若冲を見たくて「日本の美と出会う」展に出向く

名古屋(Nagoya)
日本の美と出会う-1

PENTAX K10D+TAMRON 28-75mm f2.8



 名古屋駅の高島屋で「日本の美と出会う 淋派・若冲・数寄の心」展を観てきた。
 京都にある細見美術館所蔵の約60点を展示する特別展で、大阪、東京に続いて名古屋へとやって来た。
 最近、少しずつ日本の古い美術品にも興味を持ち始めているのだけど、この展示会に行こうと思った一番の理由は、伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)だった。なんでも鑑定団で存在を初めて知って、一度実物を見てみたいと思っていた。
 展示品は、俵屋宗達・本阿弥光悦、尾形光琳、中村芳中、神坂雪佳などの京琳派から始まり、酒井抱一、鈴木其一、鈴木守一などの江戸琳派が続き、その後、伊藤若冲が登場する。このあたりの絵に興味がある人にはなかなか楽しめる内容になっている。
 一般的な人気も高いようで、平日の午後早い時間にもかかわらず、かなりの盛況だった。ゆっくり見られそうな時間帯を狙ったつもりが裏目に出た。年齢層高めの夫婦連れの人などが多かったから、夕方から夜にかけての方が空いているのかもしれない。

 若冲は、明治以降、忘れられた存在になっていた画家で、再発見されて人気が出たのは1990年以降のことだった。
 昭和の実業家・細見良は若冲のよさに早くから気づいていたのだろう。今回の展示では、「糸瓜群虫図」、「虻に双鶏図」、「海老図」、「鼠婚礼図」、「群鶏図」、「伏見人形図」、「踏歌図」、「花鳥図押絵貼屏風」の8点を見ることができる。「伝 伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」」は、たぶん本物じゃない。安河内さんに鑑定をお願いしたい。
 もっと目利きだったのが、アメリカ人のジョー・プライスだった。相当数がアメリカに渡ってしまっている。日本に貸し出してもらって何度か展示会が開かれたことはあるけど、「紫陽花双鶏図」などを見るためにはアメリカまで行かなくてはならない。代表作の「動植綵絵」は宮内庁管理になっている。以前に皇居んどで部分的に公開されたことがあるようだけど、これはなかなか見る機会がなさそうだ。
 今回展示の中では、「花鳥図押絵貼屏風」が一番の見所と言えるだろうか。墨絵屏風で、筆の勢いがすごいことになっている。
 墨絵を見ると、書と絵がごく近い関係のものだということが分かる。点と線が書になり絵になる。名人と凡人では、同じ字や絵を描いても何かが決定的に違う。
 個人的には、濃彩の花鳥画をもっと見たかった。緻密に描かれた写生的でありながら幻想的な花鳥図にこそ若冲の真骨頂がある。
 初期の作品とされる「糸瓜群虫図」も面白かった。糸瓜にたくさんの虫たちがとまっている。それぞれの虫は写実的でありながら、現実にはあり得ない光景だ。

 若冲もよかったけど、酒井抱一(さかいほういつ)のよさを再認識した。
 江戸琳派の創始者である抱一の画風は、京琳派の模倣から始まって、模倣で終わらなかった。
 描く線に気品があり、端正で、江戸っ子らしく気取りがない。キリッとしているのは武家の生まれというのも関係があるかもしれない。姫路藩主・酒井忠以の弟として生まれ、芸術、文学に親しみ、そのあたりが絵にも表れている。江戸時代後期という時代性もあったのだろう。
 尾形光琳、葛飾北斎などの有名どころも数点あり、なるほどと思う。有名だからすごいというのではなく、これだけすごかったら当然有名になるよねというなるほどだ。
 名古屋での展示は、1月11日までなので、興味がある方はぜひ。

名駅周辺-2

 夕方まで時間があったので、名駅から名古屋城まで歩くことにした。その途中にある、明道町の駄菓子屋問屋街へ行くことも目的の一つだった。
 昼間のタワーズライツは、むき出しの配線とワイヤーの光景。夢の舞台裏はあまり見ない方がいい。
 タワーズライツは今日までということで、明日には撤去されているかもしれない。去年も見られてよかった。今年のクリスマスも楽しみにしておこう。

名駅周辺-3

 名古屋駅前の象徴の一つ大名古屋ビルヂングも、建て替えられることが決まって、今の姿を見られるのはあと少しとなった。38階建ての高層ビルになるらしい。
 中央郵便局分室も高層ビルになるという計画がある。駅の風景もだんだん変わっていく。今の風景は今のうちに撮っておかないといけない。

名駅周辺-4

 駅からルーセントタワーへと続く地下道・ルーセントアベニューも前から一度歩いてみないといけないと思っていた。壁画と光の演出が特徴で、できたときはちょっとした話題になった。
 今更こんなところで写真を撮ってる人も少ないだろうけど、せっかく行ったので歩きながら何枚か撮った。

名駅周辺-5

 なかなか幻想的だ。人目を気にしなければ面白い写真が撮れそうだ。歩いている人をきちんと選んで配置したいところだ。

名駅周辺-6

 光の色や当たる場所を変えている。壁画もテーマ別になっているようで、そのあたりも注目していくとよさそうだ。
 ただ明るいだけの通路では楽しくない。こういうのはいい試みだと思う。

名駅周辺-7

 名古屋を訪れたときは、時間があればこの地下街を歩いてみることをオススメしたい。自分は観光客なんだと居直れば、人目があるところで写真を撮っても恥ずかしくないはず。

名駅周辺-8

 ルーセントタワーは、一度も入ったことがない。展望台もなく、用事もない。地下から2階に飲食店が入っているけど、どこも苦戦しているようで、去年半分くらい閉店になってしまった。一度くらいはどこかの店に入っておきたい。

名駅周辺-9

 名古屋駅から少し離れると、一気にひなびた感じになって、古い建物などもポツポツ残っている。駅の北は特にそうだ。
 駅北にある、ノリタケの森へ向かう。

名駅周辺-10

 銭湯の桜湯。もう営業していないようだ。
 名古屋もここ数年でまた銭湯が減った。頑張って続けていた昔ながらのところも、燃料高騰のあおりを受けてこらえられなくなった。

 このあと、ノリタケの森から明道町へと続く。
 今日はここまでとしたい。
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