

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 錆びたトタンの建物と赤い電車。これが昔ながらの瀬戸電風景だ。

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 三郷から先、尾張瀬戸までの区間はほとんど知らない。車で通ったことさえあまりない。
 水野駅は存在だけは知っていたけど、見るのは初めてだった。
 このあとは、新瀬戸、瀬戸市役所前、尾張瀬戸となる。
 日没時間が近づいて、大森天王祭の山車を見るために戻らなくてはいけなかった。ということで、水野駅で引き返した。この先はいずれチャンスがあれば行きたいと思う。

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 夕暮れ時の住宅地上空を群れで飛ぶ鳥たち。シルエットで正体はよく分からなかった。時期的にヒヨドリではないとすると、ムクドリあたりだろうか。

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 オレンジに染まるレールとホーム。
 鉄道にしか出せない色というものもある。どこか、センチメンタルで、ノスタルジックだ。
 今後も折に触れて、鉄道にまつわる風景を撮っていきたい。
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コメント
  • ノスタルジー
    2010/08/08 19:02
    瀬戸電ですねぇ。今日も乗りました。
    民家の軒先すれすれを走ったりするので
    スピードが遅くてたまにイラっとしますが
    そのかわり面白い景色がたくさん見られます。
    猫と目があったり・・

    確かに人の乗り降りは多いのに駅ビルとか無いですね。
    私もあまり地元でお金を使わないかもしれません。
    イトーヨーカドーでアイス買ったりするぐらい。←小学生
  • 次は乗って
    2010/08/09 03:42
    ★いちこさん

     こんにちは。
     瀬戸電が日常のいちこさんにとってはお馴染みの風景でもあり、違った景色でもあるでしょうね。
     電車の中から見るのと、外から見るのとでは、違う景色ですもんね。
     瀬戸電って、そういえばもうどれくらい乗ってないだろう。今度乗ってみます。シルバーのやつはだいぶ良くなったんだろうか。
     赤い電車に乗って、イトーヨーカドーに行くのが正しい瀬戸電作法かな?(笑)
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