
PENTAX K10D+TAMRON 28-75mm f2.8
今日は昨日の続きで大森散策編をお送りします。
大森といってもローカルすぎて近所の人しか知らないと思うけど、このブログでもちょくちょく登場している。雨池とか、金城学院とか、大森寺なんかが出てきた。八剱神社を紹介したこともある。
子供の頃、名古屋に引っ越してきて最初に住んだのが大森だった。その頃の記憶はかすかにしか残ってなくて、車で通っても今の風景と比べてどこがどう変わっているのか、はっきりは思い出せない。断片的な記憶があるのみだ。
歩いてみれば思い出すこともあるかもしれないと、久しぶりに裏通りまで入って歩いてみた。けれど、思い出すことは少なかった。私が昔のことをあまり覚えていないということもある。

雨池公園で出会ったノラ。私が好きな茶トラは、もう少し濃い茶色でシマシマ模様がはっきりしたやつだ。
でっぷり太った体型に、きれいなブルーの瞳をしていた。外国猫の血が混じっているようだ。

法輪寺というお寺さんの境内にある大きな木。何の木かは知らない。立派なので撮ってみた。
こんなところに寺があったのも知らなかった。

今回、一番確認したいと思っていたのがこのスーパーだった。
昔はかなり古びたスーパーだった記憶があるけど、今は小綺麗になっている。もっと奥まった突き当たりにある印象だったのに、通り沿いという感じだ。前に公園があって、これも全然覚えていない。子供の頃、母親によく連れてこられたはずなのに、自分の記憶力のなさに驚く。
こんなふうになったんだという感慨深さはあった。

歩道橋の上から見下ろしてみる。
こんな風景じゃなかった。もっと道も狭かった気がするし、向こう側は藪のようになってなかっただろうか。もっと横に長くて、薄暗かった印象もある。歩道橋のすぐ下あたりじゃなかっただろうか。
自分のイメージとのギャップに、釈然としないものを感じた。あまりにも思い出せなくて自分自身あきれた。

瀬戸街道の西方向を眺める。
右手のマンションは当然ながら当時はない。ごく最近建ったものだ。
左手のコンビニがあるところがアパートの大家さんの家があったところだと思う。その裏手に住んでいたアパートがあった。今はそれも取り壊されて家が建っている。
アパートと中庭の風景はぼんやり覚えている。二階から下に落ちて死にかけたことは覚えていない。そのとき頭を打って記憶をなくしたのかもしれない。

和菓子の大泉堂だけは変わらない。店は建て替えられて、代替わりもしてるのだろうけど、店構えなどは当時とあまり変わってないんじゃないだろうか。ここまで続けば、もう老舗といっていい。

裏手にちょっと変わった喫茶店があった。
伊太利亜ではなく伊太利古。なんと読ませるんだろう。
しかし、大森でこのセンスは受け入れられなかったのか、閉店して久しい感じだった。

ぐるりと一周歩いて戻ってきた。30分くらいだっただろうか。もう少し足を伸ばそうと思っていたけど、日没で暗くなったのであきらめた。
永遠に変わらないと思っていた赤い瀬戸電も、今やシルバーの新型に変わりつつある。変わらないものは何もなくて、それでいいのだろう。昔を懐かしむことができるのも、時代と共に変わり続けていくからだ。変わらなければ懐かしいという気持ちは起こらない。
今回こうしてあらためて歩いてみたことはよかった。気になっていたところも見られてすっきりした。また何年かして歩いてみたら、そのときは違った感想を持つことになるだろう。