
PENTAX K10D+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8
今日は香流川桜レポートの後編をお届けします。
最初の写真を見て、おいおい、もう満開かよと焦った方もいるかもしれない。けどこれは、ソメイヨシノじゃないから、慌てることはない。香流川沿いでさえなくて、少し離れた民家の庭に咲いていたしだれ桜だ。早咲きのしだれということを考えると、エドヒガンじゃないかと思う。なかなかいい姿で咲いていた。この家の人はもちろん、近所の人たちも毎年楽しみにしていることだろう。

この日歩いた範囲で一番よく咲いていたのがこの木だった。かなり大きな桜で、マンションの4階くらいの高さがある。もう5分咲きに近いくらい咲いていた。相当気が早いやつだ。
それぞれ思うときに思うように咲けばいいのだけど、もうちょっとみんなと合わせていこうよと声を掛けたくもなる。みんな桜トンネルの仲間なんだから。
生き急ぐやつは死に急ぐやつで、桜も咲き急ぐやつは散り急ぐ。

桜と人撮りの予行演習をした。イメージトレーニングだ。
桜トンネルの下で傘を差して行き交う人たちというのもなかなか絵になりそうだ。晴れた日とはまた別のしっとりとした風情がある。雨の日もチャンスだということが分かったから、咲いている期間中に雨が降ったら必ず撮りにいこうと思った。

そこそこ雨は降ってるのに傘も差さずに犬の散歩をするおじさん。大丈夫だろうか。人も犬も風邪を引かないかと心配になる。
雨の日に傘を差していない人を撮ると、雨が降っているように見えない。写真で雨を雨らしく表現するのは難しい。雨粒とか傘とか、どうしても間接表現になりがちだ。何かいい方法を考えたい。

みんな傘を差しながら自転車に乗っている。思うほど濡れないのだろうか。
傘を差しながら自転車に乗って写真も撮るというのはほぼ無理だから、雨降りの日は歩くしかない。歩きでもデジとレンズが濡れて大変だ。もし人目を気にしないのなら、大きな傘を背中にくくりつけて撮影したい。傘バンドみたいなものも売ってそうな気がするけどどうなんだろう。

ピンクの提灯は、延珠橋の東側だけにかけられていた。こちらの町内会が自主的にやっているのだろう。
華やかな雰囲気になっていい。夜に明かりが灯ればもっといい。

灯油売りのトラックがスピーカーで、今シーズンは今日が最後になりますと呼びかけながら回っていた。ここ何日か寒い日が続いてるから、まだストーブをつけてる家もあっただろう。あと一週くらいは需要がありそうだ。明日からはまた暖かくなるようだから、いよいよ暖房の季節も終わりだろうか。週末にかけて一気に桜の開花も加速しそうだ。

菜の花とも言えない何か黄色い花が土手に咲いていた。アブラナの一種だろうか。
桜だけでなく、いろんな花が咲き始めて、だいぶ春めいてきた。

ボケの花を見ると、ボケって春だっけ、と毎年思う。なんとなく初夏の花のように思い込んでいる。
次に漱石を思い出す。ボケは漱石が好きな花だった。

一年を通して川にいるコサギはあまり季節感を感じさせない鳥だ。冬羽に衣替えするくらいで、冬は特に寒そうでもなく、夏は暑そうでもない。
流れの中でじっと立っているか、エサの小魚を狙っているか、たいていどちらかだ。いつも単独で行動するクールなやつ。

渡りのカモの中では、最後に渡るのがコガモだ。オナガなどの姿がなくなっても、まだ少し居残っているやつがいる。遅いのは日本で桜を見てから北へ帰っていく。
それでもそろそろ4月も近づいてきて、渡る季節が巡ってきた。それと入れ替わるように夏鳥のツバメが渡ってくる。

キツツキの一種、コゲラさんだ。久しぶりに見た。
一年中日本にいるコゲラではあるけれど、冬場に見ることが多いから、冬鳥の印象が強い。春にこんな市街地で見たのは初めてだ。桜に誘われてやって来たのだろうか。
体色は褐色で、遠目で見ると大した鳥には見えない。スズメと同じくらいの大きさだ。
ギィーギィーという鳴き声や、コンコンコンと木をつつく音が聞こえると、それと分かる。
桜はまだやっと咲き始めたところだ。けど、まだ大丈夫と油断していると一気に進むから、のんびりもしていられない。勝負はこれから一週間から10日の間だ。近所はできるだけ見回るとして、一ヶ所はどこか思い出に残るところへ撮りに行きたいと考えている。さて、どこへ行こうか。