
今日のサンデー料理は、先週のイタリアン延長戦となった。食材が余っていたのと、イタリアカラー3色の完成度がもうひとつだったのが心残りだったことがあって。
しかし、結果的に延長戦は失敗に終わった。見た目の再現度は落ち、味まで落ちてしまった。トリノオリンピックも終わって、もうイタリアの風は私に吹かなかった。
3食の中で一番難しいのはなんといっても緑色の出し方だ。左がそれで、今回はモロヘイヤジュースでリゾットにしてみた。だけど、それだけではまったく色が付かず、刻みパセリで誤魔化すことになった。モロヘイヤジュース自体はけっこういい緑色をしてたからいけるんじゃないかと思ったら甘かった。ついでに味も甘かった。飲むとマスカットのような味付けがしてあって、これはご飯にはあまり合わない味だ。コンソメで味付けしても甘ったるさが残った。野菜ジュースのようにはいかなかった。
緑色を作るには、手打ちパスタをこねる段階でほうれん草を練り込むのが一番だと思う。それにバジルソースを絡めれば緑色の再現度は高くなるだろう。
白は手製のホワイトソースにマカロニを絡めてみた。ただ、これも白色とは言えず、クリーム色になってしまった。味はホワイトソースなので無難に仕上がっている。
右の赤はなんだかキムチみたいに見える。もちろん違う。メカジキとシーフードをホールトマトで煮込んだものだ。トマトベースにチキンスープの素で、味としては悪くなかった。トマトの酸味がイタリアンらしさを出していてよかった。
今回は残念なことに、終始盛り上がりに欠けるサンデー料理だった。作っているときも、出来上がりを見たときも、味わったときも。二週連続同じ観光地を訪れてしまったときのような盛り上がりのなさ。味が前回を上回ればまだよかったけど、それさえも落ちたのはいただけない。前回は85点あったのに今回は68点、これでは人に喜んではもらえないだろう。自分自身喜べなかった。今日は気分的に低空飛行で、それが料理にも表れてしまったかもしれない。勢いが感じられなかった。
こういう日もある。仕方がない。これに懲りず、来週に向けて気持ちを高めていくことにしよう。更なる高みを目指すなら、未知なるものへの好奇心と冒険心が必要だ。こぢんまりと和でまとまろうとせず、見知らぬ外国への旅に出よう。サンデー料理に美味しさを求めてはいけない。
来週はラクダに乗って月の砂漠をいくか、陽気にバンジョーをかき鳴らしながらサボテンをバックに歌い踊るか、はたまたガンジス川の流れに身を任せてスパイスの香りに酔うか。頭の中ではすでに放浪が始まった。日曜日に心が辿り着いた先の料理を作ろう。それがたとえスカンディナヴィア半島の先端だったとしても。