三国湊本編の前のプロローグ <第4回>

観光地(Tourist spot)
三国1-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 / DA 55-300mm f4-5.8



 東尋坊から三国駅までの帰り道は、バスに乗った。帰りも歩くのはさすがに厳しかったし、三国駅から福井駅へ行く電車の時間もあった。ただ、バスの時間まで15分ほどあったので、最後に荒磯遊歩道でもう少しだけ写真を撮ることにした。
 午後の太陽に照らされた日本海は、白くきらめいて、眼を細めないと見られないくらい眩しかった。これが日本海の見納めというわけではないだろうけど、東尋坊を再び訪れる機会があるかどうかは分からない。忘れないようにしっかり見ておこうと思った。

三国1-2

 岩場に打ちつける波が白く尾を引くように写したいと、NDフィルターとPLフィルターを重ねてシャッタースピードを落とそうと試みてはみたものの、この日は日差しが強くて明るすぎた。波も荒っぽさが足りず、これが精一杯だった。
 それを撮るために三脚を持っていったのに、今ひとつ使い切れず、肩に重さがのしかかった。
 そうこうしているうちにバスの時間になった。本数が少ないから、一本逃すと致命傷になる。バスはわりと時間通りに来た。三国駅までは15分足らずの道のりだ。

三国1-3

 三国駅の駅前風景。
 電車の時間まで45分くらいあって、待ち時間をどうしようかと考えた。せっかくだから三国駅周辺を散策しようと歩き始めたところ、思いがけず趣のある古い町並みに出会って驚くことになった。
 三国駅前散策はまったく予定になくて、下調べもしてなかったから、古い町が残っていることを知らなかった。もし知っていたとしてもスケジュールは動かしようがなかっただろうけど、多少なりとも予備知識があれば効率よく回れただろうに、このときは行き当たりばったりになってしまった。途中からこれはいいぞということになって、早足でできるだけ歩き回ることになる。
 遠くの上の方に見えている丸屋根は、龍翔館(りゅうしょうかん)という建物だ。
 エッセル堤を設計したエッセルが担当した建築物で、かつては龍翔小学校として使われていたらしい。
 現在は博物館となっていて、三国の文化や歴史、文学などの展示をしているそうだ。

三国1-4

 駅から少し歩いたところにある氷川神社。このときは由緒も歴史も何も知らないまま、とりあえず挨拶しに立ち寄った。
 創建はけっこう古いようで、別の場所にあった式内社の枚岡神社が元になっているという話もあるようだ。
 昔は神仏混合で、薬師堂と呼ばれていた時代もあったとか。
 江戸時代にこの地に移されて、明治に入ってから氷川神社と改称したという。

三国1-5

 こういう光景を見ると、いつも切なさを伴う。
 いいことだと思う半面、泣き笑いのような複雑な気持ちになる。

三国1-6

 格子と一階と、二階は昭和の趣を有している。

三国1-7

 わっ、細っ、と思った家。
 下が店舗で、上が住居という造りだろうか。

三国1-8

 私が撮る写真はどうしてこんなものばかりになってしまうのだろうと、ときどき自分でも反省心が起きる。
 でも、惹かれるんだからしょうがないじゃん、ともう一人の私が反論する。

三国1-9

 なんとなく面白い感じの造りになっている家。
 違う設計の二軒の家が合体しているみたいだ。前の部分が後ろの家にめり込んでしまったみたいにも見える。

三国1-10

 花輪と提灯の店のようだ。花輪と提灯というのは共通項があるのだろうかと考えて、あるようなないような、あると言われればなるほどありますよねと納得しそうな気もする。
 提灯というのも、様々な時と場所で需要がありそうではある。具体的に自分が提灯を必要としたことはこれまでにないのだけれど、折りたためる携帯用の提灯を一つくらい持っていてもいいかなと思ったりもする。明かりがない真っ暗なところで、みんな誰もライトとか持ってなくて困り果てているところに、実はオレ、提灯持ってるんだよねと、懐から取り出したら、みんなの尊敬を集められそうな気がする。ロウソクと火打ち石も忘れないように持参しなくてはいけない。

三国1-11

 道端を歩いていた猫。首輪をしていたんだったか、していなかったんだったか。
 写真を撮ろうとカメラを構えたら、カメラ目線をくれた。なかなか心得たやつだ。

三国1-12

 軒先の物干し台に、荒縄で干物をぶら下げている。
 うちの近所では見かけない光景だ。港町の片鱗を見た。

三国1-13

 なんとなく微笑みが漏れる貼り紙だった。別に面白いことを書いているわけではないのに、なんだかちょっと笑えた。只今を漢字で書いているのに達筆ではない字のアンバランスさかもしれない。

 歴史のある町並みは、このあたりのことではない。もっとそれっぽい建物が残っていて、かつての繁栄を偲ばせる。三国湊の町並みを撮りに行って、私みたいなところを喜んで撮ってる人は少ないと思う。
 次回は三国湊本編ということで、ちゃんとした(?)古い家屋の写真を中心にお届けしたい。
 つづく。
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