名古屋駅裏と駅表とどっちがどっち <その2>

名古屋(Nagoya)
自転車から2-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8



 今日は戸田から自転車に乗っての帰り道2回目ということで、名古屋駅裏から再開したい。
 名古屋駅より東側に住んでいる人間にとって、駅表は東の桜通口で、太閤口の西は駅裏だと思っている。駅の西に住んでいる人たちにとってはどうなのだろう。同じなのか、それも自分たちが住む西を表と感じているのだろうか。山梨県に住んでいる人は山梨側の富士山を裏富士と言われるのが気に入らないそうだけど、それと似た感覚を持っているのかどうか。
 駅東に高層ビル群が建って以降も、駅西はあまり変わっていないようで、下町の雰囲気がある。こちらには高いビルは少なく、古い家並みも少し残っている。10年前と比べたらけっこう変わっているのだろうけど。

自転車から2-2

 大門というアーチがあるところに出た。
 魅力的な通りの予感があったのだけど、ここで北上してしまうと名古屋駅を越えるのにずいぶん大回りになってしまうので、やめておいた。しかし、この判断は失敗だった。
 帰ってきてから知ったのだけど、中村遊郭があったのがこの通りだったのだ。それを知っていたら絶対に寄っていたのに、知らなかった。どこかのお寺の門前通りかなという予想は外れた。遊郭の出入り口にあった門を大門といい、そこから地名は来ている。ちなみに東京の大門は、芝増上寺の大門から来てて、吉原とは関係ない。
 大須の旭遊郭から移転して作られたのが中村遊郭で、戦前までは赤線地帯として全国的に名の知れた歓楽街だったそうだ。
 今でも昭和の面影を残す建物が少し残っているようだから、近いうちに再訪したい。何も知らずに行くよりも、ある程度予備知識を持って行った方が発見もあるだろうから、今回は入口だけ分かっただけでもよしとしよう。

自転車から2-3

 普通の住宅地の間から見える奇妙な形の高層ビル。かなり違和感があるこんな風景こそが、21世紀初頭らしい風景とも言える。
 駅裏はあまり訪れないから、反対側から見るビル群の景色は新鮮に映る。

自転車から2-4

 笹島交差点から名鉄方面を見たところ。
 ナナちゃん人形はドラゴンズのユニフォームを着ている。そろそろプロ野球も開幕だ。
 それにしても、名古屋のど真ん中で自分が自転車に乗っている姿というのは想像したことがなかった。ここを自転車で走れればもう恐いものなしだ。どこへでも自転車に乗っていける。

自転車から2-5

 堀川にかかる納屋橋へとやって来た。
 少し前に納屋橋近辺を歩いたときのことをこのブログで紹介した。今回は自転車に乗って写真を撮った。
 堀川に浮かんでいたのはボートというよりゴンドラだ。今はなきイタリア村から持ってきたやつかもしれない。仕事がなくなったヴェネチア人のゴンドリエーレをここに連れてきて、堀川でゴンドラ乗りのサービスをすればいいのにと思った。
 手こぎのゴンドラでは遠すぎるなら、水上バスで名古屋城と熱田の七里の渡しまで行き来するのは、観光として面白いと思うけどどうだろう。熱田の先は名古屋港まで続いているから、定期船にすれば観光の新たな目玉になりそうなのに。

自転車から2-6

 向こうに見えているのは錦橋で、川岸には四季桜が咲いていた。今が満開のようだ。
 遊歩道も整備されたし、岸沿いに店もできて、堀川の水もだいぶきれいになった。少しずつ人も戻ってきている。

自転車から2-7

 納屋橋の角にレトロな建物がある。旧加藤商会ビルで、登録有形文化財に指定されている。
 戦前はタイ(昔風に言うとシャム)の領事館などがあったビルで、今はタイ料理レストランと堀川ギャラリーになっている。
 一度入ってみたいと思いつつ、今回もスルーした。いずれ機会があれば。

自転車から2-8

 駅を越えて東側まで来れば、お馴染みのエリアだ。もう迷うこともないから、適当に道を折れたりしながら、東に向かう。
 これは伏見あたりだ。このエリアはあまり訪れないところだから、普段車で通らないような細い道を走ってみた。

自転車から2-9

 栄方面を目指しながら走っていたときに見つけた桜の木。
 春一番に咲き始めるカンヒザクラだ。もうだいぶ散って、終わりかけだった。地面に花がかなり落ちている。
 沖縄ではこのカンヒザクラが1月の終わりくらいに咲き始めて、そこから桜前線の北上が始まる。

自転車から2-10

 蕾のように見えてこれでもう咲いている状態だ。このまま花がボトリと落ちるから、風情はあまりない。
 この花は遠くから見るよりも近づいて見た方が可憐で魅力的だ。

自転車から2-11

 地面がおかしな色をしていると思ったら、太陽の光がビルに反射してできた光だった。
 ユキヤナギもかなり咲いてきている。もうそんな時期になっているのだ。

自転車から2-12

 女子大生も卒業式だったようだ。
 昔、春が嫌いだったのは、いろんなことが一度に起きて、なんだか急かされる気分になるからだった。自分では関係ないところで起きている出来事でも、多くのことが目まぐるしく起きるとなんとなく気ぜわしくて落ち着かない。自分も何かしなくてはいけないという気になる。
 今はそんな気ぜわしさにも慣れて、春も好きになった。焦る気持ちも少しは楽しめるようになった。

自転車から2-13

 日銀前交差点に出た。ここは去年、イチョウを撮りに来たところだ。イチョウはすべての葉を落として、まだ冬枯れのまま色を失っている。若葉を出すのはもう少し先だろう。

 第2回目はここまでとしたい。
 次回に続く。
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コメント
  • 2010/03/23 22:27
    きゃっ!嬉しいなぁ。
    私が生れ育ったあたりの写真が一杯。

    駅裏で生れ、中村遊廓のお城のような建物を遊園地か何かのように感じ出て育ちましたので。

    中村区の西は「駅裏」でかまいません。住民も気にしていません・・多分。
    東海道新幹線ができるまではバラックが沢山あって、恐ろしいところでした。そんな頃の雰囲気が「駅裏」という言葉に隠れているため、嫌う人もいるかもしれませんが。

    駅前の高層ビル群ができたお陰で中村区の多くの地区でケーブルテレビとなりましたが、三枚目の写真のような風景があちこちで見られるようになり、非常に写真的な街になったように思います。

    ぜひ次は中村遊廓と高層ビル群を撮影してみて下さい。
  • 次も昼間に
    2010/03/24 02:25
    ★moumingさん

     こんにちは。
     moumingさんの生まれは、駅裏のあのあたりでしたか。
     私はほとんど馴染みがないところなんだけど、今回で少しだけ知ることができました。
     大門のあたりはやっぱり魅力的なところのようですね。ぜひもう一度行かねばです。
     古い家並みとビル群の組み合わせを撮ってみたい。
     夜はちょっと近寄らない方がいいかも?(^^;
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