甲子園出場校と戦ったという思い出 <後編>

スポーツ(Sport)
高校野球2-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8



 ピッチャーはマウンドで孤独だというけれど、外野手の孤独というものもある。ピッチャーは大勢に注目され、見守られもする。キャッチャーも内野も、声をかけてくれる。それに比べて外野手は、球が飛んできたときしかかえりみられることがない。話し相手もいない。バンザイでもしたら恥ずかしくて仕方がないし、ピッチャーがフォアボールを連発していると退屈で嫌になる。ベンチとの往復も遠くて疲れる。
 だから、外野手はしたくないと思っていた。いつもピッチャーか、ショートくらいしかしなかった。サードは打球が強烈で怖いので避けた。セカンドも楽でいい。
 この試合、長久手の外野手たちは試合を長く感じただろうか。それとも、短く思えただろうか。15失点の多くは外野に球が飛んだし、時間にすると試合は1時間ちょっとで終わった。
 外野の守備がザルでは試合にならない。けれど、外野の守備が試合の勝敗を分けることはあまり多くない。それでも、外野手が好きな人もいる。好き嫌いや、何に喜びを見いだすかは人それぞれだ。
 外野手としての生き様といったものもある。たとえば、イチローのように。

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 長久手のバッターも、ときどきいい打球を飛ばしていた。三振ばかりできりきり舞いしていたというわけではない。惜しい外野フライもあった。
 だから、終わったとき、ノーヒットだったという印象はまったくなかった。四死球で塁も賑わしていたから、あと一本出れば点が取れたシーンも何度かあった。

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 2塁にいったときもあった。ユニフォームも汚れているし、ヘッドスライディングをしたということだ。

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 やや盛り上がっている応援席。
 けど、やっぱり点が入っていないので、大いに盛り上がるということはなかった。
 向こうの点が重なっていくごとに元気はなくなっていった。三塁側のスタンドもだんだん空気が重くなった。

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 エースで四番の中鶴も、この日は音なしだった。何しろ、全員、二打席しか回ってこなかったのだ。もう一打席くらい打ちたかっただろう。

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 三塁ベースコーチの背番号16。
 昔、甲子園のベンチ入りは15人までだった。最近は増えて18人になった。地方大会は県によって違うようだけど、20人のところが多い。
 中京くらいになると、部員数も100人を超えてるんじゃないだろうか。ベンチ入りするだけでも大変だ。
 長久手はスタンドにユニフォームを着ている部員が何人かいたから、30人くらいはいるのだろう。
 前の試合で東邦に善戦した南山は部員数が17人だという。
 高校野球における背番号というのは、ある意味、残酷なものでもある。

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 中京打線は止まらない。大きいのは狙わず、コンパクトに振り抜いてくるから、簡単にヒットが出る。そして、それがつながる。

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 点差が開いても容赦はなく、盗塁を絡めながら、ランナーは次々に帰ってくる。

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 さすがにピッチャーの中鶴もがっくりといった様子が見て取れた。自分の球がこうもあっけなく打ち返されるとは思わなかっただろう。
 それでも、最後まで我慢強く投げていた。

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 代わった二番手のピッチャーもコントロールが悪く、フォアボールを出していたから、なんとか1点と思ったけど、やはり打つことはできなかった。序盤でヒットが出ていれば、もう少し楽に打てたかもしれない。

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 5回の表、長久手は点を取らないとコールド負けになってしまう。ツーアウトで、バッターは三番。ネクストで待つのは四番の中鶴。
 なんとか自分まで回してくれと願っていただろう。

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 最後は自然と一塁へのヘッドスライディングになってしまうらしい。そうしようと決めていたわけではなくても、体が勝手にしてまうんじゃないだろうか。

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 整列が解けて、ベンチに戻る長久手の選手たちに涙はなかった。あまりにもきっちりやられてしまって、ちょっと恥ずかしいくらいの感じだったかもしれない。4回戦まで進んだことで、満足してしまったところもあっただろうか。

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 中京の校歌斉唱。
 このあとも中京は危なげなく勝ち進み、今日の決勝も完勝して、甲子園行きを決めた。
 長久手の選手たちは、よかったと思ったんじゃないか。やっぱり強かったんだと、あらためて納得もしただろう。
 中京が負ける姿というのはあまり想像ができないのだけど、甲子園に行けば上には上がいるに違いない。少し不安要素がある投手陣が打ち込まれて、打線でカバーしきれずに負けるというパターンはありそうだ。

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 応援ありがとうございましたの挨拶。
 学校ぐるみで応援にいきましょうという話は出なかったようで、スタンドに学生の姿は少なかった。

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 野球部のマネージャーか、自主的に応援に来た学生か。
 ベンチ側の観客席にいると、自分たちのベンチの中を撮れないのが残念だ。途中で反対側に回ってもよかったかもしれない。

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 試合後の球場前。
 関係者や観客の多さに、やっぱり野球部というのは部活動の中でも特別なものだとあらためて思う。他の部活に比べて、注目度がまったく違う。

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 高校野球を撮るというのは、思ったよりも楽しくて、難しくもあった。一度経験すれば分かることもたくさんあったから、次回はもう少し撮れそうな気がしている。甲子園となると、広すぎるし、人も多いから、なかなか難しいものがあるだろうけど、チャンスがあれば一度観に行きたいと思う。
 2010年の夏の思い出として、高校野球というものがくっきりと記憶に刻まれた。ありがとうとお礼を言いたい。
 また来年、会おう。
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