碧南ってこんなにいいところだったんだと思い知る <名鉄の旅・第8回>

観光地(Tourist spot)
碧南駅前の風景

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4



 碧南市……。
 その名前を頭に思い浮かべて、何が出てくるだろうとしばし考えてみる。
 ……何も出てこない。ぼんやりとしたイメージさえ浮かばない。碧南、それは名前のみ知る未知の町だった。
 どうして碧南へ行こうと思ったかといえば、話は単純で、名鉄三河線の終着駅のひとつだったからだ。名鉄の路線図を眺めながらどこへ行こうか考えていたとき、終着の豊橋、豊川稲荷、蒲郡、河和は、それぞれ一度は行ったことがある町で、行ったことがないのは中部国際空港と碧南だった。今回の名鉄乗り放題の旅(まる乗り1DAYフリーきっぷ)は、南エリアだけを考えていたから、北は最初から行く気がなかった。
 碧南は車で通ったことさえないまったく知らない町だったから、この機会に行ってみようということになったのだった。
 そして、碧南へ行ってきた今の私は、碧南はすごくいいところだと力を込めてオススメしまくりたいくらいの碧南好きとなった。碧南なんて何もないところだから行っても仕方ないよね、などという会話を耳にした日には、いやいや、君たち、碧南はいいところだから是非行った方がいいですよと、会話に割り込んででも碧南を推したい気持ちになっているのである。
 いやしかし、期待を込めて向かうとよくないかもしれない。私の場合は、期待値がほとんどゼロに近かったから、思いがけずよくて過大評価につながっている部分がある。期待していなかったやつが突然結果を出すと手のひらを返したように褒めるというのに似ている。
 今日から何回かに分けて紹介していく中で、少しでも碧南の魅力を知ってもらえたら、私の碧南行きも無駄ではなかったことになる。これを見た人が興味を持って碧南に行ってくれると嬉しい。
 碧南というところは、まったく観光地ではなく、愛知県の観光案内で紹介されることもほとんどない。愛知県民でも知らない人が多いかもしれない。今後も観光地として脚光を浴びることはおそらくないだろうけど、私のようにふらりと訪れた人に意外な喜びを与えてくれる町ではあり続けるんじゃないかと思う。古い町並みがいつまでも残るわけではないだろうから、チャンスがあれば一度訪れてみて欲しい。



ツタの張った古びたビル

 碧南の町は、なんというか、とてもマイペースでリラックスしているように思えた。
 近代化に乗り遅れまいと必死なわけでもなく、歴史に縛り付けられてしがみついているわけでもない。古いものは自然に残り、淘汰されながら、新しくするところは新しくするといった風で、良くも悪くもあまり頑張っていない。頑張ってはいけないけど、ひなびていじけているような感じがないのがいい。



古い家屋

 私の視点が古いものを追いかけているから、写真を見るととても古い町並みのように思えてしまうかもしれない。実際は大部分が今どきの住宅地といった顔をしている。
 そんな中で、歴史を感じさせる建物が点在していて、そのバランスがいい。適度に古いものが残っている方が、発見する喜びがある。歴史景観保存地区というのも、やや作り物めいていて不自然に感じられることがある。



昔ながらの喫茶店と乳母車を押すおばあさん

 田舎の方では、おばあちゃんはベビーカーを押しているスタイルが、やはりスタンダードだ。
 都会へ行くほどこういう姿は見られなくなって、ひとつのバロメーターとなっている。



西方寺の鐘楼

 西方寺の鐘楼。碧南のシンボルのひとつと言っていいだろう。
 西方寺についてはあらためて紹介したい。



九重味淋の黒塀通

 九重味淋の黒塀通り。
 とても雰囲気があって素敵だ。ガイドブックに載らないのが不思議なくらいだ。



木造の建物

 木造の日本家屋が生み出す光と影の光景。
 私たちが忘れかけている日本の美。



生活感のある路地風景

 暮らしの体温が感じられる路地を歩く。



 朱塗りのトタン板

 ガス管の跡か何かか。
 後ろの赤く塗られたトタンの色が鮮やかだった。



大浜漁港の風景

 大浜漁港に出た。
 ここで橋を渡って南の築山町へ行くか、北に進んで碧南市臨海公園へ行くかで迷った。迷って臨海公園を選んだのだけど、これが失敗だった。公園にはこれといった見所がなく、当たりは築山町の方だったことを帰ってから知ることになる。港町特有の古い町並みがあるらしい。
 おかげでもう一度碧南へ行かなくてはいけないという思いを残すことになった。再訪できたとしたら、今回の失敗を取り戻せるのだけど。



九重味淋の蔵

 九重味淋の大きな蔵。行きには発見できず、帰り道で見つけることができた。



味わいのある路地風景

 なんだか離島の路地風景みたいだった。ちょっと不思議な感覚に陥る。



住宅地の風景

 下校途中の中学生。彼女の日常と、私の非日常がすれ違う。



名鉄の赤い車両

 終着駅のホームには、発車時間を待つ列車がとまっている。

 今回は碧南紹介のプロローグということで、ざっと駆け足で紹介することになった。
 次回からは歩いた順番に寺社などを絡めつつ、もう少し詳しい紹介をしていこうと思っている。
 つづく。
 
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